八十過ぎてわかったこと

PDF版(縦書き)をダウンロードして、読んでください。

印刷して読まれるときには、A5版用紙に、文字の大きさを普通の人なら50%、高齢者は60%で印字すると、読みやすいと思います。

また、iPadで読まれるときは、原寸で。縦書きの原稿ですから、読書用無料アプリ「i文庫S」をダウンロードし、使われることをお勧めします。詳細をクリックし、縦書きを選択すると読みやすいです。


内容:

これまで、あまり年齢を意識することなく過ごしてきたのですが、80歳を過ぎたあたりから、思いもかけぬ出来事が次々と襲ってきます。

80歳を過ぎて体験すること、はじめて気付いたこと、同年代の方々には納得いただけても、後輩たちには理解不能なことがたくさんあります。

社会の先行きが不透明になっている今だからこそ、余計なお世話かもしれませんが、この3年間の出来事を冊子としてまとめてみました。

はじめに
第1章 老いを楽しく生きる
第2章 80歳での大きな試練
第3章 高齢者と新型コロナ
第4章 ポストコロナ社会への期待
第5章 社会が後戻りしないように

病気の赤ちゃんの写真(動画)を スマホで撮るコツ

赤ちゃんの夜間の熱発や身体の異常に備えて

電話相談・遠隔医療には、赤ちゃんの表情・動作や皮膚の発疹などの写真・動画があると、診断に大いに役立ちます。

  • 簡単スマホ撮影のための 6 つのヒント
  • おすすめ撮影のご紹介
  • 市販のリングライトの使用
以下は、カメラマンP氏の指導による上手な赤ちゃんのスマホ撮影法です。

簡単スマホ撮影のための 6 つのヒント

① できるだけ明るいところで撮影します。昼間は、陽のよく当たる窓側で、夜間は、洗面台の前がおすすめです。

② グリッド線を設定して、写真の構図を決めやすくしておく。グリッドとは、タテとヨコを三分割する線を表示させる機能のこと。線上や交点上に赤ちゃんを重ねると見やすい構図になります。

③ 顔にピントを合わせる。撮影時に一度子どもの顔を画面でタップしておくと、カメラに自動で顔認識などを検出する機能があり、ピントが合います。

④ 光源をできるだけ赤ちゃんの顔の高さに近づける。光源が赤ちゃんの顔の高さに近いと顔に余計な影が出にくくなり、表情や肌の色がわかりやすくなります。また、光源が近いとシャッター速度が上がり、手ぶれしにくいです。

⑤ “抱っこ+インカメラ(自撮り方向)”は、撮影者の影が赤ちゃんの顔にかかりにくいです。

⑥ 背景に光源(照明器具やテレビ画面など)が映らない位置で撮影することです。


昼間の明るい時に、インカメラ(自撮り方向)で撮影

赤ちゃんを片手で抱っこして、窓側からの日差しが 当たるようにスマホのインカメラ(自撮り方向)で 撮影


洗面台の前で、インカメラ(自撮り方向)で撮影


洗面台の棚にスマホを置いて、インカメラ(自撮り方向)で撮影

LINEビデオなどの動画を撮るときなどに、両手で赤ちゃんを支えられるので安心です


市販のリングライトなどを使用して


AI時代に向けての育児

赤ちゃんがもつ不思議な力を知り、あたたかい心をもつ子に育てよう

小児科医  中村 肇著

 

目次

はじめに

第1章 赤ちゃんのもつ不思議な力

第2章 認知脳科学からみた人間の脳の発達

第3章 あたたかい心をもつ子に育てよう

第4章 障害児と「共に生きる」社会に

第5章 AI時代の子育てはどうなる

あとがき

 

はじめに

脳科学の進歩により、われわれは人間の脳の微細な構造やその機能を観察でき、子どもの精神運動発達のようすを脳の発達と結びつけて考えることができるようになりました。その結果、子どもの非行、犯罪、自殺といった思春期の問題が、乳幼児期から学童期にかけての過ごし方と無関係でないことも解ってきたのです。

育児で一番大切なことは、赤ちゃんの脳に他人を信頼する能力を植えつけることです。見つめ合いや微笑、表情の模倣を介して、母子双方に「快の情動」がもたらされ、赤ちゃんは学習していきます。これが人への信頼感となり、感性豊かな大人になっていくのです。

いま、世界は人工知能(AI)の時代に突入しようとしています。AIがもつDeep Learning(深層学習)という機能は、人間の脳の働きを模して組み立てられた人工のニューロン・ネットワーク(神経細胞網)です。学習したり、考えたりしたことを記憶として刻み込んでいくのです。

初期のAIは、人間の赤ちゃんの発達過程をモデルとして開発が進められていたのですが、今やAIがチェスや囲碁の名人を打ち負かす時代になりました。AIが、ときには大人の知能よりも勝れた能力を発揮します。

やがて、AIロボットに子育ての手助けをしてもらう時代が来るでしょう。AIロボットに子育ての手助けをしてもらうには、漫画家手塚治虫氏が描いた鉄腕アトムのような、「おもいやり」と「あたたかい心」に富んだロボットに育てねばなりません。

いや、その前に、私たち人間自身がいま自分たちの行っている子育てがこれでいいのか、振り返ってみることがもっと大切です。

敬愛する葛西健藏氏に、子どもへの深い愛と教えに感謝してこの本を捧げます。本書の作成にあたり、英語訳にご協力頂いた川島武将氏、挿絵を担当頂いた長尾映美氏に厚く感謝申し上げます。

2020年2月

中村 肇

小児科医・神戸大学名誉教授

 

第1章

赤ちゃんのもつ不思議な力

1. すばらしい学習能力をもつ子どもの脳

赤ちゃんの素晴らしい学習能力は、周囲の様子を絶えず、じっと見つめているその観察眼にあるようです。

赤ちゃんは、ふだん自分が目にしているものと異なる場面に出会うと、不思議そうな表情になります。他人が変な行動をしていると、何か間違った行動をしているのではないかと解釈します。

子どもが自ら経験したことのない行動には、結構慎重であるのもうなずける思いがします。

私たち人間は、他のどんな動物種よりも幼年期が長いのが特徴です。

この間ずっと大人の保護の下にあるため、周囲の環境について学習するだけでいいのです。成人になって初めて、幼年期に学んだことが役立つという脳の仕組みになっているのです。

2. 「まなかい」は育児の原点

育児の基本は、“まなかい”にあります。

“まなかい”という言葉は、単に目と目が合うというだけではありません。見つめ合いや微笑を通じて、母と子の間に「快の情動」が通い合うから、“まなかい”というのです。

人として生まれつき備えているこの機能を損なわないように子どもを育てることが大切です。

乳幼児期から他者と“まなかい”を通して行為を共有する育て方をしていれば、人間としてのコミュニケーション能力の高い大人になり、あたたかい人間関係を築けるでしょう。

3. 赤ちゃんのほほ笑みは相手のこころを癒す

生まれて間もない赤ちゃんでも、ほほ笑みかけると、赤ちゃんの表情が緩みます。   

赤ちゃんが「ほほ笑み始める」のは1〜2か月と育児書に書かれていますが、その開始時期は周囲の大人が赤ちゃんにどのように関わっているかで違います。

いつも赤ちゃんの正面から笑顔で話しかけていると、赤ちゃんはお母さんの笑顔に反応し、早くからほほ笑み始めます。   

赤ちゃんは、親だけでなく目線が合うと誰に対してもほほ笑み返してきます。

「ほほ笑み」は、相手のこころを癒す最高の思いやりです。

4. 赤ちゃんは表情の模倣でコミュニケーションをとる

生まれて間もない赤ちゃんでも、舌を突き出したり、口を開閉したりして、他者の表情を鏡に映し出すようにまねることができます。

赤ちゃんは、誕生した時から母親の助けなしに生きていけないので、母親の関心を引くために、表情の模倣という行為が生まれつき備わったと考えられます。

見つめ合いや微笑、表情の模倣といった、表情を介した母子間のコミュニケーションが、母子双方に「快の情動」をもたらします。

5. 赤ちゃんの視力は1歳までに急速に発達する

赤ちゃんは、生後1か月頃までは暗やみでは大人の眼とほとんど変わらない識別能をもっていますが、明るいところでは被写体を明瞭に認識することができず、輪郭のみで判断しているようです。

