モモと「時間どろぼう」

ドイツ人ミヒャエル・エンデ著の児童文学「モモ」は、誰からの話しかけにもたっぷりと時間をかけて応じてくれる少女モモと、「時は金なり」と絶えず素早く仕事するよう追い立てる「時間どろぼう」との話です。

高度成長期が終わり、格差社会が広がった1973年に書かれたもので、読まれた方も多いのではないかと思います。

いま、これまでなかった在宅勤務で、1日の時間の使いかたに戸惑っておられる方も多いと思います。

在宅勤務で時間的余裕ができた方は、これまで時間どろぼう(灰色の男たち)に、余った時間をそっくり持って行かれていたのを、モモがするようにゆっくりと時間をかけたライフ・スタイルに変えるなら、ポストコロナ社会が心豊かに過ごしやすいものとなるでしょう。

在宅勤務でストレスがたまった夫が、女性や子どもに対するDVが増えることのないように願っています。

148. テレワークで子育てが変わる

新型コロナ流行をきっかけに、テレワーク(在宅勤務)で親が家庭いる時間が長くなり、また「中央から地方へ」という新しい生活スタイルが始まりました。

親が家にいると、子どもはいっしょに遊びたがり、テレワークの邪魔になることもあります。これで児童虐待が増えてはなりません。地域での子育て家庭への新しいかたちの支援・見守りが求められます。

これまで地域との関わりの少なかった働くお母さん・お父さんが、地域社会の一員として、地域活動にうまく入り込めるきっかけづくりが必要です。

地域での「子育て応援ネット」のもつノウハウが、新しい時代の住みよい町づくりに、役立つにちがいありません。テレワークで公園から子どもたちの大きな遊び声が響きわたる、活気ある町づくりのきっかけにしたいものです。

2020年9月