スマート社会(Society5.0)に向けて

Society5.0とは

狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、そして現代の情報社会(Society4.0)の次に訪れる新しい社会のことを、スマート社会(Society5.0)と呼ぶそうです。この用語は、平成28年に閣議決定された第5期科学技術基本計画の中で提唱されたものです。

Society5.0とは、IoTによりサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(人主体空間)を連携し、すべての物や情報、人を一つにつなぐとともに、AI等の活用により量と質の全体最適をはかる社会のことです。

Society4.0では経済発展に限界が

Society4.0では、情報の共有や作業工程の効率化が進みました。しかし、少子高齢化によって労働力が減少し、これまでの労働集約型の業務や知識の集積に基づく業務では、今以上の経済発展が望めません。日本は超高齢化社会が加速する中で、社会保障の破綻も懸念されています。

Society5.0では、

膨大な情報を的確に処理するため、人工知能(AI)の活用はさらに進みます。情報は人間が自ら集めて解釈するものから、人間にとってより理解しやすい情報としてAIが解釈・加工して提供されるものになるでしょう。

Society5.0においては、Society 4.0を土台としながらAIやロボット等によって人的リソースを代替化・省力化が実現します。テレワーク等が普及することで時間の有効活用ができるようになり、人は新たな高付加価値な業務を行うことができるようになります。

個別化医療の進展やロボット技術を活用した身体機能の支援が進めば、看護や介護の省力化が進みます。さらに、健康や医療、介護に関するデータを活用することで効率的な社会保障システムの構築も可能となり、質の高いサービスが提供できるようにもなります。

これらが実現すれば、今後直面するとされる社会課題の解決とともに、今以上に経済的な発展が可能となるでしょう。

Society 5.0に向けて国が目指す学校教育

ソサエティ5.0時代到来を見据えた学校の指導体制の確立が、ソサエティ5.0をよりよい社会にする鍵となります。平成30年、文部科学省は 「Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇談会」で 学びのあり方の変革を次のように提唱しています。

  • 一斉一律授業の学校は、読解力など基盤的な学力を確実に習得させつつ、個人の進度や能力、関心に応じた学びの場に。
  • 同一学年集団の学習は同一学年に加え、学習到達度や学習課題等に応じた異年齢・異学年集団での協働学習の拡大を。
  • 教室での学習は、大学や研究機関、企業、NPO、教育文化スポーツ施設等も活用した多様な学習プログラムが望まれる。

新時代に求められる人間教育

文科省は先の提言で、「文章や情報を正確に読み解き対話する力」、「科学的に思考・吟味し活用する力」、「価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力」が重要であると挙げています。

新たな社会を牽引する人材として、国が求めているのは「技術革新や価値創造の源となる飛躍知を発見・創造する人材」、「技術革新と社会課題をつなげ、プラットフォームを創造する人材」、「様々な分野においてAIやデータの力を最大限活用し展開できる人材」です。

私の考えは、高度に情報技術が進歩した時代の初中等教育のあり方として、機械にできることは機械にまかせ、人間はより人間らしい力を身につけることです。

これまで以上に、人の多様性と共生を尊重する社会を目指し、人と人、さらには人とロボットとのコミュニケーション力の涵養が求められます。2020.11.26

ポストコロナ、ウェルビーイング重視の地域コミュニティを

国別の幸福度ランキングで日本は51

国連が20173月に発表した、世界155ヵ国を対象にした幸福度ランキングによれば、GDP世界3位の日本の順位は2016年の53位から、二つ順位を上げましたが、51位。1位はノルウェーで、上位5ヵ国のうち4ヵ国を北欧勢が占めています。主要な国をみますとカナダ7位、米国14位、ドイツ16位、フランス31位となっており、日本はまだまだ上を目指さなければならない位置にいます。

ウェルビーイング(well-being)とは、

ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と翻訳されることも多い言葉です。

1946年の世界保健機関(WHO)憲章の草案の中で、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることを言います(日本WHO協会:訳)。

科学と産業革命で人類が蓄積してきた豊かさとウェルビーイング

過去500年の間に、科学と産業革命のおかげで、人類は超人間的な力と実質的に無限のエネルギーを手に入れ、人類が蓄積してきたこの豊かさは、私たち現代人に新たな満足を与えたのだろうか?と、ユバル・ノア・ハラリは著書「サピエンス全史」の最後で問いかけています。

文明社会は、強い絆で結ばれていた大家族を崩壊させ、核家族化しました。緊密で協力的な互助で成り立っていたコミュニティ社会は、都市への人口移動とともに、スケールの大きな、日常生活とかけ離れた組織的な政府によって統治されています。

大家族が崩壊し、コミュニティを奪い去られた現代の人々が、果たして幸せになったと言えるのでしょうか。

ポストコロナで地域コミュニティの見直しを

新型コロナの流行で、リモート・ワークでの勤務が3割近くに達しているそうです。朝夕の通勤ラッシュの中を出かける必要もなくなりました。これまで、会議のために、わざわざ新幹線に乗って、飛行に乗って出張していたのが、Zoomなどのネット会議で十分に間に合うこともわかってきました。