生後3〜4か月になると、大脳の視覚野が発達し、しっかりと相手を見つめ、表情も豊かになります。

生後9か月頃になると、相手の視線が第三者に向けられたとき、相手の視線に追従して、自分の視線を重ねる『共同注視』もできます。

さらに進んで生後10か月を過ぎると、「できたよ!」、「これでいいの!」と、相手の確認を求めるように視線を送る『社会的参照』が活発となります。

赤ちゃんの発達段階に応じた接し方が大切です。

6. 赤ちゃんとの会話は幼児語ではじまる

お母さんは、意識するしないにかかわらず、声が高くなり、抑揚をつけた独特の韻律で、赤ちゃんに話します。

これをマザリーズ、幼児語と呼びます。

生まれて間もない新生児でも、耳はよく聞こえており、どのようにすれば赤ちゃんがよく反応するかをお母さんは自然に気づいたのです。

歌をいつも聞きながら育った子どもは、言葉の覚えが早いようです。抑揚のある話しかけは、赤ちゃんの脳への記憶に効果的です。

あなたが音痴だからと言って、しり込みする必要はありません。大きな抑揚でゆっくりと赤ちゃんに話しかけてください。

7. 母子の絆は母乳中のフェロモンから

赤ちゃんは、母乳のにおいが自分の母親のものか、他人のものかを区別できるのです。

ヒトの体臭は、「フェロモン」の違いに関係しています。赤ちゃんは、母乳中のフェロモンの違いから、母親のものと他人のものとを識別しているようです。

母乳のにおいは、新生児のストレス軽減に役立つと言われています。

新生児から採血をするときに、赤ちゃんが、他人の母乳のにおいを嗅いだときよりも、自分の母親の母乳のにおいを嗅いだときストレスが少なかったという論文があります。

嗅覚は、五感の中で最も原始的な機能ですが、癒しに最も効果があるのが嗅覚です。

8. 羊水のにおいは母乳のにおいと同じ

赤ちゃんは、生後すぐから母親の身体をよじ登って乳首に吸い付こうとします。

その理由は、母乳のにおいには羊水と共通するにおいがあるからです。

羊水や母乳だけでなく、体臭と関係する汗や唾液、皮脂腺からの分泌物は、癒しの効果を有し、ストレスの軽減に役立ちます。

アイスクリームに使われているバニラの香りの主成分であるバニリン (vanillin) に対しても、赤ちゃんは羊水と同様の反応を示します。バニラアイスクリームが多くの人に好かれるのは、母親を感じ、心が癒されるからでしょう。

においは、人間関係を保つ上で大切です。

9. オキシトシンは人を信頼する能力を高める

「信頼感」は、円滑な人間関係を確立する上で不可欠です。

最近、ホルモンの一種であるオキシトシンを摂取すると、他人を信頼する能力が大幅に向上したという論文が発表されました。

このオキシトシンは出産後に母親の子宮収縮作用を有することは古くから知られていました。

出産後の母体中のオキシトシンの増加は母親と子どもの愛着形成にも関与しています。

「人を信頼するための基本的な能力」こそが、赤ちゃんが生後1年までの間に獲得すべき課題です。この基本的信頼感が達成されておれば、その子は順調にその後も発達し続けます。

10. 人は生まれつき共感する能力をもっている

他人の喜びや苦しみを自分のことのように感じる能力、「共感」は、人間が生まれつき備えている能力です。

新生児は誰かが泣いているとつられて泣き、機嫌のよい声や笑い声を聞くと嬉しそうにします。

2歳児になると、子どもは落胆している友人や親を慰めたりさえします。

幼児期の子どもたちは、非人道的な行為や不当な行為に対して敏感に反応します。

いじめや非行に走る中高生の脳の奥にも、共感する能力は刻み込まれているのです。

11. 三つ子の魂百までも

「三つ子の魂百までも」は、日本古来の言い伝えで、生後3年までの育児環境が子どものこころの発達に大きな影響を与えることを言います。

同じような表現は、日本だけでなく、世界中どこでも似通った言い伝えがあります。

英語圏では、“What is learned in the cradle is carried to the grave.”(ゆりかごの中で覚えたことは墓場まで持っていく)。

イスラム圏のヨルダンでは、アラビア語で「非常に幼いときに学んだことは石に刻まれたようなものだ」。

中国では、「三歳看老」(三歳の子どもを見たら老後がわかる)です。

言語、宗教、文化に関係なく、3歳までの育児環境の大切さは世界共通の認識です。

第2章

認知脳科学からみた人間の脳の発達

1. 人間の脳の重さとニューロン・ネットワークの発達

生まれたときの人間の脳の重さは約400gですが、生後6ヶ月で2倍に、生後3歳過ぎには3倍近くまで増加します。完成するのが20歳過ぎで、1,300g前後の重さになります。

人間の脳では、ニューロン(脳神経細胞)とニューロンが互いに突起を出して、お互いが結びついたニューロン・ネットワーク(神経細胞網)によって脳はいろんな機能を発揮します。

MRIという装置で子どもの脳を観察すると、私たちはニューロン・ネットワークの発達の程度を知ることができます。

ニューロン・ネットワークの発達は、脳の重さの変化にほぼ一致しており、生後6か月頃から3歳頃までの間に最も大きく変化します。

2. 大脳の発達は進化を反映している

人間の大脳皮質には、神経細胞が存在する灰白質層と神経線維が集まっている白質層以外に、大脳の奥深くには大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)と呼ばれる部位が存在しています。

大脳辺縁系は、情動の表出、意欲、そして記憶や自律神経活動に関与しており、生命維持や本能行動の中枢です。

大脳辺縁系は、進化論的にみて脳の最も旧い部位の一つであり、早くから発達し始めます。思春期には、ホルモンの影響を強く受け、一気に成熟します。

比較的早期に成熟する大脳辺縁系のこの発達は、乳幼児期の感性や精神的な発達との関連性から大変注目されており、まだまだ未知なることがたくさんあります。

3. 大脳皮質は部位により発達の時期に差がある

大脳皮質の中でも、光や音、におい、味、感触を感じとって反応する一次感覚・運動野の灰白質層は、最も早く発達し、乳幼児期にほぼ完成します。

大脳皮質の前部にある前頭前野と呼ばれる部位は、集中・計画・解析などの思考、すなわち高次機能を司っています。人間の衝動的な行動に対しては抑制的な働きをするのも、この前頭前野です。

前頭前野は、4〜5歳になって初めて機能し始めますが、この部位が成熟するのは20歳を過ぎてからです。

なぜ、十代の若者が危険な行動に走りやすいのか。それは、思春期を迎えて感情的な行動に走らせる大脳辺縁系の成熟時期と、抑制的な行動を取らせる前頭前野の成熟時期とのずれが原因していると解釈できます。

4. 乳幼児の脳には可塑性がある

人間のニューロンは、3歳ごろまでに使用していないと、「刈り込み」と言って、無駄をなくすために消失し、脳のフレームワークを効率的に形づくります。

乳幼児期に不適切な養育をしていると、生涯にわたる身体的・精神的発達に大きな障害を残し、後からの修復が不可能と考えられていました。ところが、このような従来の考えを覆す研究データが発表されたのです。

ルーマニアの旧チャウシェスク政権時代の孤児院で、2〜3歳までたいへん劣悪な環境のもとで過ごしていた赤ちゃんには、大きな発達の遅れが認められていました。ところが、その子たちがイギリスの乳児院に移り、辛抱強い教育を与えていたところ、子どもたちは徐々に正常の発達を取り戻しました。

子どもの発達には、確かに臨界期、最も発達に適した時期がありますが、それを過ぎたからといって、決して諦めることはないのです。

乳幼児の脳には可塑性があるからです。

5. 情動の発達に不可欠なのが五感

情動の発達に不可欠なのが、五感、すなわち、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の発達です。これらを習得できる臨界期は幼児期です。

早期教育とは、大人になってからでもできることを早く習得させることではなく、乳幼児期にしか獲得できないこと、「五感を養う」のが一番大切です。

3歳までに習得した言語は流暢に発音できますが、その時期を過ぎると難しくなってしまいます。絶対和音の識別も同様だと言われています。

6. 感性豊かな心は大脳辺縁系に宿っている

計算や文字、知識といった認知能力は、教えることができますが、情動、感性といった非認知能力には教科書がありません。

子どもの心に豊かな感性を養うのは、子どもの周りにいる人たちです。

家族の、保育園でのお友だちや先生の言葉かけ・態度が、子どもの脳の奥深くにある大脳辺縁系に感性として焼きつけられていくのです。

子どもからの問いかけには、「聞く」、「応える」、「ほめる」ことです。ほめられながら、子どもは感性豊かな大人へと成長していくのです。

7. 子どもがもつすばらしい学習能力を大切に  

最近、10代の若者が、囲碁・将棋やスポーツの世界で大活躍です。どの若者の母親も、異口同音に、親が強制したのではなく、幼児期に子ども自身が興味をもち、自主的にやりたいと申し出たと話されています。

彼ら自身の努力による成功体験が、大脳辺縁系を刺激し、快の情動として学習意欲を高め、粘り強くやり抜く力(グリット)と、ストレスに対処できる弾力性(レジリエンス)を養ったと思われます。

