きかんしゃトーマス

私が、「きかんしゃトーマス」に関心を持ち始めたのは、自閉症の幼稚園児が外来にある模型を見つけ、長時間食い入るように見続けていたからです。一般的に、自閉症児は車のタイヤなど丸く、廻るものが大好きです。車の横に屈み込み、じっとタイヤを見つめています。

丹波市にある植野記念美術館で、世界中の子どもたちに愛されている「きかんしゃトーマス」の原作の出版75 周年を記念した、きかんしゃトーマス展が開催されていると知り、観に行ってきました。

日本初公開となる作品を含む約180 点以上におよぶ絵本挿絵原画、オードリー牧師による手書き原稿など、多くの貴重な作品が展示されていました。

原作者のウィルバート・オードリー牧師は幼い頃、家の近にあるトンネルから出てくる列車を眺めるのが大好きだったそうです。お父さんになったオードリー牧師は、病にかかった息子を元気づけようと、擬人化された機関車のお話を、語り聞かせます。これが「きかんしゃトーマス」の始まりです。
その後、26 冊の絵本が出版され、模型を使った実写アニメーションが放送されるなど、トーマスシリーズは大人気になりました。現在でもCG アニメが放映されています。

トーマスの物語には、擬人化された列車に、「正直さ」や「仲間への思いやり」そして「努力」の大切さといった、子どもに伝えたいメッセージが込められており、世界中の子どもから大人まで幅広い世代が共感できるものです。2022.7.21.

スズメバチに刺されないように

もうすぐ夏休みです。涼を求めて六甲山に家族で登る計画を立てておられる方も多いかと思います。山登りにおいて、最も出会う確率が高い危険な生きものがスズメバチです。スズメバチは、ハチの中でも比較的大きく、かつ攻撃的で、猛毒を持っています。

スズメバチが襲うのは

スズメバチは、木の洞や土の中、建物の軒下などに巣を作ります。中でも、土の中に巣を作るオオスズメバチは、最も危険で、絶対に近づかないことです。ハイキングコースの近くに巣を作ることが多々ありますので、注意が必要です。

スズメバチが攻撃してくるのは、自分たちの巣を守るためで、何もしなければ襲ってくることはありません。つい手で払ってしまったり、あるいは気づかずに巣に近づいてしまった場合など、ハチを警戒させてしまったときは、姿勢を低くして、ゆっくりとその場を離れてください。決してそれ以上ハチを刺激しないようにしてください。

ただし、一度でも刺されてしまうと、毒液の匂いによって他のハチまで攻撃的になり、集団で攻撃してくる危険性が高くなります。その時は、走ってでも速やかにその場から離れることです。

スズメバチに刺されてしまったときは

まず刺された場所から離れ、水で傷口を洗い流しましょう。手で毒液を搾り出すようにすれば、毒を薄める効果が期待できます。口で吸い出さないように。

もし、刺された後に全身の震えや発疹、吐き気、嘔吐、めまいなど、アナフィラキシー・ショックの症状が出たときは非常に危険です。これらの症状は刺されてから30~60分以内に出ることが大半です。症状が出たときは、一刻も早く救助を要請しましょう。

ハチ毒によるアレルギー反応

スズメバチによる死亡は、毒の直接作用によるものは極めて稀で、ほとんどがハチ毒によるアレルギー反応(アナフィラキシー・ショック)によるとされています。その危険性は、子どもよりもお父さんの方が大です。
死亡例は50歳以上で、若年者の死亡例は全くみられないと言われています。その理由として、若年者は刺された累積回数が少なく、アレルギー抗体の産生が不十分で、免疫反応が起こり難いため、アナフィラキシー・ショックに至りにくいと推測されています。
2022.7.20.

参考:神戸市HP、「六甲山に登る皆さまへ」という、登山者への注意事項の一つとして、スズメバチへの対処方法等が詳しく記載されています。

マスク越しでも、よく笑う赤ちゃん

マスク姿が日常化した今日この頃です。マスクを外した顔を知らない赤ちゃんがどのように発達するかと、案ずる向きもあります。

昼前の電車で、ベビーカーに乗せられ、ぐずって泣き出した6ヶ月前後の赤ちゃんに出会いました。お母さんは、泣き止まそうと、手を握ったり、振ったりしますが、泣きやみません。ベビーカーに備え付けのおもちゃを握らせようとしますが、はね除けてしまいます。