ポストコロナの時代には、国内外の企業に籍をもつ多職種の人々が、同じ地域に居を構えて、ネットを通じて仕事ができます。若い夫婦向けには、学校・保育園・公園の整備が不可欠です。

3人に1人が高齢者という超高齢社会が目の前です。若者たちには必ず高齢者がいます。医師・看護師、介護士など医療福祉関係者が必要です。

これからは、インターネットやAI(人工知能)を活用し、人にも、ロボットにも、ともにウェルビーイング(well-being)をもたらす新しい地域コミュニティづくりが求められます。


2020.11.18

2020年米大統領選挙と社会的分断

共和党のドナルド・トランプ米大統領と民主党のジョー・バイデン前副大統領が争ってきた米大統領選は、日本時間の8日未明、バイデン氏が当選を確実にしました。ただ、トランプ氏は選挙の不正を主張するなど、敗北を受け入れる様子を今のところ見せていません。

米国にいる私の知人の多くは、小児科医です。彼らは、いつも社会的弱者に接していることから、民主党支持者が多く、トランプ大統領に嫌悪感を露わにしたメールをよく送ってきます。トランプ大統領は、日本人のモラルでは理解しがたい言動がこれまでから多いのですが、今回の選挙戦では一層激しいものがありました。今回の選挙戦でも、前回選挙を上回る票を獲得し、敗北は僅差であり、なお根強い支持基盤の存在が浮き彫りになりました。

恐らく大半の日本人は、アメリカ合衆国を民主主義のモデル、世界の盟主とこれまで考えていたと思いますが、今回の選挙戦での両陣営の発言・ニューヨークなどでの暴動・選挙に対する不正発言などは、アフリカ新興国の選挙風景と変わらないようです。

2020年米大統領選挙においては、アメリカ社会の分断と人種差別を結びつけた報道が目立ちます。アメリカ社会そのものが移民によって成り立っており、白人による黒人やヒスパニック系への人種差別は続いていますが、次第に薄まってきたように思えます。今回の選挙で副大統領に就任予定のカマラ・ハリス氏は、ジャマイカ人とインド人の混血だそうで、大変理知的な女性です。

いま、アメリカ社会の分断の根底にあるのは、二極化した経済的格差です。

2020-11-11

アジア初の国連機関UNOPSのGlobal Innovation Centerが神戸に

国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)が、神戸市にグローバル・イノベーション・センター(GIC Japan(Kobe))を開設する記念式典が116日にありました。

神戸市森林植物園2020-11-5

GIC Japan(Kobe)は、持続可能な開発目標(SDGs)の課題解決に資する新たな製品やサービスの創出を行なうことを目的としたインキュベーション施設であり、世界で3拠点目、アジアでは初の拠点とのことです。

WHO神戸センター (WKC) 19962月に設立

19951月の阪神淡路大震災により、 壊滅的な被害を受けた神戸には、WHO神戸センター (WKC) 19962月に設立され、被災地の復興と発展のシンボルになっています。

WKCの活動目標と戦略では、21世紀におけるグローバルな問題である、高齢化と健康、都市と健康、保健福祉システムの開発、さらには、女性と健康、伝統/相補・代替医療といった問題に重点を置いて活動しています。

神戸のこれらの機関から、先進国から発展途上国への情報発信基地としての活躍が期待されます。

UNOPSとは、コペンハーゲンに本部を置く、プロジェクト実施に特化した国連機関。UNOPS は他の国連機関、国際開発金融機関、援助国及び被援助国政府等からの依頼に基づき、特に被災地域や紛争地域等における援助プロジェクト推進を行う。

持続可能な開発目標(SDGs)とは

映画「スパイの妻」と軍事研究

今年のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した『スパイの妻』は、太平洋戦争前夜の神戸を舞台に、国家機密を知ってしまった実業家(高橋一生)とその妻(蒼井優)の、愛と正義に賭けた姿を描く作品です。

ロケ地として、垂水区にある旧グッゲンハイム邸や神戸税関が使用されるなど、レトロモダンで異国情緒あふれる戦前の神戸の風景を楽しむこともできるとのことで、新型コロナ流行下ではありますが、10月末の平日の昼に家内と観に行きました。

1940年、神戸で貿易会社を営む優作が、赴いた満州で、恐ろしい国家機密を偶然知り、正義のため、憲兵隊の監視の目を掻い潜り、事の顛末を世に知らしめようとする話です。恐ろしい国家機密とは、満州で日本軍がペスト菌を用いて人体実験を行っているフイルムのことです。

折しも、日本学術会議のメンバー推薦に対する政府の任命拒否が話題となっています。20173月には、日本学術会議は、大学における「軍事研究」が学問の自由及び学術の健全な発展を脅かすと、「軍事的安全保障研究に関する声明」を出していました。