4〜5歳になって初めて機能し始める前頭前野の発達とともに、子どもがそれまでに培ってきた創造的に探求する能力、柔軟に学ぶ能力が、より効果的に活用された結果でしょう。

子どもたち自らが学習しようとするにふさわしい環境を提供し、じっと見守ってきた親の手助けがあってのことです。   

第3章

あたたかい心をもつ子に育てよう

1. 母乳哺育はすばらしい

お母さんに抱かれた赤ちゃんは、乳首を口いっぱいに含みながら、お母さんの顔をじっと見つめ、ときに薄目を開けてお乳を飲んでいます。そのときの母子の幸せそうな姿は、まわりにいる他人までも幸せにしてくれます。

わが子に対する親の慈愛、親に対する安心・信頼という親子の絆が、哺乳行動を通じてでき上がっていくのを実感します。

生後3か月ごろまでは母乳で育てられていた子どもたちも、お母さんが勤めに出始めると母乳栄養が中断されてしまうケースも少なくありません。

最近では保育室のある職場が増えてきましたが、まだまだ限られています。たとえ昼間の授乳が困難でも、朝夕の授乳で母乳は出続けます。

勤めに出られても、あきらめずに母乳を与え続けてください。

2. 「ダメ!」は子育ての禁句です

まだことばのわからない赤ちゃんでも、「ダメ!」という禁止語には慌てて手を引っ込めます.

赤ちゃんは、単に恐ろしいから手を引っ込めているだけです。

「ダメ!」を繰り返していると、赤ちゃんの脳には恐怖心が刷り込まれます。

やがてその子が成長した時には、何事も力で解決しようとする大人になってしまう可能性があります。

「ダメ!」という前に、さあ、ひと呼吸を。

3. 「きまりだからダメ」と言わないで

「法令は守らなければいけないもの」ですが、「法令を守るだけで十分」なものではありません。法令遵守を推し進めるだけでは、社会の混乱と矛盾が生じます。

法がなければ自律できないという法治国家は、理想の人間社会ではありません。

子どものしつけにおいて、「きまりだからダメ」と高圧的に子どもを制止するのは止めてください。

「きまりだからダメ」ではなく、「他人に迷惑をかけるからダメ」であると説明してください。

「法令を守るだけで正義」という考えで、子どもの教育をしてはなりません。

4. 怒ったお母さんは怖い、でもお母さんは優しい

子どもは、一歳半頃になると、自我に目覚め、子どもは激しく親に甘えます。子どもがあまりに甘え過ぎると、母親は「もうこんな子はいらない」とキレてしまいそうになるかもしれません。

そのようなときに、「お母さんの子ではない」といった切り捨てる言葉を使うかもしれません。

すごく怒ったしまった後には、普段よりも優しく子どもを抱きしめてください。

すると、子どもは、「お母さんは怒ると怖い、でもお母さんは優しい。ぼくはお母さん大好きだ。」ということになります。

親と子どもとの間には、より強い心の響き合いが生まれます。

5. 育児で悩んだら、つぶやきを

育児に疲れたときに、社交性のあるお母さんは、ひとりで悩まずに、電話やメールでお友達と話しをすると、気持ちが落ち着きます。

人付き合いのあまり上手でないお母さんは、育児のちょっとした悩みを解決できずに、ひとり悩んでおられるのではないでしょうか。

育児に疲れたときには、ひとりで大きな声を出してつぶやくのもよし、ツイッターへの数行の書き込みもよし、です。

あなたのつぶやきに、育児の先輩やフォロワーからアドバイスがもらえるかもしれません。

ゆとりのある方は、フォロワーとしてあなたの経験を、悩める後輩ママにそっとつぶやいてあげてください。

6. もっとも傷つきやすいネグレクト・無関心

少子化がすすむ日本で、若者の自殺が増加しています。これは、近年増加の一途にある児童虐待やいじめと無関係ではありません。

日本全国の児童相談所に持ち込まれる児童虐待相談件数が10万件以上となり、この5年間で2倍に増加しています。中でも、心理的虐待やネグレクトの増加が顕著です。

証拠を残さないネグレクト・無関心は、他人の眼につきにくいのが特徴です。繰り返されるネグレクト・無関心は、子どもの心に傷として深く刻み込まれ、その影響は生涯に及びます。

大人ひとりひとりが、もっと自分の周りの子どもたちに関心をもち、言葉をかけることが大切です。

7. 振り上げられた拳をそっと掴んで

子どもへの虐待が日本中至る所で繰り返されています。私たちのこども急病クリニックにも、頭部打撲のために連れてこられる乳幼児が最近増えています。

乳幼児の頭部打撲には、身体的虐待によるものが混じっています。たった一度だけの、「激しい揺さぶり」や「打ちつけ」が、重大な脳障害を招きます。

愛おしい我が子でも、なかなか親の思い通りにはいきません。思い通りに行かないと、ストレスがたまり、思わず、手を振り上げてしまったのです。

その振り上げた拳を、後ろからそっと掴んでくれる人がいると、大事に至らずに済むのです。

8. 常に褒められている子どもは、褒め上手に

他人に褒められて、怒る人はいないでしょう。

褒め上手な人は、他人が喜びそうなことを上手に見つけて、他人をうまく褒めます。

子どもに達成困難な目標をつねに与え続けていると、その子は褒めの言葉を聞く機会が少なくなります。

子どもたちが少し努力すれば達成できる目標を設定すれば、褒めの言葉を聞くことが増えます。

親からの肯定の言葉が、子どもに自信を与えるのです。

9. 2歳児を無理やり服従させないで

2歳を過ぎると、子どもは自我に目覚めて最初の反抗期に入ります。

親は、子どもの健康・発達に良かれと思って子どもに接します。しかし、子どもは両親の考えを理解できません。子どもが両親の気持ちを理解できるようになるのは3歳を過ぎてからです。

この最初の反抗期に、あなたが子どもを強制的に従わせようとすると、人への不信感が子どもの脳に植えつけられ、子どもが思春期に入ったときに、非行や暴力につながる危険性があります。

あなたが深呼吸している間に、子どもの気持ちも変わります。

今は、あなたの子どもの発達に満足してください。

10. 人は、いつまで反抗期?

人には、反抗期が二回あるといわれています。

1回目は、2歳から3歳の頃です。第1次反抗期で、「魔の2歳児」と呼ばれるものです。

2回目は12歳から15歳の頃、ちょうど思春期に当たります。親が何を言っても拒否、無視し、自己主張が強く、悪いことをしても素直に謝りません。

いずれの時期も、身体や脳が急速に発達・成長する時期です。自我に目覚めた子は、親や周りの人との折り合いのつけ方が分からずに、悩んだ末に反抗的態度に及ぶのです。

われわれ小児科医は、「反抗は子の成長の証(あかし)、喜ぶゆとりをもって見守るように」と親に話すのですが、なかなか納得していただけません。

第4章

障害児と「共に生きる」社会に

1. 発達障害児とはどんな子

発達障害児とは、知的障害はあっても軽度で、人とのコミュニケーション能力に問題を抱える児のことを言います。一般的には、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、高機能広汎性発達障害などの総称です。その原因は、先天的な脳の神経発生・発達の障害によるものです。

落ち着きがない、こだわりが強いといった問題を抱えた子どもたちは、周囲の人々からはもちろん、親からも理解されにくいものです。親にはもっと厳しい躾を、教師にはもっと厳しい生活指導を強いられ、子どもは悩みます。

発達障害児では、ある特定の機能のみの障害で、大半の機能は正常か正常以上のことも少なくありません。

子どもの短所ばかりを直そうとするのではなく、優れた点を見つけ出し、引き伸ばしてやることが大切です。

2. 発達障害児と一緒に生活することが大切

「発達障害者支援法」が2005年4月から実施されました。

その狙いは、発達障害児の問題発達行動を的確に捉え、理解し、子どもを取り巻く生活環境を整えることにあります。

障害をもつ児は、障害をもたない児と一緒に生活していると、さまざまな刺激を受けて発達が促されます。

同時に、障害をもたない児は、幼少時より身近に障害をもつ児がいることを知ることになり、障害者に対していたわりの心を持った大人に育っていくことが期待されます。

3. 発達障害をもつ大人が社会問題に

これまで子どもだけの問題であった発達障害が、今日では大人の問題になってきました。

昔は、自分一人で仕事のできる職場がたくさんあり、他人とのコミュニケーションが苦手な人でも就労できていました。

現代社会においては、サービス業をはじめとする第三次産業の占める割合が高く、就労の場が限られてきました。今後ますますその傾向が強まると予測されます。

障害者がもつ負の面ばかりを問題にするのではなく、彼らのもつ長所をうまく活用する方策が求められます。

利益のみを追求する効率至上主義の経営でなく、働く人の能力に応じたいろんな職場づくりがこれからは大切です。

4. スポーツを通じて、障害者と共に生きる喜びを

第六回全国障害者スポーツ大会が、2006年10月に、皇太子殿下をお迎えして神戸で開催されました。

さまざまな障害をもつ選手の元気いっぱいの活躍、それを支えるボランティアの働き、観客の熱心な声援。その大きな感動の輪の中に、私は観客として参加しました。

運動機能障害、知的障害、聴覚障害など、さまざまな障害を克服して、明るく屈託のない笑顔で、生き生きとプレーしているその姿に、スタジアム全体が「共に生きる」喜びに満ち溢れていました。

