睡眠不足は記憶力を低下させる

春の行楽帰りの電車の中、遊び疲れた幼子が身体を折り曲げ、ぐっすり寝込んでいます。令和という新しい時代を迎えての大型連休。帰り路の睡眠が、楽しかった一日の思い出を脳の奥深くにある海馬に、確かな記憶として刻み込んでいます。

睡眠には、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)の2種類があります。レム睡眠は原始的な睡眠で、ノンレム睡眠は脳の進化とともに発達してきたもので、脳の休養、回復に役立っています。夢を見たりしているときの浅い睡眠(レム睡眠)は、寝る前に学習したことを整理し、記憶として定着させる働きがあるのです。

近年、中高校生の多くは睡眠不足に陥っています。彼らの年齢層は、もともと夜型化し易いという生物学的な特徴を持っており、インターネットやスマホの普及で、より一層睡眠不足になり勝ちです。睡眠不足になると、記憶力が低下し、注意力が散漫になり、学業成績も落ちて行きます。感情も沈みがちに、無気力になるだけでなく、キレやすい性格にもなります。

睡眠が不足しがちな高校生に、昼休みに15分間の午睡をとらせたところ、午後の眠気が少なくなり、学力が向上したという研究報告や、記憶課題のトレーニング実験で、トレーニングの間に睡眠を挟みながら行うと記憶力がアップしたというデータもあります。一夜漬けの試験勉強でも、朝まで頑張って勉強するよりも、勉強をした後に適度に睡眠をとると寝ている間に学習したことが頭の中で整理され、記憶として定着することになります。

睡眠不足に悩まれている方は、ベッドでのスマホをやめ、朝の光で体内時計をリセットし、生活リズムを整えることが一番です。太陽の光には覚醒効果のあるブルーライトが含まれているのです。

「令和」の幕開け

「国民を思い、国民に寄り添う」という天皇陛下の即位でのお言葉には、多くの国民が大変親しみを感じたのではないでしょうか。小学3年生の孫娘もiPadの手を休め、テレビに映し出される天皇、皇后両陛下のお姿を食い入るように見つめていました。日本国及び国民統合の象徴としての天皇が、日本人みんなの尊敬する存在であること実感しました。皇室制は日本人にとっては当たり前のことですが、王室制のない外国人からは羨ましがられているのです。

私が住んでいる地域では「令和奉祝だんじり巡行」が開かれました。小雨降る中でしたが、沿道には多数の老若男女が訪れ、大変賑やかに門出をお祝いしました。お囃子とともに力を合わせて地車を引いた子どもたちにとっては、郷土への愛、新しい時代「令和」への思いが、生涯にわたり記憶として残ることでしょう。