太平洋戦争を自分の目で見て、戦後を過ごしてきた私には、これまで当たり前と考えていた平和憲法の理念や学問の自由が、戦前へと巻き戻されつつあるように思えてならない今日この頃です。

2020-11-4

「不要不急」と言われると・・・

このたびの新型コロナの流行で、政府が国民に向けたメッセージは「不要不急」の外出自粛です。新型コロナ対策として「3密」と「不要不急」という言葉は、マスコミの報道でも日常的に使われています。

齢八十を過ぎると、「不要不急」という言葉に過敏に反応します。外出だけでなく、日常生活すべてが、不要不急と言えば、不要不急ではないかと捻くれた気持ちになります。

私と同級の精神科医は、月に1度の外来診察のため片道2時間以上かけて出向くのを楽しみにしていたのですが、「ご高齢だから、新型コロナの流行が収まるまで、無理して来て頂くことはありませんよ。」と言われ、自分の生き甲斐は不要不急だったのかと嘆いておられました。

日本は、欧米に比べて、高齢者に対してたいへん優しい国だと思います。政府は、新型コロナウイルス感染による死亡率が高齢者で高いことを強調し、政策的にも高齢者への感染予防対策を優先しています。死亡率が高いのは何もこのウイルスに限ったものではなく、インフルエンザでも同じなのですが。

私の周りにいるふだん活動的だった高齢者の多くが、もし感染したときの自らの死への恐れというよりも、周りの人達に迷惑をかけては申し訳ないという気持ちから、今も巣篭もり状態です。持病での通院回数も半減しています。

新型コロナの流行は当分続きそうです。「不要不急」はすべてダメではなく、3密にならないように気をつけて、運動不足の解消とお互いの心のケアのための友人との過ごし方を模索しているところです。

2020.10.31.

80歳での大きな試練

2020年は、新型コロナの流行で世界中の人々にとって大きな節目の年となっていますが、満80歳を迎えた私には大きな試練が押し寄せてきました。思わぬ大病、急性前骨髄性白血病に罹り、一時は彼岸に行きかけていましたが、こうして元気にお便りできるようになりました。

今回の闘病日記を、「80歳での大きな試練」としてまとめましたので、御笑覧いただければ幸いです。

2020/10/21記

第1話 思わぬ大病、白血病に罹ってしまいました。

新型コロナの流行も、非常事態宣言解除でホッとした途端、思わぬ大病、白血病に罹ってしまいました。

5月末の土曜日に明け方、突然発熱し、悪寒がするので、コロナではなさそうだが、3年前に患った前立腺炎の時に似ていたので、近所のかかりつけ医を受診し、血液検査をしてもらったところ、白血球数も血小板数も、赤血球数も減っていると、検査データを見られた先生から、慌てた電話が夕方かかってきました。

その時は、熱もなく、特段体調も悪くなかったので、何かの間違いだろうと、月曜朝に再検査するようにお願いしました。

再検査の結果も同様であったという知らせを受け、覚悟を決め、火曜日朝に入院、治療を受けることにしました。

第2話 主治医の迅速な診断と治療の開始でDIC状態を無事脱出

血液検査と骨髄検査の結果から、夕方には白血病であることが告げられ、しかも急性前骨髄球性白血病です。

私が小児科に入局し、受け持ったこの病名の患者さんが、入院後あっという間にDICを引き起こし、亡くなられたのを、病名を告げられた途端に鮮明に思い出しました。

主治医からの説明で、急性前骨髄球性白血病(M3)で、ビタミンA誘導体が奏功するタイプのものだろうという話を聞かされました。

早速、その日の夕方から、ベサノイドというオールトランスレチノイン酸(ビタミンA誘導体)を内服することになりました。この主治医の迅速な診断と治療の開始で、DIC状態を無事脱出できました。

服用開始後1週間ごろより効果が現れはじめ、DIC状態を徐々に脱し、2週後には、末梢血に幼若細胞が見当たらなくなり、血小板数も白血球数も増加しはじめました。骨髄細胞を用いたPCR検査の結果から、 t(15; 17)転座が検出されM3と確定されました。

ビタミンA内服で血液所見が改善

ビタミンA誘導体は、白血病細胞に対する分化誘導作用があること、 t(15; 17)転座が検出された細胞には,効果的で完全寛解が期待できるとのことでした。

連日4週間、朝昼晩で計8錠服用することになりました。

服用後3週間を過ぎた頃より、ベサノイドはビタミン剤の仲間とは言え、結構副作用が強く、胃部不快感と全身倦怠感が現れ、食欲も低下してきましたが、多少の副作用は我慢しなければと、必死にのみ続けました。

後半の1週間は自宅に戻り、服用を続けました。末梢血には幼若細胞がなくなり、血小板数、白血球数、赤血球数も正常化しました。血液所見だけでなく、これまで悪かった腎機能の指標であるクレアチニンレベルが低下しており、ビタミンAは腎臓にも効いたようです。肌もツルツルにしてきたので若返りの薬かと喜んでいたところ、家内から肌のツルツルは皮膚の老化のしるしと言われ、がっくり。