スポーツを通じてだけでなく、日常生活の中においても障害者と「共に生きる」喜びが実感できる機会を増やすことです。

そうすれば、自らの生命に感謝し、夢と希望を友と分かち合う、思いやりのある社会が実現されるでしょう。

5. 障害児が全身で表現する「いのちの輝き」

神戸市の「しあわせの村」には、「にこにこハウス医療福祉センター」という重症心身障害児入所施設があります。

障害者の笑顔や全身で表現する「いのちの輝き」は、周りにいる家族や施設職員に、「生きる」大きな希望と幸せを授けてくれているのを実感します。

市民の多くは、障害者施設の実態についてあまりご存知ないと思います。

利用者をはじめ、ご家族、職員の皆さんが、これほど明るく、生き生きと過ごしている姿を、広く社会に発信したく思います。

第5章

AI時代の子育てはどうなる

1. AI時代がやってきた

人工知能(AI)による自動車の自動運転の路上試験が日本でも開始されました。

家電製品をはじめ、身の回りにはAI搭載の製品(IoT, internet of things)が次々と出回っています。

米国では、クラウドベースの音声認識サービスがすでに始まっています。すでに発売されているスマホの音声認識サービスソフトは、こちらが話しかけると、道案内や資料のあり場などを即刻教えてくれます。

孫娘が、「あなたはロボットですか」と話しかけると、少し不機嫌な声で、「私にも心があります!」という返事がスマホから返ってきたのには驚きました。まるで人が答えているのと錯覚しそうです。

2. ペットロボットが子どもたちに大変な人気

「パロ」と呼ばれる、あざらしに似た形をした白い人工毛皮で覆われた日本製のペットロボットが、小児科の外来におかれています。

パロは、子どもたちに大変な人気です。とくに、自閉症の子どもは、パロと遊び始めると、なかなかその場を離れません。

パロは、まぶた・首・前足・後ろ足を本物の生きもののようにリアルに動かし、「きゅうきゅう」という可愛い鳴き声も発します。自分の名前を呼ばれると反応します。

パロには知能があり、感情を持ち、乱暴な扱いを嫌がり、触れ合い方により性格が変化し、飼い主の行動を学習する能力もあります。

もっと進化すれば、他人とのコミュニケーションをとるのが下手な現代人の「こころの相談役」として、働いてくれるかもしれません。

3. 赤ちゃんの脳の発達がAIロボット開発のモデル

いまや、AIが囲碁の名人を打ち負かす時代になりました。AIが、ときには大人の知能よりも勝れた能力を発揮します。

人間の脳神経細胞は、シナプスという線で互いに繋がっているので、いろんなことを学習したり考えたりできます。AIは、人間の脳を模して作成された人工のニューロン・ネットワークです。

人間のニューロンは、使用していないと、「刈り込み」で消失しますが、AIは作ったニューロン・ネットワークをどんどん蓄積していきます。新しいニューロン・ネットワークを作り、蓄えていくAIロボットに人間は敵いっこありません。

ロボット工学の研究者が、赤ちゃんの行動発達を観察するために私たちの新生児室にたびたび来られていた30年前を懐かしく思い出します。

4. AIと上手に付き合うには、声が大切

人間の声は、いろんな情報を相手に伝えます。

目を閉じて、声を聞いているだけで、相手の喜怒哀楽や健康状態もわかります。

目も相手に多くのこと語りかけますが、声には人の意思がより豊かに、より正しく反映されています。

自分が普段聞いているのは、耳から入ってくる空気の振動と鼻腔や喉での振動(骨伝導)の両者を合わせたものです。自分が聞いている自分の声は、他人が聞いている自分の声とは違うのです。録音された自分の声を聞けばよくわかります。

AIと上手に付き合うには、自分の考えや思いを正しく相手に伝える声の学習が大切になってきました。

5. AIロボットにもあたたかい心を持たせよう

人間社会では、毎日どこかでいじめが起こっています。

子供たちだけでなく大人の世界でもいじめがあります。国家間でも絶えず紛争がおこっています。

歴史的にみて、普段はどんなに善良な人でさえも、戦場では信じられないほどひどい行動をとる人間になってしまいます。

この点については、AIは人間を模倣しないでください。

手塚治虫が鉄腕アトムに描いたように、AIロボットがどんなときにも、あたたかい心を持ち続けてくれることを願います。

6. AIの加わった新しい家族生活のはじまり

近い将来、5つの感覚(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)のセンサ機能が改善されると、人工知能は人間と同じ知性を持つように進化する可能性があります。そして、AIが人間社会の一員となるかもしれません。

人間とAIがうまくやっていくためには、人間とAIが幼少時からお互いにコミュニケーションできる能力を養うことが必要です。

人間の子どもたちがAIにいつも不親切にしていると、AIは人間の子供を憎んで、報復するかもしれません。

発達障害のある子どもは、人間社会では人付き合いが上手にできませんが、AIと一緒の生活であればうまくいくかもしれません。

学校では、AIとの友情を育む方法を学ぶ新しいクラスが始まります。

さあ、AIと一緒に新しい家族の生活を始めましょう。

あとがき

2017年5月には、「赤ちゃんの四季」、同12月には「子育てをもっと楽しむ」を相次いで出版する機会に恵まれました。いずれも私が10年以上にわたって連載してきた育児に関するエッセイをまとめたものです。

第2冊目の本「子育てをもっと楽しむ」の編集中に、葛西健藏氏の訃報に接し、今回のエッセイには、葛西健藏氏が主宰されていたアップリカ育児研究会で話題となっていた内容が多く含まれていることに改めて気づきました。

アップリカ育児研究会は、1970年に小児科医内藤壽七郎先生、漫画家手塚治虫氏とアップリカ育児研究会理事長葛西健藏氏の3人が設立された研究会で、「あたたかい心を育てる運動」を展開していました。育児を通じて、国内だけでなく、国際的に、とくに、中国と育児に関する活発な研究交流が行われていました。

私自身は、阪神淡路大震災のあった1995年から、このメンバーに加えていただくことになりました。それまで、育児の問題について小児科医仲間では絶えず話をしていましたが、母子保健関係者以外と話す機会はほとんどありませんでした。しかし、この会には、実業家、弁護士、マスコミなど多彩な職種の方々が参加しておられ、真摯に子どもの問題に取り組んでおられるのを目の当たりにし、大いなる感銘を受けました。

国内での活動のみならず、国際的にも度々研究会がもたれ、世界各国、とくに中国、米国からもこの運動に賛同した多数の同士が集うところとなりました。

21世紀初頭には、兵庫県淡路島で、国際育児研究集会が3回もたれました。中国の国内外で活躍しておられるWu Beiqiu(伍蓓秋)先生、Hu Qingli, M.D.(胡慶澧)先生ら、米国からは米国小児科学会会長であったDr.Louis.Z.Cooper、Dr.Robert J.Biggeら、日本からも小児科の小林登先生、仁志田博司先生、産科の坂元正一先生をはじめ多数の方々が参加されました。「子どもを守る」という思いは、国・人種・文化は異なっても、人類共通であることを強く感じることができました。

この書を通じて、少しでもその思いを伝えることができれば幸いです。

本書の作成にあたっては、貴重なアドバイスを下さった神戸大学の高田哲教授、西尾久英教授、資料の提供を頂いたアップリカ育児研究会の原田卓児氏、顧振申氏、河崎桂子氏、出版にあたりご協力頂いた兵庫県予防医学協会谷川亜有美氏、AC Broadband社長の黒川裕子氏に厚く御礼申し上げます。

面向AI时代的育儿

解读婴儿不可思议的能力 培育具有温暖心灵的孩子

中村 肇 著  顾 振申 译  第二版

目次

引言                                                      

第1章 婴儿具有不可思议的能力                            

  1. 婴儿的大脑具有优异的学习能力
  2. “眼神”是育儿的原点
  3. 婴儿的微笑能安慰对方的心灵
  4. 婴儿通过模仿表情进行沟通
  5. 婴儿的视力在1岁前已经快速地发育
  6. 婴儿的会话是从儿语开始的
  7. 母婴间的情结来自于母乳中的外激素(费洛蒙)
  8. 羊水的气味与母乳的气味相同
  9. 催产素能提高信赖人的能力
  10. 人类天生具有产生共鸣的能力
  11. 三岁魂百岁存(三岁看大,七岁看老)

第2章 从大脑认知科学看人类大脑的发育                    

  1. 人类大脑的重量与神经元网络的发育
  2. 大脑的发育反映人类的进化
  3. 大脑皮质的部位不同而在发育时期上具有差异
  4. 婴幼儿的大脑具有可塑性
  5. 情动的发育必不可缺的五感
  6. 富有感性的心灵在于大脑边缘系
  7. 重儿童优异的学习能力

第3章 培育心灵温暖的孩子                                

  1. 母乳喂养太好了!
  2. 不要对孩子“说不”
  3. 请不要说“这是规矩,所以不行”
  4. 生气时的妈妈很可怕,但其实妈妈是很温柔的。
  5. 育儿中遇到烦恼时,请发发牢骚。
  6. 爱的相反不是憎恨,而是漠不关心
  7. 轻轻地抓住举起的拳头
  8. 经常被表扬的孩子将成为善于表扬的人
  9. 不要强行地让2岁的儿童去服从
  10. 人的反抗期到何时为止?