私がじっと、赤ちゃんを見つめていたところ、偶々赤ちゃんと目が合いました。母親の視界から外れた位置にいる私は、少し大げさにマスク越しに目だけで話しかけると、赤ちゃんは私に興味を持ち始めました。

もうしめしめです。目で大げさに笑い掛けると、赤ちゃんも反応して笑い返してきます。気付かぬお母さんは、相変わらず赤ちゃんの後方からあやし続けており、赤ちゃんがなぜ泣き止んだか分かっていません。

私は、エレベーターで赤ちゃんに出会うと、お母さんの背後から語り合うのが昔から大好きです。至近距離ですからよく反応してくれます。家内からは、今に訴えられると注意されるのですが、止められません。

今回わかったのは、マスク越しでも、目だけで十分に赤ちゃんとコミュニケーションがとれることです。

お母さん方、赤ちゃんには、マスク越しであっても、正面から、しっかり目を見て、語りかけて下さい。
2022.7.14.

窓を閉ざした電車

私は、JRで摂津本山駅から三宮駅に向こう折には、いつも浜側の座席に腰を下ろし、四季折々に変化する六甲の山並みを見るのが大好きです。

今でも思い出すのは、フランス留学から帰国した50年前です。パリから、スイスを経て、イタリアまで車で旅をした時のアルプス越えの光景は印象的でした。でも、帰国後、JRで朝、大学への勤務に向かう途中の、六甲の山々の緑は、アルプス以上に素晴らしく思え、神戸に住んでいる幸せを感じました。

久しぶりに、JRに乗って三宮に出かけるときです。通勤時間帯を過ぎ、空席の目立つ電車でしたが、室内は薄暗く、何か異様でした。いつものように浜側の座席に腰を下ろし、外を眺めようとしたところ、どの窓もブラインドで閉ざされており、何も見えません。浜側のブラインドが下ろされているのは納得できますが、山側は納得がいきません。

見ると、その前に座っているのは若者たちで、終始俯いてスマホの画面に見入っています。彼らには見慣れた車窓の風景よりも、スマホの方が興味深く、背面から照らしつける光は画面を見難くするだけのようです。

車窓の風景を楽しめず、まるでトンネルの中を走る電車に乗っているような、落ち着かぬ時間でした。
2022.7.14.

おいで、アラスカ2

この本は、アンナ・ウオルツ作、野坂悦子訳、フレーベル館2017年刊行の小学校高学年向きのお話です。12歳の少女パーケルと13歳の少年スフェンが主人公の物語で、ふたりをつなぐものとして、一頭のてんかん発作に対応できる介助犬ゴールデンレトリバー、アラスカが登場します。

てんかんという病をもつ少年スフェンは、「いつ、なにが、起こるかわからない」という不安な毎日を送っています。また、少女パーケルには、注意欠陥多動障害(ADHD)の3兄弟がいます。

パーケルも、スフェンも、これらの病気のために、同級生からのいじめにあい、満足に学校に行くことができません。子どもたちの学校生活を送る上での困難さが、赤裸々に描写されています。ところが、ある事件を機会に、友人たちとの溝が埋まります。

新型コロナ、戦争と不安定な社会に生きる少年・少女たちが、未来に向けて力強く歩み出すには、彼ら自身による「きっかけ」が大切です。

2022.7.13.

八十過ぎてわかったこと

PDF版(縦書き)をダウンロードして、読んでください。

印刷して読まれるときには、A5版用紙に、文字の大きさを普通の人なら50%、高齢者は60%で印字すると、読みやすいと思います。

また、iPadで読まれるときは、原寸で。縦書きの原稿ですから、読書用無料アプリ「i文庫S」をダウンロードし、使われることをお勧めします。詳細をクリックし、縦書きを選択すると読みやすいです。


内容:

これまで、あまり年齢を意識することなく過ごしてきたのですが、80歳を過ぎたあたりから、思いもかけぬ出来事が次々と襲ってきます。

80歳を過ぎて体験すること、はじめて気付いたこと、同年代の方々には納得いただけても、後輩たちには理解不能なことがたくさんあります。

社会の先行きが不透明になっている今だからこそ、余計なお世話かもしれませんが、この3年間の出来事を冊子としてまとめてみました。

はじめに
第1章 老いを楽しく生きる
第2章 80歳での大きな試練
第3章 高齢者と新型コロナ
第4章 ポストコロナ社会への期待
第5章 社会が後戻りしないように