再発防止には、いくつかの抗がん剤が候補に挙げられましたが、私が高齢者であるだけでなく、心臓や腎臓に欠陥を持つことから、比較的副作用が少ないとされるヒ素剤が最も適しているとのことで、2週間後より、亜ヒ酸(商品名:トリセノックス)での強化療法(地固め療法)を勧められました。

第3話 ヒ素での地固め療法

ヒ素についてネットで調べてみると、国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科・造血幹細胞移植科黒澤彩子先生が書かれた、「再発急性前骨髄球性白血病の治療と予後」というタイトルの論文(抄録)が見つかりました。その中では、

「急性前骨髄球性白血病(M3)に対して、オールトランスレチノイン酸と抗がん剤治療を行うことにより、高い寛解率と長期生存が得られるようになりました (本邦のデータ で寛解率95%、4年全生存割合84%)。

再発後のM3に対しては2000年以降、亜ヒ酸が治療に用いられるようになり、再発後も80%程度の患者さんで再寛解が得られるようになりました。」 と記載されていました。

この論文では詳しいことは分からず、80歳以上の患者がどの程度含まれているのか判然としません。

1998年のN Engl J Med掲載のSoignet SLらの論文(抄録)、「急性前骨髄球性白血病における亜ヒ酸による治療後の完全寛解」では、調べた患者12人中,11 人で治療後に完全寛解し、副作用は比較的軽度で、発疹、めまい、疲労、そして筋骨格の痛みであった。

主治医の説明でも、このタイプの白血病は50〜60歳代で時にみられるようですが、80歳以上は極めて少ないそうで、先生ご自身も初めての体験だそうです。

亜ヒ酸が急性前骨髄球性白血病(M3)になぜ効くのか

亜ヒ酸の作用機序は全て明らかになっているわけではなさそうで、亜ヒ酸の低用量は再発したM3患者において完全寛解を誘導することができるという臨床経験に基づいて用いられているようです。その機序としては、カスパーゼの活性化によるアポトーシスの誘導と関連しているようです。

今から20年前の話になりますが、分化誘導に関する研究が盛んで、私たちも新生児低酸素性虚血性脳障害における神経細胞の保護目的で新生児・未熟児での神経細胞の分化誘導を研究テーマにしていました。カスパーゼが、神経軸索の刈り込みなどに関連するとのことで、研究していたことを懐かしく思い出しました。

どうやら、カロチノイドも、亜ヒ酸も、M3細胞の分化誘導が鍵のようです。

ヒ素で思い出すこと

ヒ素といえば、森永ヒ素ミルク中毒事件と和歌山のカレーライスへのヒ素混入事件が思い出されます。

森永ヒ素ミルク中毒事件は、1955年6月頃から主に西日本を中心として起きた、ヒ素の混入した粉ミルクを飲用した乳幼児に多数の死者・中毒患者が出た事件です。

当時の厚生省の発表では、ヒ素の摂取による中毒症状(神経障害、臓器障害など)が、1万人以上の乳児に起こり、死亡した児も100名以上に及んだとのことです。

私自身が小児科に入局した時には、関連のカルテが大切に保管されていたのをよく記憶していますが、私自身ヒ素患者さんを診察したことはありません。今もなお、その時の後障害に苦しめられている方がたくさんおられます。

第4話 いよいよ地固め療法開始へ

「亜ヒ酸は,毒でもあるが、薬でもある」と覚悟を決めて治療をお願いすることにしました。

CVポートの埋め込みで覚悟が

CVポートは、主に抗癌剤治療を実施する化学療法や長期間の高カロリー輸液の投与などに用いられているデバイスで、私は今回初めて知った優れものです。直径2~3cmの小型円盤状のタンクとカテーテルと呼ばれるチューブから出来ており、ポートの中心にはセプタムと呼ばれる圧縮されたシリコーンゴムがあり、そこに専用の針を刺し、薬を注入する仕組みになっています。

私の場合、右の鎖骨下静脈に埋め込んでいただきました。もうこれで薬液の血管外へのもれの心配がなく、1年以上でも繰り返し点滴静注できるそうです。使っていない時には、シャワーを浴びることもでき、驚きです。

亜ヒ酸(商品名:トリセノックス)の1回10mgの点滴静注

日本で用いられている標準的なプロトコールに基づいて治療を開始、週5日、5週間で計25回の亜ヒ酸(商品名:トリセノックス)の1回10mgの点滴静注投与が1クールということです。

薬の能書を見ると、そのトップには、真っ赤な文字の「警告」が20行にわたり書かれており、一つ間違うと死に直結する注意事項や副作用が小さな文字でぎっしりと2ページにわたり書き込まれています。

中でも、QT間隔の延長が要注意とのことで、投与前には毎回心電図でチェックを受けました。

最初の2週間は、ほぼ予定通り、治療が進められましたが、3週目ごろより、クレアチニンや肝機能のマーカー酵素の変化は見られませんでしたが、全身倦怠感と胃腸障害、食欲も低下し始めました。