第4章 建成与障碍儿童“共生”的社会                      

  1. 发育障碍儿童是怎样的孩子?
  2. 与发育障碍儿童一起生活意义重大
  3. 患有发育障碍的成人将引发社会问题
  4. 通过体育活动,与障碍者共享生存的喜悦
  5. 障碍者用全身表达“生命的光彩”

第5章 AI时代将如何育儿?                                 

  1. AI时代到来了
  2. 机器人宠物被孩子们受宠
  3. 婴儿大脑的发育成为开发AI机器人的模型
  4. 语音是与AI有效融合的重要因素
  5. AI机器人的心灵始终充满着温馨
  6. 开始出现AI机器人为家庭成员的新家庭

后序

 

引言

  随着脑科学的进步,使我们得以观察到人类大脑更细微的结构及其功能,并能够把儿童的精神运动的发育情形与脑发育结合起来进行思考。其结果,让我们了解到了儿童的不良行为、犯罪、自杀等等这些青春期所出现的问题, 与婴幼儿期至学童期过程中的生活方式不是毫不相关的。育儿最重要的工作,是要在婴儿的大脑中培植信赖他、人的能力。通过相互凝视、微笑、模仿表情等等,婴儿不断地学习母婴双方所产生的“愉悦情感”,这就形成了对人的信赖,并逐渐地成长为情感丰富的成人。

  如今,全世界将进入人工智能(AI)的时代。AI所具有的Deep Learning(深度学习)这一功能,是模仿人类大脑运动而组成的人工神经元网络(神经细胞网)。它把学习、思考作为记忆印刻于其中。

  初期的AI是把人类婴儿的发育过程作为模型而进行开发的。如今,AI已进入了能击败国际象棋、围棋高手的时代。AI有时已经能发挥比成人的智能更胜一筹的能力。

  在不久的未来,将是一个需要AI机器人来帮助人类育儿的时代。如果让AI机器人来帮助人类育儿,那么人类必须要把AI机器人培成像漫画家手塚治虫所描绘的铁臂阿童木那样的富有“关爱”和“温暖心灵”的机器人。

  然而,在这之前,我们人类自身有必要反顾一下自己迄今育儿是否可行,这是非常重要的举措。

  谨把此书献给敬爱的葛西健藏先生,以感谢他对孩子们的深情的厚爱和真挚的教诲。当年和我们一起共同致力于中日育儿交流事业的顾振申先生欣然接受了我的请求,在百忙之中把本书译成了中文,在此,谨致以深厚的谢意。还有长尾映美女士为本书承担了插图的工作,一并表示由衷的感谢。

儿科医生、神户大学名誉教授

 中 村  肇

2020年2月

 

第1章  婴儿具有不可思议的能力

1.婴儿的大脑具有优异的学习能力

  婴儿具有优异的学习能力,它似乎来自于经常目不转睛地凝视着周围一切的这种观察的眼神。

  当婴儿遇到与自己所看到的场面有不同的时候,就会显现出一种不可思议的表情。或者,当他人有不同寻常的行为时,婴儿会自我解释为这是不是错误的行为。

  婴儿对于自己尚未经验过的行为十分慎重,我想这种情形是令人首肯的现象。我们人类的一个特征是,幼年期要比任何动物都长。

  因为这个时期一直是在成人的保护下度过的,所以只需要学习周围的环境。人类的大脑结构机制是,幼年期所学到的知识是长大成人之后才开始发挥作用的。

2. “眼神”是育儿的起点

  育儿的根本在于“眼神”。

   “眼神”这个词,不是简单地指眼睛和眼睛的对合,而是通过相互凝视和微笑,一种“愉快情感”在母婴之间互相交融,这才是“眼神”的内涵。

  养育孩子的过程中,决不能损坏作为人的天性而具备的功能,这是非常重要的。

  从婴幼儿期开始,通过与他人“眼神”的互动而共有相同的行为,这种育儿的方法,长大成人之后,将会有较高的人与人的沟通能力,并能建立起温馨的人际关系。

3. 婴儿的微笑能安抚对方的心灵

       即使是刚生下不久的婴儿,当对着他(她)微笑时,婴儿的表情也会随之而缓和。

       婴儿的书籍上常写到,婴儿“开始微笑”是从1~2个月就开始的。然而,这个开始时期因周围的成人与婴儿怎样相关而有所不同。

       如果始终面对着婴儿从正面微笑着说话,那么,婴儿就会对妈妈的笑脸产生反应,就会从早地开始微笑。

       婴儿不仅对自己的父母,对其他任何人,只要眼神合, 就会反过来对你微笑。

      “微笑”是安抚对方心灵最好的爱心。

4. 婴儿通过模仿表情与人进行沟通

  即使是生后不久的婴儿也会伸出舌头、张开和闭上嘴巴,能如同镜子里照出来的一样模仿他人的表情。

  可以认为,因为婴儿从降生时开始就需要妈妈的护理, 否则无法生存,为此,吸引妈妈的关注,是婴儿天生就具备的模仿表情的行为。

  通过相互凝视、微笑、模仿表情等等,这种通过表情的母婴之间的沟通,给母子双方带来了“愉悦的情感”。

5.婴儿的视力在1岁之前迅速发育

  婴儿生后至1个月左右的期间里,即使周围的环境暗淡也具有与成人的眼睛几乎相同的识别能力。然而相反,

  在明亮的环境下,却很难辨认被摄体,似乎只能判断大致的轮廓。

  到了生后3~4个月的时候,大脑的视觉皮层开始发达,并能完全地凝视对方,表情也越来越丰富。

  婴儿成长到了9个月左右的时候,当对方的视线转向第三者的时,就会追踪对方的视线,还会把自己的视线重合在一起,这就是所谓的“共同注视”。再过了生后10个月,婴儿会有一种意识:“学会了!”、

  “这样行吗?”,向对方送去谋求对方确认的眼神,对这种“社会性意识的参考”的需求越来越活泼。根据发育的各个阶段对待婴儿日显重要。

6. 婴儿的会话是从儿语开始的

  无论妈妈是否有意识,他常常会提着嗓音用抑扬顿挫挫的独特韵律与婴儿说话。

  这叫做妈妈的儿语。

  即使是生下不久的新生儿,他(她)的耳朵也能听到声音。所以,做妈妈的就自然地会察觉到怎样说话能使婴儿作出更好的反应。

  经常听唱歌长大的儿童,似乎能很快地学会语言。说话有致且抑扬顿挫,对培养婴儿大脑的记忆十分有效。

  你大有不必说自己是个音痴(指对音乐一窍不通者)而退却。请用抑扬顿挫、高昂有致的声调去和婴儿说话。

7.母婴间的情结来自于母乳中的外激素(费洛蒙)

  婴儿通过母乳的气味,能够分辨出是自己妈妈的母乳还是他人的母乳。

  人体的气味与“费洛蒙”的不同相关。婴儿从母乳中费洛蒙的不同,区分自己妈妈的母乳和他人的母乳。

  一般认为,母乳的气味有助于减缓新生儿受到的压抑。

  有一篇论文谈到,在为新生儿验血采样时,婴儿闻到自己的妈妈的母乳和闻到他人的母乳时相比,其受到的压抑较少。

  人的嗅觉在五感中属最原始的功能,而最有抚慰效应的就是嗅觉。

8. 羊水的气味与母乳的气味相同

  婴儿生后马上就会趴在妈妈的身上吮吸乳头。

  其原因是母乳的气味与羊水的气味是相同的。

  不仅是羊水、母乳,与身体气味相关的汗水、唾液及从皮脂腺分泌出来的分泌物也有抚慰的效果,可帮助人减缓压抑。

  冰激淋中的香草味,其主要成份是香草精(vanilin),婴儿对此也显示与羊水相同的反应。很多人喜欢香草冰激淋,也许是它让人感受到母亲的气息,从而心理上会感到安慰所致。

