AIと囲碁・将棋 〜子どもにAIを使わせるのは危険

将棋の藤井聡太7冠(21歳)の8大タイトル制覇を目指す王座戦がいよいよ始まりました。囲碁界では仲邑菫さん(13歳)が女流棋聖のタイトルを獲得し、世間の注目を集めています。他にも若者のタイトル保持者が続々と進出しています。

いま、なぜ、囲碁・将棋界を若者が席巻できたのか?

その理由は明白です。AI技術がいち早く導入されたのが、囲碁・将棋なのです。その代表的なソフトであるグーグルの「アルファ碁」は、2016年に世界のトップ・プロ棋士を相手に勝利を収め、世界を驚かせました。その後も、プロ棋士を相手に何と60連勝しているのです。人間はどうしてもAIには敵わないのです。

これまでの定石が通じなくなった

多くの若手棋士達は、AIソフトを活用しており、自分が対局した棋譜をAIに打ち込み、検討しているそうです。その結果、昔は定石と言われた石の運びが、必ずしも最善でなく、これまで悪手とされていた手筋をAI が選んでくるそうです。人間とAI では、発想が全く異なり、予想もしなかった手を選んでくるのです。

子どもにAIを使わせるのは危険

数多くのトッププロを育てられた囲碁指導者は、子どもにAIを使わせるのは危険だと言います。その理由は、自分で考えず、ただ答えだけを見るからです。囲碁が私たちにくれるものは、思考力や創造力、判断力などです。AIを無条件的に使えば、そうしたものが発展しないので、分別と判断力を身に着けてから適切に使うのが一番よいと述べられています。

AIを手に入れたところで、誰でも強くなるわけではありません。タイトルを手にするトッププロには、元々人並みはずれた才能と努力があるからです。

いま、自動文章作成ソフト、ChatGPTが話題ですが、宿題や論文作成をソフトに全面的に頼るのは危険です。やはり、最終的に判断し、決断するのは我々人間です。

2023.9.1.