主治医からは、心電図、血液検査で異常がないうちはプロトコール通りの治療を勧められましたが、多少の副作用が見られるぐらいでないと薬の効果も現れないだろうと私も辛抱していました。

次第に耐え難くなり、体調の変化を訴え、また、QT間隔も次第に延長し始め、閾値とされる500msecに近づく日もあったので、次第に投与間隔が開くようになりました。何とか、70%程度を消化し、一度目のクール、5週間の治療が終了しました。

第5話 第2クールの開始早々に

退院するも、連日の猛暑で体力回復ならず

盆明けから、3週間の自宅療養に移りました。連日35度を超す猛暑の中でした。妻が作ってくれた好物の食事を毎日食べられるようになったのですが、ビタミンA療法、亜ヒ酸療法の副作用か、暑さのせいか、もう一つ食欲も出ず、十分に体力が回復しないまま、第2回目のクールに臨むことになりました。

9月9日に再入院、早速3回目の骨髄穿刺を受けました。細胞学的には異常細胞は認められませんでした。PCR検査には1〜2週間の日を要するとのことでした。

第2クールの開始早々に

週4回x5週間の予定で、副作用のチェックをしながら、治療を進めることになりました。血液検査も、心電図も異常がなかったために、木曜、金曜の2日連続で投与を受けましたが、点滴終了直後には特段いつもと変わりはなかったのです。ところが、その夜から全身倦怠感、腹部不快感と手足の指先のしびれ感・知覚異常、テレビを観ていると左眼がチカチカし、すぐに疲れ、左耳にも痛みが現れ始め、土曜・日曜と日を追うごとに症状が強まっていきました。

日曜の夕方には、これまでに経験したことのないような倦怠感が襲ってきました。これは、てっきり亜ヒ酸の副作用に違いないと、明日予定の点滴治療を中止していただくように、主治医に朝一番に報告するように、担当の看護師さんにお願いしました。

翌日、主治医に、もう私の体力は限界で、亜ヒ酸療法には耐えられない旨、お伝えしました。

これまでから、私がこの治療にあまり積極的でないことはよくご存知でしたが、医師の立場からより完全な寛解を目指しておられることは私も十分に察しており、折り合いを見つけて治療を続けてきたのですが、今回の私の様子から、これ以上の治療継続は無理と判断していただきました。

治療終了の判断が出たときには、ヒ素の副作用に怯える緊張感から解放され、大粒の涙がどっと溢れ出てきました。

PCRで完全寛解の知らせが

早速、退院の日取りも9月18日(金)と決まりました。

手足の指先のしびれ感・知覚異常、左眼の羞明感、左耳の痛みはその後も変わりませんでした。左鎖骨下に埋め込まれていたポートも除去され、治療からの解放で全身倦怠感、腹部不快感は多少楽になった気がしていました。

退院前日の夜に、妻と娘の透子が、主治医から直接病状経過の説明を受けるためと退院準備に病室に来てくれました。私の顔を見るや否や、その顔なに?ヘルペスが出ている!と言いました。鏡で見ると確かに左の口角周囲から耳にかけて数個の発疹が出ていました。

間もなく、主治医が、検査データを携えて、良い知らせがありますと病室に来られました。ヒ素療法開始前に実施された2回目の骨髄のPCR検査結果ではまだ残存していましたが、今回のPCR検査では消失しており、「完全寛解です。」と告げられました。

家族はみんな喜んでくれましが、私は嬉しいというよりも、ホッとした気持ちでした。これで、大手を振って、退院できることになりました。

第6話 思わぬ災厄が待ち受けていた

18日の朝に、抗がん剤ヒ素療法から解放されて退院しました。猛暑はすでに峠を越えてはいましたが、まだ日中は30度以上の暑さが続いていました。

ヒ素の副作用とばかり思い込んでいた全身倦怠感、胃腸障害、味覚異常、食欲不振は、自宅に戻ってから日増しに強まり、ソファーに座っているのも辛くなり、ベッドに横たわる時間が長くなっていきました。

退院前日から、抗ヘルペスウイルス剤アメナリーフを処方していただき、服用していたのですが、左頭部から顔面にかけての疼痛、顔面の発疹は増え、腫れもひどくなり、退院4日目には38度以上になる発熱を認めるまでになりました。

退院後2週間を過ぎて、ようやくこれらの症状も軽減し始め、8キロ近く減少していた体重も1か月を過ぎて少しずつ戻り始めました。

入院中の全身倦怠感や食欲不振は、ヒ素のせいとばかり思い込んでいたのですが、どうやら、ヘルペスウイルスの影響であったように思えます。

ヒ素療法よりも、ヘルペスの方が遥かに強い症状ですが、ヘルペスにより私の身体の免疫力低下が実証され、程よくヒ素療法を終えることができたことは、神の思し召しと感謝しています。