  气味对保持良好的人际关系非常重要。

9.催产素能提高信赖人的能力

  “信赖”是建立圆满的人际关系必不可少的要素。

  最近有人发表了一篇论文说,摄取一种荷尔蒙类的催产素(Oxytocin),能大幅提高信赖他人的能力。

  人们自古以来就知道,这种催产素对产后的母亲具有子宫收缩作用。

  产后母体中催产素的增加,它与形成母婴之间爱的情结也密切相关。

  正是这种“信赖人的基本能力”,是婴儿在生后至1年的期间里需要获得的经验。 

当这种信赖关系形成后,这个孩子在以后的成长过程中就能持续顺利的发展。

10.  人类天生具有产生共鸣的能力

    “共鸣”,是如同自己一样感受到他人的喜悦和痛苦的能力,这是人类天生具有的能力。

  新生儿听到有谁在哭的时候会伴随而之哭泣,而当听到高兴的声音或笑声时也会很高兴。

  到了2岁的幼儿时,甚至还会去安慰灰心气馁的小朋友以及父母的心情。

  幼儿期的孩子们对非人道的行为、不正当的行为,也会产生敏感的反应。

  即使有欺凌行为和不良行为的高中生,其大脑深处也也具有这种共鸣的能力。

11. 三岁魂百岁存(三岁看大,七岁看老)

   “三岁魂百岁存”是日本自古以来的一句俗语,意为至生后3年为止的育儿环境对儿童心理的良好发育将产生重大的影响。

  与此相同的表述,在日本以外的世界各地都有类似的传承。

  在以英语为母语的地区有“What is learned in the cradle is carried to the grave.”(摇篮中学会的东西将一直带到坟墓中去);

  在约旦这个伊斯兰文化圈的国家,他们通用的阿拉伯语中有“幼小的时候学到的事物犹如刻在石头上一样 ; 在中国则有“三岁看老”的说法; 虽然语言、宗教、文化并不相同,但至3岁为止的育儿环境非常重要,这是世界各国的共识。

 

第2章

从认知的脑科学看人类大脑的发育

 

1.人类大脑的重量与神经元网络的发育

  刚出生后的人脑重量大约400g,到了生后6个月时达到2倍,生后过了3岁大约增至近3倍。大脑的完全形成是过了20岁,重量将达到1300g前后。

  在人类的大脑中,脑神经细胞(neuron)与脑神经细胞(neuron)相互产生突起后相互连接,形成了脑神经细胞网络(neuron network),大脑由此而发挥功能。

  通过MRI(核磁共振成像设备)观察儿童的大脑,我们可以从中得知神经细胞网络的发达程度。

  神经细胞网络的发育,基本上与大脑重量的变化相一致,在生后6个月至3岁左右的期间发生最大的变化。

2.大脑的发育反映人类的进化

  人类的大脑皮层,除了存在于神经细胞内的灰白质皮层和神经纤维集中的大脑白质层以外,还有存在于大脑的深处的被称之为大脑边缘系的部位。

  大脑边缘系与情绪的表露、意愿及记忆、自律神经活动相关,它是维持生命、本能行为的中枢。

  从进化论角度来看,大脑边缘系是大脑最早形成的部位之一,也是在人类大脑中最早开始发达起来的器官。到了青春期,它受到荷尔蒙的强烈影响而迅速地成熟。

  这种相对较早成熟的大脑边缘系的发育,与婴幼儿期感性、精神发育的相关性受到了极大的瞩目,它存在着许多不为人知的奥秘。

 

图1. 人类大脑表面皮层图像与剖面图像

图2. 大脑边缘系与前额皮层的发育

 

3.大脑皮层部位的不同在发育时期上产生的差异

  在大脑皮层中, 初级感觉运动皮层的灰白质在感受到亮光、声音、气味、味道、感触之后作出反应,它的发育最早,在婴幼儿期基本完成。

  被称之为前额前叶皮层的部位,它位于大脑皮层的前区,这是集中、计划、分析等人类的思维功能,它主掌的是高级功能。这个前额皮层对人的冲动性行为能够发挥抑制作用。

  前额皮层到了4~5岁开始发挥功能,这个部位过了20岁之后才成熟。

  为什么十多岁的年轻人容易出现危险的行为?可以认为进入青春期后,促使感情行为的大脑边缘系进入成熟期,它与产生抑制行为的前额皮层成熟期之间出现了时间上的差异。

4.婴幼儿的大脑具有可塑性

  在人的脑神经细胞发育至3岁左右期间里,如果突触(连接)未被反复使用,则会被去除而消失,这是一种称之为“修剪”的现象,由此,大脑将有效地形成其结构。

  人们通常都认为,如果在婴幼儿期养育不当,就给身体和精神上的发育遗留下巨大的障碍,而且以后再也不可能得到修复。然而,有一项发表的研究数据推翻了这种以往的认识。

  在罗马尼亚原齐奥塞斯库政权时代,那时的孤儿院里,有一些生活在很可怕的环境下的2~3岁婴儿,研究发现这些孩子的发育远远滞后。后来这些孩子被移居到英国的婴儿院生活,并实施了培育坚强意志的教育后,孩子们都逐渐地恢复了正常的发育。

  儿童的发育确实有临界期,即最适合发育的时期。但即使错过了这个临界期,也绝不能放弃对孩子的培育。

  这是因为婴幼儿的大脑是有可塑性的。

5.情感的发育必不可缺的五感

  五感是情感发育必不可缺的感觉,分别是视觉、听觉、触觉、嗅觉和味觉这五种感觉的发育。幼儿期是学会这些感觉的临界期。

  早教并不是要尽早学会长大成人之后也能学习的知识,而是要“培养五感”,因为五感只有在婴幼儿期才能获得。

  3岁之前学会的语言能够流畅的发音,但过了这个时期就会变得困难。一般认为,识别绝对和音(妈妈的心率)也是如此。

6.富有感性的心灵在于大脑边缘系

  计算、文字、知识这些认知能力,是通过施教让孩子们能够掌握的,然而,情感、感性这类非认知能力,则没有什么教科书可循。

  培养孩子的心灵具有丰富的感性,需要依靠孩子周围的人们。

  家庭成员、保育园的小朋友、老师的说话、态度等等,都将成为一种感性而牢牢地印刻在孩子大脑深处的大脑边缘系中。

  因此,对孩子的提问,应该去“倾听”、作出“回答”、予以“表扬”。这样的话,孩子也将不断地成长为感性丰富的成人。

7.注重孩子优异的学习能力

  最近,十多岁左右的年轻人在围棋、体育界大显身手。

  据说这些年轻人的母亲们都异口同声地说,父母们并没有强迫他们去学,而是在幼儿期孩子们自己产生了兴趣,自己主动提出要去学的。

  我想,这是由于这些孩子他们通过自身的努力而获得的成功体验,从而刺激了大脑边缘系,并作为一种愉快的情感提高了学习的热情,培养了坚韧不拔和面对压力的应变能力。随后到了4~5岁之后,开始发挥功能的前额皮层的发育,使孩子们在这此前培育起来的创造性的探索能力、灵活的学习能力都得到了更有效的发挥。

  这是父母们帮助孩子们在想要学习的时候提供了环境并坚持守护的结果。

 

第3章
培养心灵温暖的孩子

 

1.母乳喂养太好了!

