老子の説く理想の国『小国寡民』

小さい国は人口が少なく、いろいろな器具があっても使わせない。

人民に命を大切にさせ、遠くに移り住ませない。たとえ小舟と車があっても、

それに乗ることはなく、武器や鎧があっても、並べて使用することはない。

二千数百年前に書かれた『老子』という書物は、具体的な人名や地名がまったく現れない、抽象的な議論に終始した内容であるにもかかわらず、長い年月にわたって東アジアの人々の思考の指針であり続けてきました。

それはこの書物の内容の深さと広さとの証明であります。また、欧米の知識人の興味を強く惹きつけ、そのキーワードである「道(タオ)」という言葉は広く流通しています。世界全体を見渡せば、『老子』は『論語』よりもはるかに広く読まれ、大きな影響を与えています。

『老子』の思想の根幹は、その動的な世界観にあります。つまり、世界のいかなるものも、動かないものとしてではなく、生まれ、変化し、滅ぶものとして理解させます。

そしてそれを、固定した動かし得ないものと思い込んでしまうことの危険性を、さまざまな角度から指摘し、粘り強く繰り返し、叱咤激励します。

参照:湯浅邦広著、超入門「中国思想」、大和書房、2016.

2023.11.10.

郷土愛の大切さ

阪神が38年ぶりの日本一になりました。オリックスとの関西対決だったので、例え負けても地元チームが日本一、リラックスして観戦できました。地元チームが日本一になるのは、日本チームが世界一になるよりも、もっとうれしい。地元の中学や高校なら、市代表や県代表になるだけで興奮します。

地元の住民同士なら、考え方のブレは少なく、お互い助け合える気がします。そこには自然発生的に郷土愛が生まれます。私が住んでいる町では、春にはだんじり祭りがあり、いろんな世代の人たちが集まります。世代間の対話を通じて、地域文化の伝承が行われています。

新型コロナの大流行以来、子どもの虐待や不登校などが大きな問題となっています。学校教育が地元住民ともっと連携し、郷土色に満ちた多様性あるカリキュラムを工夫すれば、子どもたちはもっと楽しい学園生活を行えそうです。
2023.11.13.

健康コラム

阪神、38年ぶりの日本一

世界中が戦争や自然災害といった暗いニュースが多い中で、私にとって今年最高の嬉しいニュースです。
第6戦で3勝3敗のタイに追いつかれた段階では。第7戦の相手投手宮城を打ち崩せるか不安でしたが、圧倒的勝利でホッとしました。

今年は、今までの阪神とは違い、大切なゲームは必ずものにしています。まさに横綱相撲。夢のようです。森下選手、村上投手をはじめ、2、3年目の若手選手の自信に満ちた、溌剌とした姿が印象的でした。怪我がなければ、来年、再来年も楽しみです。夢のある話の少ない中で、有難いことです。

38年前といえば、1985年。我が国の高度経済成長には陰りが見えはじめていましたが、医療分野では科学技術革命による新しい医療機器が普及しはじめ、欧米の医学水準に追いついた時代です。私が初めてアメリカ小児科学会で発表したのがその前年です。

今回の阪神優勝が、新しい時代への起爆剤となる予感がします。

2023.11.6.