お月さまには、いろんな顔が

スーパームーン皆既月食 2021.5.26

5月26日には、日本中で「スーパームーン皆既月食」が見られるとのこと楽しみにしていましたが、神戸ではあいにくの曇り空、お月さまを見ることができませんでした。
沖縄では、よく晴れており、午後8時から40分間追跡したビデオフイルムを、「宇宙の神秘 赤銅色に輝く満月」として琉球新報が公開しています。ビデオを見ているだけで、神秘的な思いがこみ上げてきます。

月は地球から遥か離れたところにある
地球から38万kmも離れたところにあり、月の光(正確には太陽の光を反射した光)が、地球に届くまでに約1.3秒もかかるそうです。
夜空に見える月は、太陽と同じくらいに大きく見えるのに、実際の大きさは直径約3,470kmで地球の4分の1、太陽の400分の1しかありません。

人類初の月面着陸に成功したアポロ11号

1969年7月20日、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号は、102時間かけて月に辿り着いたそうです。翌年1970年の大阪万博では、アポロ宇宙船が月から持ち帰った石が展示され、大きな話題となったのが思い出されます。月面着陸から半世紀、月周回旅行が計画される時代となりました。

月はいつまでも神秘に満ちた星であり続けてほしい
満月の日には、産卵の為に上陸するウミガメの数が増えるそうです。満月の日は大潮になる為、干潮と満潮の差が大きくなり、時間がかかるウミガメの産卵には適しているからと言われています。
かつては、町全体が今日のように明るくなく、満月の明るさは格別でした。月を愛でながら、語り合うのが私たち世代の青春でした。月がいつまでも、遠い世界の神秘に満ちた星であり続けてほしい気がします。

152. 乳幼児健診や予防接種を遅らせないで

乳幼児健診の目的は、年齢ごとに起こりやすい病気や問題を早めに見つけて治療に結び付けることです。予防接種も、感染症にかかる前に接種することが極めて大切です。

新型コロナウイルス感染症については、小児では成人に比べて感染し難く、また重症化する例が少ないため、ワクチン接種は高齢者からスタートしています。一般的に、小児、とくに乳幼児では感染症に対する免疫力が低いために、多くの予防接種は満1歳までに実施されています。

集団・個別に関係なく、子どもや付き添いの保護者の方に発熱や咳などの症状がないことを確認して受診して下さい。付き添いの方は手洗いを行って、マスクを着用して下さい。ただし、2歳未満の乳幼児でのマスク着用はむしろ危険です。

乳幼児健診やBCGなどの予防接種を集団で実施している市町村では、地域の流行状況により柔軟に対応しているところもあり、保健所や保健センターに確認して下さい。

兵庫県子育て支援 2021-5-17

渋沢栄一と「論語と算盤」

2021-5-10

渋沢栄一は、「論語」に象徴される道徳や公益性を追求しながら、「算盤」に象徴される実業やビジネスに遭遇する人生に全うしました(1840-1931)。渋沢自身は、経済発展が必要と考え、実業をもってそれを支えました。

『論語』で一生を貫くとは

宋王朝の名臣・趙普が、「「論語」の半分を使って自分が仕えている皇帝を助け、残り半分を使って自分の身を修める」を引用しながら、

「私は『論語』で一生を貫いてみせる。金銭を取り扱うことがなぜ賤しいのだ。君のように金銭を賎んでいては、国家は立ち行かない。民間より官の方が貴いとか、爵位が高いといったことは、実はそんなに尊いことではない。人間が勤めるべき尊い仕事はいたるところにある。官だけが尊いわけではない。」と渋沢は述べています。

商業道徳と信用

経済ですから、競争も当然発生しますが、そこに騙す、邪魔をする、貶めるといった悪意の競争は一切排除し、正当な競争のみに励むことが、商業道徳であるとも言っています。

欧米人から見れば、「当時の日本人は約束を守らない」と映っていたようです。その理由は、日本人は、組織の意向に忠実で、自分個人の発言を悪びれずに撤回する習性があったようです。渋沢栄一は、経済を回すには、信用を得る大切さを強調しています。

渋沢栄一曰く、

  • 方針を決める際には、まず道理にかなうかを考える。
  • 次に、その道理に従えば国や社会の利益になるかを考える。
  • そして最後に、自分のことを考える。この順番を徹底していたようです。

現代における経済至上主義と地球環境の破壊

私自身、小児科医の道を歩み始めた時には、「医は仁術なり」の時代であり、学問の自由・大学の自治は不可侵の領域でした。高度経済成長、また経済のグローバル化とともに、経済至上主義へとシフトしました。「医は算術」となり、医学研究の評価も経済的効果、費用対効果が基本尺度となりました。

私たち世代がおかしてきた重大な間違いは、自らの行動評価判定を現代にのみ向けており、未来への配慮に欠けていた点です。そのつけが地球環境の破壊です。

岡本ばら園 2021-5-3

 

緊急事態宣言下でのGW: 胸が痛む兵庫の医療崩壊

今も、自宅前の通りを「不要不急の外出を控えましょう・・・」という兵庫県のキャンペーン・カーが通り抜けて行きました。後輩のドクター達が日夜を分かたず医療に当たっておられる姿を思い浮かべると、気の毒でなりません。

連日の新型コロナウイルス感染症拡大の報道によると、重症患者ですら自宅待機せざるを得ない状況下とのこと、本当に胸が痛みます。

1年以上続く新型コロナウイルス感染症ですが、3月末からの兵庫・大阪での感染拡大は、これまでにない大きな再燃で、まさに災害医療モードです。今回の惨状は、「予告済みの災害」としか言いようがありません。


東京や兵庫・大阪に3度目の緊急事態宣言

政府は4月25日に、東京や兵庫・大阪に3度目の緊急事態宣言を発出しましたが、兵庫・大阪では余りにも遅きに失したようです。関西の危機的状況は政府に伝わらず、中途半端なまんえん防止措置での様子見の間に、急拡大が続きました。漸くピークが見えてきた感はありますが、予断を許しません。

兵庫・大阪と東京の人口10万人あたりに換算した1日感染者数の7日間移動平均を描いてみました。兵庫・大阪では3月下旬から急激に増加しているのが一目でわかります。

緊急事態宣言:1/7-3/21(東京)、1/14-2/28(関西)、まんえん防止:4/5-4/24(関西)、4/12-5/11(首都圏)、緊急事態宣言:4/25-5/11(関西・東京)
データは、日本国内の感染者数(NHKまとめ)による。各都府県の人口は、厚生労働省令和元年(2019)人口動態統計確定数:兵庫県 546万人、大阪府 880万人、東京都 1,392万人。


増え続ける重症患者と死者数

感染者数はピークを迎えても、重症患者と死者数は、今後しばらくは今以上に増え続けること必至です。限られた医療資源を有効活用して、医療破綻を最小限に押さえ込んで欲しいと思います。


医療産業都市神戸への期待

医療産業都市神戸が医療崩壊ではサマになりません。ワクチンも手に入りました。しっかりと情報ネットワーク・システムを活用して、日本の各地に新型コロナウイルス感染症対策の良いモデルを神戸が示してほしいと思います。

2021-5-6