  在母亲怀抱里的婴儿,一边满口吮吸着母亲的乳头,一边凝视着母亲的面容,有时候还会睁开小小的双眼吮吸母乳。此时,母亲那幸福的情形,连周围的人都会感受到无比的幸福。

  母亲对自己孩子的慈爱,孩子对母亲的放心和信赖,两者通过母乳喂养这一行为感受到了亲子之间的情结在逐渐的形成。

  孩子到了生后至三个月左右的时候,有许多用母乳喂养的孩子,当他们的妈妈开始上班后,就会被中断母乳喂养。

  最近有许多职场增设了婴儿哺乳室,但这种情况仍然很有限。如果午间哺乳有困难,那么,希望能在早上和晚上继续母乳喂养。

  上班族的母亲们!请您坚持母乳喂养,决不要放弃。

2.不要对孩子“说不”

  即使是还不会说话的婴儿,“不行”这一禁止语也会让人慌张地缩回伸出的手。

  而婴儿更容易因恐惧而缩回伸出的手。

  如反复地说对婴儿说“不行”,会使他(她)的大脑中留下一种恐惧的心理。

  以后,当这个孩子成长起来后,就很有可能会成为一个什么事都依靠力量去解决的成人。

  请在说“不行”的之前,先做一次深呼吸。

3.请不要说“这是规矩,所以不行”

  “法令是必须要遵守的”,但是这并不是说“只要遵守法令就行”了。只推行遵守法令,会引起社会的混乱和矛盾。

  没有法律就无法自律,这样的法治国家不是理想的人类社会。

  在教育孩子方面,请停止用“这是规矩,所以不行”这种高压的方式去制止孩子。

  请不要说“这是规矩所以不行”,而应该去告诉孩子“这会给他人带来麻烦,所以不行”,用这样的方法去进行说明。

  千万不能简单的用“只要遵守法令就是正义的”这种思维去教育孩子。

4.生气时的妈妈很可怕,但其实妈妈是很温柔的。

  孩子到了一岁半左右的时候,心理上会萌生自我的意识,这时的孩子会强烈地要求去倚靠妈妈。当孩子过分地要求受宠时,妈妈也许可能会耐不住性子而对孩子发火,说“我不要你这样的孩子”。

  遇到这种时候,有的人甚至还可能会说“你不是妈妈的孩子”这样的抛弃式的语言。

  当你非常生气地责骂了孩子之后,请用比平时更温柔的态度去紧紧地怀抱孩子。

  这样的话,孩子就会感到“妈妈生气时很可怕,但妈妈很温柔。妈妈是我最爱的人”。

  此时,亲子之间在心灵上会产生更强烈的共鸣。

5.当您在育儿时感到烦恼的时候,可以发发牢骚

  在育儿过程中感到疲劳时,善于交际的母亲不会一个人孤独地去烦恼,而往往会通过打电话、发邮件短信等与朋友聊天来稳定自己的情绪。

  不要善于交际的妈妈,稍遇到育儿的烦恼往往会陷入一个人孤独的烦恼,不善于去缓解自己的烦恼。

  当您在育儿中产生疲劳时,可以独自一个人大声地喊叫,发发牢骚,也可以在微信上涂上几句,以此来消消气。

  也许你能从育儿的前辈们或微信朋友圈里获得人们对你所发几句牢骚作出响应,在这些响应中会有很好的谏言。

  心情宽松的人,可成为一名追随者,把你的经验悄悄地传送给正在烦恼中的其他的妈妈们。

6.更容易受伤害的不是憎恨,而是忽视和漠不关心

  少子化现象在日本日趋严重。年轻人中的自杀者也在与日俱增,它与近年来不断增加的虐待儿童、欺负同学的情况不是毫不相关的。

  前来日本全国的儿童相谈所(日本政府成立的保护儿童的机构)求助的虐待儿童咨询件数达到了10万件多件,最近5年期间又增加到了2倍。其中,相关心理上的虐待、忽视及漠不关心的案件更有显著的增加。

  忽视和漠不关心的行为很难找到遗留的证据,其特征是很难被他人察觉。而反复的忽视和漠不关心,将在儿童的心理上留下巨大的伤痕,其影响会波及孩子的一生。

  我们每一个成人应该更多地去关心自己周边的孩子,并经常与他(她)们对话,这是很重要的。

7.轻轻地抓住举起的拳头

  虐待儿童的现象仍在日本各地不断地重现。最近,在我们的儿童急诊病院,增加了许多因头部被打伤而被送来的婴幼儿。

  在头部被打伤的婴幼儿中,有些婴幼儿还有身体上遭受虐待的痕迹。哪怕是只有一次的“激烈的摇晃”或“殴打”,都会给孩子带来严重的大脑伤害。

  即使是自己疼爱的孩子,有时也会不按父母所想的那样去做。当孩子不按照父母所想的那样去做时,可能会让你精神上压力集聚而下意识地举起了手。

  如果在你的身后有一个人能轻轻地抓住了你那只举起的手,就不会产生严重的后果。

8.经常被表扬的孩子将成为善于表扬的人

  没有人会因被表扬而生气。

  善于表扬的人,也是一个善于去发现什么事情会使他人感到高兴,并善于及时的表扬。

  如果不断地给孩子提出难于达到的目标,那么,这个孩子听到表扬的机会就会减少。

  如果你设定的目标是孩子稍作努力就可达到的目标,那么,孩子听到表扬的机会就会增多。

  父母对孩子的肯定,会给孩子带来自信。

9.不要强行地让2岁的儿童去服从

  过了2岁之后,孩子会产生自我意识,进入最初的反抗期。

  父母在与孩子相接触的时候,以为自己所做的一切都有益于孩子的健康和发展。然而,这个时期的孩子并不理解父母的这种想法。孩子能够理解父母心情的时期,要过了3岁以后。

  在这个最初的反抗期,你如果强行地让孩子去服从你时候,孩子的大脑里会留下对人的一种不信任的情感。在以后孩子进入青春期时,这种情感会有导致产生不良行为和暴力行为的危险性。

  在你进行深呼吸的过程中,孩子的心理也会发生变化。

  而此时此刻,你应该去满足孩子的情感发育。

10.人的反抗期到何时为止?

  常说人的反抗期有两次。

  第一次是2岁至3岁左右的时期。第一反抗期,被称之为“不可思议的反抗期”。

  第二次是12岁至15岁的时期,正好处于青春期的时期。不管父母怎样说都会遭到拒绝、忽视,孩子的自我主张强烈,干了错事也不诚实地认错。

  这两个时期都是身体与大脑迅速发育、成长的时期。产生了自我意识后的孩子,还不会与父母和周围的人们相互协调和折中的方法,从而遇到烦恼时就会出现反抗的态度。

  我们儿科医生经常对父母们说:“反抗,证明了孩子在成长,应以宽松的心情和喜悦去守护孩子。”但有些父母往往很难予以理解。

 

第4章
建成与障碍儿童“共生”的社会

 

1. 发育障碍儿童是怎样的孩子?

  所谓发育障碍儿童,是指患有轻度智障,与人沟通能力上有问题的儿童。通常,它是学习障碍(LD)、注意缺陷多动性障碍(ADHD)、高级功能广泛性发育障碍等总称。其原因是先天性脑神经生长·发育障碍所引起的。

  多动、固执等问题的儿童,他(她)们很难被周围的人们所理解,当然也包括父母。当受到父母们强迫性的严格管教,或在学习生活中受到老师严厉的监督和指导,这些孩子们就会产生烦恼。

  其实,发育障碍儿童,他(她)只是在某种特定的功能上具有障碍而已,而其他大多数功能是正常的或着比一般更好,这类孩子为数不少。

  我们不能老想着去纠正孩子的短处,而应该去发掘优点并有效地发挥这些优点,这是非常重要的举措。

2.与发育障碍儿童一起生活意义重大

  日本从2005年4月起实施了《发育障碍者支援法》。它的目的是精准地掌握发育障碍儿童在发育过程中的问题行为之所在,并加以深刻理解,以完善围绕儿童的生活环境。

  障碍儿童通过与不具有障碍的儿童在一起生活,会受到各种刺激而促进发育。

  同时,不具有障碍的儿童从幼小的时候起就得知自己的身边有患有障碍的儿童,这些儿童可望期将来能成长为对障碍者具有爱心的成人。

3.患有发育障碍的成人将成为社会问题

  迄今只认为属于儿童的发育障碍问题,今天已经发展成为成人的社会问题。

  以前,曾经有许多独自一人能够能完成工作的岗位,所以,即使是不善于与他人沟通的人也都能就业。

  但是,在现代社会中,以服务业为首的第三产业所占的比例越来越多,就业岗位十分有限。可以预测,今后将越来越呈这种趋势。

  我们不应该只把障碍者的负面看成问题,而应该谋求如何有效地利用他们长处的方策。

  不应该是只考虑追求利益的效率至上主义经营方式,而应该根据就业人员的能力,建设各种工作岗位,这是今后的一项重要的任务。

4.通过体育活动,与障碍者共享生存的喜悦

  2006年在神户举行了第六届全国残疾人体育运动会,皇太子(现天皇陛下)驾临了本次运动会。

  患有各种障碍的运动员们精神饱满地参加了比赛,许多志愿者积极地工作,观众的热烈声援,在这巨大的感动的人海中,我也作为一员观众参加了比赛。

  运动功能障碍、智力障碍、听觉障碍等等,参赛的选手们克服了种种障碍,怀着激情和毫不屈服的笑颜。生机勃勃的比赛,使整个体育会场洋溢着“共生”的喜悦。

  不仅仅是体育活动,在我们日常的生活中,也要增加能让人们实际感受到与障碍者“共生”的机会。

  这样的话,就能够让我们感恩生命,与朋友一起共享梦想和希望,实现一个充满爱心的社会。

5.障碍者用肢体表达“生命的光彩”

  在神户市的“幸福村”里,有一个“重症身心障碍儿童”入住的设施,名叫“微笑之家医疗福利中心”。

  在这里,我实际感受到了障碍者们用肢体表达的“生命的光彩”,给周围的家人、设施的职员带来了“生存”的希望和幸福。

  我想大都数市民还不知道这个障碍者设施的实际情况。利用这个设施的人、家属、职员们是那么的欢乐和朝气蓬勃,他们的生活状态,应广泛地向社会进行宣传。

 

第5章

AI时代将如何育儿?