第7話 体力が回復し、若返りました

今では、早足での散歩もできるようになり、住吉川まで行ってきました。筋肉は落ちましたが、体重が減ったおかげで、坂道が以前よりも楽に上れるようになりました。

M3型白血病細胞は、分化途上の異常細胞であることから、カロチノイドや亜ヒ酸による分化誘導、アポトシースが引き起こされやすいという特性があります。

アポトーシスとは、「細胞の自殺死」とも言われ、不要な細胞を間引き、大切な細胞だけを残す働きがあります。

カロチノイドと亜ヒ酸は、白血病細胞だけでなく、私の全身細胞をも分化誘導し、アポトシース作用を与え、私の古びた老化細胞をも除去してくれたようです。

腎機能は回復し、髪の毛や体毛に黒いものが増えた気がします。記憶力もアップしました。それまでなかなか暗唱できなかった般若心境の266文字の漢字が最近スラスラと言えるようになりました。

若返ったと、調子に乗り過ぎて、アクセルを踏みすぎると、必要な細胞のアポトーシスまで起こりかねません。要注意です。

高校時代の同級生からゴルフの誘いもありました。新型コロナに注意しながら、ぼちぼち活動を開始しようかと思っている昨今です。

最後に みなさんのお陰です

彼岸の一歩手前まで行っていた私ですが、現代医療のお陰で、また現世に戻ってくることができました。

的確で、素早い診断と治療を施して下さった医療スタッフの皆さんに心から感謝しています。妻からいつも指摘されているのですが、「上から目線の、嫌な元大学教授」風の物言いを、我慢して聞いていただいた主治医には本当にご迷惑をおかけしました。

挫けけそうになる私を、絶えず見守り、勇気付けてくれた妻や家族、新型コロナ流行で直にお会いできませんでしたがメールで励ましの便りをくれた友人・同僚の皆さん、ありがとうございました。

1日、1日を大切に、これからも書き続けたいと思っています。

皆様の今後益々のご健勝とご活躍を。

令和2年10月21日

中村 肇

オードリー・タンさんと自立共生社会

台湾では、デジタル担当閣僚オードリー・タンの卓越した能力により、新型コロナ流行当初にデジタルを活用し、マスク在庫状況をはじめ感染状況の可視化で、流行を最小限に抑えたとの報道に驚かされた方は多いと思います。

彼女が中学生の時に女性へのトランスジェンダーであること以外、あまりよく知りませんでした。最近、偶々テレビを観ていたら、オードリー・タン女史が落合陽一氏との対談番組(10月3日放映NHK)に出演しておられ、彼女のひとつひとつの言動が、新型コロナの流行と自らの病で落ち込んでいた私を、大いに勇気付けてくれました。

ポストコロナ社会についてはいろんな人が語っていますが、テレワークとデジタル化というだけで、一体どんな社会が待ち受けているのか、よくイメージできずにいました。ところが、19歳で渡米して、アップル社においてSiri開発の立役者であった彼女には、この2020年を境にどのような社会が待ち受けているのか明確にイメージできているようです。

そのキーワードは、Diversity & inclusion(多様性を取り込んだ社会)とConviviality(自立共生社会)のようです。これらは決して新しい考えではありませんが、彼女にはデジタル空間の無限の可能性により、これらの実現への道筋がイメージできているようです。

彼女はミレニアル世代のトップランナーです。

ミレニアル世代とは、1980年から1995年の間に生まれた世代と定義されています。2020年に25歳から40歳を迎える世代です。この世代がこうして括られるのは、その成長がデジタルの台頭とともにあったためです。この生まれながらにして、デジタル化という激動の中で育った彼女だからこそ、新しい時代を先導するエネルギーがあるようように思えてなりません。

Conviviality(自立共生社会)とは

タン女史が語るConviviality(自立共生社会)とは、今日のような産業社会における人間性の喪失について述べているイヴァン・イリッチ著の「Convivialityのための道具」という1973年に出版された本に由来するもののようです。行き過ぎた産業主義社会が、人々を単なるサービスの消費者にしてしまったことが問題であると指摘し、自立共生な社会のあり方が述べられています。

本書が刊行されたのは1973年です。我が国においても、戦後の高度経済成長により貧富の格差が拡大した時期であり、インターン闘争・大学医局ボイコットに始まり、全国的に広がった大学紛争の時代です。まさに産業中心主義に世の中が大きくシフトしていく時代でした。この書をいまミレニアル世代が手にして読んでいるという巡りあわせが私には驚きです。

個々人の尊厳をベースにした真の自立共生社会は、ユートピアの世界であると、私の世代は大学紛争後ずっと思い続けていましたが、彼女が言うようにデジタル社会の到来でそれも決して実現不可能な課題ではなさそうな気もしてきます。

彼女曰く、デジタルは無限の資源だそうです。 

彼女が目指している「自立共生社会」は、一地域、一国だけでなく、地球全体での共生社会です。彼女がすでに取り組んで、実現しているのが台湾での選挙制度です。より民主的な選挙を行うためには、有権者一人1票ではなく、99枚のカードが与えられ、1票につき1枚、2票には4枚、3票には9枚と票の倍数のカードを必要とするそうです(Quadratic Voting、倍数投票)。また、4年に一度の選挙ではなく、デジタルを活用すれば毎日でも国民投票が可能だと言います。

いま、米国で行われている大統領選挙の報道を見ていると、何だか滑稽です!

