大震災とペットたち

長年保護犬活動に勤しんでいる従兄妹から、今年の元旦の能登半島地震におけるペット犬のレスキューの模様を知らせるメールが届きました。そのメールを読みながら、阪神大震災の折の愛犬Bucciのことを思い出しました。

第1話 いつも夜は玄関で寝ています。大きな揺れが収まり、しばらくすると、暗闇の中で、かすかに足音がします。なぜだか、声をかけると反対方向に走り出す習性があるので、道子が大声を出さずに、一歩一歩瓦礫を踏みしめながら近づき、何とか胴輪をつけることができました。
我が家の周囲は激甚地帯で、しばらくの間飼い主を探し求める犬たちが通りを彷徨っていました。その中に、チャウチャウ犬がおり、うちの犬ではないかと教えてくださった方もいました。

第2話 犬も大きな恐怖を感じたようです。それまで、あまり人に擦り寄るのを好まなかった気位の高い性格でしたが、震災後には家人の側から片時も離れようとしなくなりました。犬もPTSD障害があるようです。

第3話 全身がノミだらけに。我が家は全壊だったので、病院に近く空き家だった道子の実家に疎開しました。ここでも、近隣は全て倒壊し、その中を毎日散歩していました。
ある日、Bucciの耳たぶにのみがいっぱい群生しているのに気づきました。絨毯に落ちたノミが10cm以上高飛びするのを見つけました。
ノミ退治には、薬の散布よりも、浴槽に犬をしばらく浸けておくのが一番です。初回には、水面いっぱいにノミが浮かんできました。いなくなるまでに、4〜5回の入浴が必要でした。

第4話 住処を失ったのは、犬だけではありません。いつも巣を作っているツバメたちも、家屋が倒壊しており、必死に探し求めている光景に出会いました。彼らはどこかで新しい巣作りを初めていたことでしょう。 2024.03.08.

これは震災前年の1994年の年賀状です。