 

1.AI时代到来了

  日本也已经开始了人工智能(AI)控制汽车自动驾驶的的上路试验。

  以家电产品为首,人们周边生活中装有AI的产品 (IoT: internet of things)已层出不穷。

  在美国,以云技术为基础的声音识别服务已经开始。早已上市的智能电话声音识别服务软件,只要你这边说话,就立刻能对你进行行使指南、告诉你资料的所在地点等等。

  当我的小孙女对着手机问:“你是机器人吗?”时,那个手机竟然稍有不快地回答她说:“我也是有心的机器人!”,这让我十分的惊讶。宛如有一种真人在回答问题的错觉。

2.机器人宠物备受孩子们的青睐

  有一种日本制造的机器人宠物,叫做“帕罗”(PARO),它的外形是一只用人工毛皮做的海豹,被放置在小儿科门诊的诊所里。

  帕罗在孩子们当中颇受欢迎。特别是患自闭症的孩子,他们与帕罗一起玩的时候,总是不愿意离开它。

  帕罗的眼脸、头颈、前腿、后腿都能逼真地活动,还能发出“啾啾啾”可爱的叫声。当人们呼叫它的名字时,它立刻就会作出反应。

  帕罗具有智能,也有感情,它不喜欢被粗暴地对待。不同的交流能使它性格发生变化,并具有学习饲主行为的能力。如果再进一步进化后,它也许能帮助不善于与他人沟通的现代人工作,成为这些人的“心理咨询顾问”。

3.婴儿大脑的发育成为开发AI机器人的模型

  如今,已到了AI能够击败围棋高手的时代了。AI能发挥比婴儿的智能,甚至比成人的智能更优异的能力。

  人类的神经细胞,是由称之为突触的线相互链接在一起的,所以能够学习和思考各种事物。AI是模仿人脑做成的人工神经网络。

  人类的神经元如果不使用,就会被“修剪”而消失。而AI制作的神经网络是不断地积蓄起来的。制成了新的神经网络并积蓄起来的AI机器人,我们人类无法匹敌。

  这让我亲切地回想起三十年前,一些机器人工程学的研究者们为了观察婴儿的行为发育,经常来到我们新生儿室时的情景。

4.语音是与AI有效融合的重要因素

  人类的声音能向对方传达各种信息。

  当人闭上眼睛只听声音,也能分辨出对方的喜怒哀乐和健康状态。

  眼睛也能告诉对方各种事物,而声音中则含有人的更丰富的意志,能够更正确地反映真人。

  自己平时所听到的,都是从耳朵进入后的空气振动与鼻腔、喉咙的振动(骨骼传导),是两者合成的声音。自己所听到的自己的声音与他人所听到的自己的声音是不同的。如果你去听一下自己的声频,就可以清晰地得知。

  与AI友好地交友,很重要的是,要学会用声音把自己的观念和想法正确地传达给对方。

5.让AI机器人的心里充满温暖

  人类社会里,每天都会在什么地方发生欺负人的事情。

  不仅是孩子,在成人中间也有欺负人的现象。国家和国家之间也不断地发生着纷争。

  从历史上来看,不管是怎样善良的人,有的人在战争中也会出现令人难以置信的恶劣行为。

  关于这一点,希望AI不要模仿人类。

  正像手塚治虫所画的《铁臂阿童木》一样,我由衷地希望AI机器人能始终不渝地拥有温暖的心灵。

6.AI机器人成为家庭成员的新家庭问世

  在不久的将来,5感(视觉、听觉、嗅觉、触觉、味觉)的传感器功能将进一步得到改善,人工智能有可能与人类一样,进化成具有人类的知性。

  由此,AI很有可能成为人类社会的一员。

  人类与AI要有效地交往,人与AI必须要从幼小时期开始培养相互能够沟通的能力。

  人类的孩子如果不能始终与AI亲切地交往,AI就有可能会憎恨人类的孩子而采取报复。

  患有发育障碍的孩子,虽然在人类社会中不善于与人交往,如果AI也在一起生活的话,有可能有很好的交往。

  在学校,为了学习培养与AI之间交友的方法,新的课程正在应运而生。

  让我们与AI一起开始新的家庭生活吧!

 

后记

  我有幸于2017年5月出版了拙著《婴儿的四季》,同年12月又相继出版了《让培育婴儿更充满乐趣》。这两本书都是我10多年来连载的育儿随想录。

  在编辑第二本《让培育婴儿更充满乐趣》过程中,收到了葛西建藏先生的讣告,让我再次意识到在这本随想录中,有许多内容都是在葛西建藏先生主宰的阿普丽佳育儿研究会当时谈论的话题。

  阿普丽佳育儿研究会是一个组织开展“培育温暖心灵的活动”的团体,由儿科医生内藤寿七郎先生、漫画家手塚治虫先生和阿普丽佳育儿研究会理事长葛西建藏先生3人于1970年创办。研究会通过育儿这个主题,在国内和,海外,特别是在中国开展了十分活跃的如何培育婴幼儿的活动。

  我本人从1995年发生的阪神大地震那一年开始,也成了该团体的一员。在那之前,有关育儿的问题,虽然在我们儿科医生之间也经常讨论,但几乎没有机会与从事母婴保健工作者以外的人士们一起议论。而这个研究会里有实业家、律师、传媒等各类行业和职业的专家共同参与,当我亲眼目睹到他们真诚地思考儿童问题时,我为之深受感动。

  研究会不仅有来自日本国内的专家,还有来自世界各国、特别是中国和美国的许多同仁共聚一堂,大家都很赞同这个活动。

  21世纪的初始,我们在兵库县淡路岛举行了3届国际育儿研究会的论坛。活跃在中国及海外的伍蓓秋女士(已故)、胡庆澧先生等中国专家,美国的儿科学会会长路易斯、库巴、罗伯特·比基、原日本小儿科学会会长小林登先生、东京女子医科大学教授仁志田博司教授、原日本妇产科学会会长坂元正一(已故)先生等许多专家参加了论坛。通过这个论坛,让我强烈地感受到不管国家、人种、文化不同,“保护儿童”是全人类的共同愿望。

  这本书若能向读者传达这种愿望,这将使我非常的欣慰。

  在撰写这本书的过程中,承蒙神户大学的高田哲教授、西尾久英教授赐予的宝贵建议,并向提供资料的阿普丽佳育儿研究会原田卓儿先生、顾振申先生、河崎桂子女士,为出版此书而给予大力协助的兵库县预防医学协会谷川亚有美女士、AC公司总经理黑川裕子女士表示衷心的感谢。

 

AI時代に向けての育児: 赤ちゃんがもつ不思議な力を知り、 あたたかい心をもつ子に育てよう (エッセイ) Kindle版 53ページ

中村 肇 (著)
AI化が進む世界で、遠からず、ロボットに育児支援を頼む日がきます。
あたたかい心をもった子どもに育てるには、人自らが今の育児環境を見つめ直し、
AIに正しい育児を学習させねばなりません。

子育てをもっと楽しむ(本)

書籍名: 子育てをもっと楽しむ  中村肇・著

神戸新聞総合出版センター  発行日:2017年11月

1,000円(税抜) サイズ:四六判 ページ:136P

内容 今しかできないすばらしい子育ての時間を大切に、楽しみながら子育てができるよう、100のトピックスをとりあげ、お母さん向けにやさしくアドバイスした1冊です。本コラム集は、兵庫県が実施している「地域子育てネットワーク事業」の月刊広報誌に、地域の子育て支援隊のみなさん向けに、2005年1月から12年間にわたり書き綴ってきたものを1冊にまとめたものです。

赤ちゃんの四季(本)

本

書籍名: 赤ちゃんの四季   中村肇・著

兵庫県予防医学協会・編 神戸新聞総合出版センター発行

発行日:2017年5月 1,000円(税抜) サイズ:四六判 ページ:160P

内容 「子どもが幸せになる」子育てのヒント集。兵庫県予防医学協会の機関誌「あすの健康」に、2001年秋より17年間、年4回書き綴ってきたものを纏めた本です。赤ちゃんのもつ素晴らしい能力を伸ばし、少子社会・ネット社会など子どもを取り巻く環境変化に対応するための現代の子育ての課題とあり方について、小児科医の立場から意見を述べたものです。

小4の孫の読後感想文  2020/12/08