民主主義国家と言いながら、所得格差が拡大しているのは、選挙が終われば、一部の特権階級に有利なように政府が動いているからでしょう。多くの国が採用している間接選挙制度の根底からの見直しが必要な時代になっているようです。

真の民意が、政府の施策に反映されるような社会になるのが楽しみです。選挙制度改革は自立共生社会実現への第一歩でしょう。

2020-10-14

参考論文

イヴァン イリイチ( Ivan Illich)著, 渡辺 京二, 渡辺 梨佐 訳:コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫) (日本語) 文庫 – 2015/10/7

安田智博:産業社会におけるコンヴィヴィアリティのための道具の条件とは何か。Core Ethics Vol. 15: 175-184, 2019

Radical Democracy ― 革命的な民主主義を実現するためのQuadratic Votingについて https://alis.to/AB2/articles/aoNXAZLjkY0q 参照。Quadratic Votingがなぜ民主主義をアップデートできるのか。現状の民主主義の問題を理解するために、少し歴史を振り返りながらQVの有用性について説明されている。

国連が取り組むSDGsと共生社会 へ

モモと「時間どろぼう」

ドイツ人ミヒャエル・エンデ著の児童文学「モモ」は、誰からの話しかけにもたっぷりと時間をかけて応じてくれる少女モモと、「時は金なり」と絶えず素早く仕事するよう追い立てる「時間どろぼう」との話です。

高度成長期が終わり、格差社会が広がった1973年に書かれたもので、読まれた方も多いのではないかと思います。

いま、これまでなかった在宅勤務で、1日の時間の使いかたに戸惑っておられる方も多いと思います。

在宅勤務で時間的余裕ができた方は、これまで時間どろぼう(灰色の男たち)に、余った時間をそっくり持って行かれていたのを、モモがするようにゆっくりと時間をかけたライフ・スタイルに変えるなら、ポストコロナ社会が心豊かに過ごしやすいものとなるでしょう。

在宅勤務でストレスがたまった夫が、女性や子どもに対するDVが増えることのないように願っています。

休校中の子どもたちを健康に保つためのヒント from CDC

COVID-19から子どもを守る。CDCガイドライン 3月28日付

子どもは成人よりもCOVID-19の重症化リスクは高くないと言われてきましたが、子どもや若年者の重症例や死亡例が各国から報告されてきました。CDCは、 子どもをCOVID-19感染からまもる手順、及び、学校が休校のときの子どもの問題と対処法についてガイドラインを出しています。

1. 子どもを病気から守るための手順

  • 石鹸と水またはアルコールベースの手の消毒剤を使用して、頻繁に手をきれいにします。
  • 病気の人(咳やくしゃみ)を避けてください。
  • 家庭の共有エリア(例:テーブル、ハードバックの椅子、ドアノブ、ライトスイッチ、リモコン、ハンドル、机、トイレ、洗面台)のハイタッチ面を毎日清掃して、消毒します。
  • メーカーの指示に従って、必要に応じて洗えるぬいぐるみなどは洗濯。物品に適した最も暖かい水の温度設定をして、洗濯し、完全に乾燥させます。 病気の人の汚れた洗濯物と、他人の物と一緒に洗うことができます。

子どもは軽い症状を示すことがあります

COVID-19の症状は子どもも大人と似ています。 ただし、COVID-19が確認された子どもは、一般的に軽度の症状を示します。 子どもの報告されている症状には、発熱、鼻水、咳などの風邪のような症状が含まれます。 嘔吐や下痢も報告されています。 基礎疾患や特別なヘルスケアの必要性がある子どもといった一部の子どもが重症のリスクが高いかどうかはまだわかっていません。

子どもはフェイスマスクを着用する必要はありません。

お子様が健康であれば、フェイスマスクを着用する必要はありません。 マスクを着用するのは、病気の症状を持っている人、または病気の人をケアしている人だけです。

2. 学校が休校のとき ー 子どもとその友達

社会的相互作用を制限する:

COVID-19の拡散を遅らせる鍵は、接触をできるだけ制限することです。 学校が休んでいる間、子どもたちは他の世帯の子どもたちと遊び場を持つべきではありません。 子どもが自分の家の外で遊んでいる場合、自分の家にいない人なら、2メートル離れていることが重要です。

社会的距離をおく:

他の家族や友人と一緒の時には、他人との距離(社会的距離)をとるようにしてください。

頻繁に手をきれいにする:

せっけんと水で少なくとも20秒間頻繁に手を洗うなど、子どもが日常の予防行動を練習するようにします。 これは、公共の場所にいる場合は特に重要です。

春休みと旅行の計画を見直してください:

重要でない旅行が含まれている場合は、春休みと旅行の計画を修正します。

子どもが大きなグループで学校の外で会うと、誰もが危険にさらされる可能性があることを覚えておいてください。

子どものCOVID-19に関する情報は多少限られていますが、現在のデータでは、COVID-19の子どもには軽度の症状しかない可能性があります。 ただし、高齢者や深刻な基礎疾患を持つ人々など、リスクが高い他の人にこのウイルスを感染させることは可能性があります。

自宅で学習するためのスケジュールとルーチンを作成します。柔軟性を持たせて。

  • 月曜日から金曜日まで、就寝時刻を統一し、同じ時刻に起きます。
  • 学習の日、自由時間、健康的な食事とスナック、および身体活動を行うように。
  • スケジュールに柔軟性を持たせる。状況に応じて調整してもかまいません。

お子様の年齢グループに見合ったニーズと調整を考慮してください。

  • 在宅でのニーズは、未就学児、小学生、中学生、高校生で異なります。 在宅学習への期待と、在宅にどのように適応しているかについて、子どもと話し合いましょう。
  • 直接顔を合わせることなく、子どもが友達と連絡を取り合う方法を検討してください。

どうすれば楽しく学習できる?

  • パズル、絵画、描画、物作りなどの実践的な活動をする。
  • 独立した遊びは、構造化学習の代わりに用いることができます。 シートから砦を作るか、ブロックを積み重ねて数える練習をするように、子どもたちに勧めます。
  • 家族に手紙を書いて、手書きや文法を練習する。 これは、対面時間を減らして、連絡を取り合う優れた方法です。
  •  お子様と一緒に日記を作成します。当日の記録を作成し、共有した体験について話し合いましょう。
  • オーディオブックを使用するか、あなたの地域の図書館が仮想イベントやライブストリーミングの読書イベントをホストしているかどうかを確認してください。

学校給食サービス

休校中も食事サービスを継続する計画については、学校に確認してください。 多くの学校では、家族が食事を受け取ったり、中心的な場所で持ち帰り用の食事を提供したりできるように、学校施設を開いたままにしています。

3. 子どもを健康に保つ

病気の兆候がないか子どもを見守ってください。

  • COVID-19の症状と一致する病気の兆候、特に発熱、咳、または息切れが見られた場合は、医療提供者に連絡し、子どもをできるだけ家に置き、他の人から遠ざけてください。

子どものストレスの兆候に注意してください。

  • 注意が必要な一般的な変化として、過度の心配や悲しみ、不健康な食事や睡眠の習慣、注意や集中力の低下などがあります。
  • COVID-19の流行について、子どもや10代の若者と時間をかけて話し合いましょう。 子どもや10代の若者が理解できる方法で、COVID-19に関する質問に答え、事実を共有しましょう。
  • 詳細については、CDCの「子どもたちの緊急事態への対処」または「COVID-19について子どもたちと話す」を参照してください。

毎日の予防行動を教え、強化する。

  • 親や世話する人は、子どもに手を洗うように教える上で重要な役割を果たします。 手洗いは健康を維持し、ウイルスが他の人に広がるのを防ぐことができることを説明します。
  • 良い手本になる — 親が頻繁に手を洗うと、同じように洗う可能性が高くなります。
  • 家族で手洗いをする。

あなたの子どもが活動的でいるのを手伝ってください。

  • お子様に屋外で遊ぶように勧めましょう。身体的および精神的健康に最適です。 お子様と一緒に散歩したり、自転車に乗ったりしてください。
  • 室内での活動休憩(ストレッチ休憩、ダンス休憩など)を1日中行い、子どもが健康で集中力を維持できるようにします。

あなたの子どもが社会的につながりを保つのを助けます。

  • 電話やビデオチャットを介して友人や家族に連絡します。
  • 訪問できない家族にカードや手紙を書く。
  • 一部の学校や非営利団体の外部アイコン、Yale Center for Emotional Intelligenceの外部アイコンなどには、社会的および感情的な学習のためのリソースがあります。 学校に、子どもの社会的および感情的なニーズをサポートするのに役立つヒントとガイドラインがあるかどうかを確認しましょう。

4. 高齢者、親戚、深刻な基礎疾患を持つ人々との接触機会を制限する

高齢者や基礎疾患が深刻な人は、COVID-19で病気になるリスクが最も高いグループです。

  • 家庭内にCOVID-19による重症化リスクが特に高い人がいる場合には、子どもをそれらの人から引き離すための特別な予防策を検討してください。
  • 休校中に子どもと一緒に家にいることができない場合は、誰が育児を提供するのに最適な位置にいるかを慎重に検討してください。 COVID-19のリスクが高い人が世話をする場合(祖父母や慢性病の人などの高齢者)には、子どもとの接触機会を制限します。
  • 家族や祖父母に会うために、訪問や旅行を延期することを検討してください。 仮想的な対面、または手紙を書いてメールで送信します。