妻の機転とパトカーのお陰で命拾い

高齢者ドライバーによる車両暴走事故が、大きな社会問題となっています。
私は、一時運転を止めかけていたのですが、コロナ蔓延で外出が制限されるようになり、再びハンドルを握っていました。ただ、一旦停止などの軽微な違反を犯せば、注意力不足の証として、即返納の覚悟でした。

運転中に意識消失に

私は、長年にわたり降圧剤は服用しています。時々一時的な立ちくらみがありましたが、すぐに回復していたのであまり気にかけていませんでした。

9月3日、大学病院を受診した帰り道での出来事です。
妻を助手席に乗せ、山手幹線からトアロードを下ろうと、右折レーンに入ったところ、手前の信号が赤になったので、その場で停止したのは覚えています。
停止とともに、意識朦朧となったのだと思います。
前の信号が赤なのに、車がズルズルと動き出すので、異常に気づいた妻は、急いでハンドルを掴み、右に切り、対向車線を横切り、トアロードの路肩に寄せて、サイドブレーキを必死に引いて停止させてくれたそうです。

幸い、対向車線はまだ赤信号で、対向車線の車が停車中だったので、何とか車を動かすことができたそうです。もう一つ幸いしたのは、私の車の異様な動きに気づいたパトカーがどこからか現れ、停止するようにと拡声器で背後から命じてくれ、これが周囲の人たちへの注意喚起にもなったようです。

妻の機転とパトカーのお陰で大事故に至らず

本当に、妻の機転とパトカーのお陰で、大事故に至らなかったことに、感謝、感謝です。
車は、パトカーの警察官が運転して、隣の生田警察署の駐車場まで運び込んで頂き、後で、娘が取りに行ってくれました。当日は本降りの雨の中、本当にお世話になりました。

私は、すぐに妻に付き添われ、救急車で大学の救急外来に運び込まれ。到着した時には意識も回復しはじめており、脳・心臓の検査でも異常なく、事なきを得ました。一時的な低血圧によるショックだったようです。
様子観察のために一泊入院し、翌朝元気に退院させて頂きました。
早速、週明けを待って、免許証の自主返納の手続きを済ませました。

歩道にタクシー突っ込む事故報道が

昨夕(9月11日)のNHKテレビ・ニュースで、「歩道にタクシー突っ込む 1人死亡1人重体4人けが 東京・千代田区」という報道がありました。画面には個人タクシーの表示と大きく破損した真っ黒な車体が映し出されていました。きっと高齢の運転手であろう気がしました。案の定、64歳の男性です。

目撃者の話によると、赤信号で停止していたタクシーが、後ろの車のクラクションで急発進して、歩道に突っ込んだそうです。また、運転手が、停止中は頭を前屈して、じっと動かずにいたという証言もあるようです。

私も一歩間違えれば大惨事

このタクシー事故は、私の場合と極めてよく似ています。
事故になれば表に出ますが、私のようなニアミス例は事故件数の何十倍もあるのではと推測します。
高齢になると、脳血管障害や心血管系の障害を、大なり、小なり、併せ持っています。しかし、運転に及ぼすリスクを客観的に知ることは、ほぼ不可能に近いです。
最近の車には、いろいろと安全対策が施されていますが、街中での自動運転はすぐには実現されそうにありません。

私からの交通安全対策への提案

最近、眼球の動きによる居眠り警告装置が開発されていますが、その警報で本人が覚醒しなければ、事故防止に何の効果もありません。
今回の私自身やタクシー事故の意識消失や、居眠り運転に共通しているのは、その多くが赤信号での停止がらみで発生していることです。

私の提案は、赤信号での停止中からの発進時には、運転者が前方を注視しているのを自動的にモニターし、カメラが前方注視の確認をしなければ、車が動かないような安全設計を提案したいと思います。この安全装置が作動した時には、ハザードランプが自動点灯し、後方車両に異常を知らせれば、無用のクラクションもなくなります。

このニアミス自動登録するシステムの搭載を義務化します。一年に複数回にわたりニアミスを犯す運転者には、納得して免許返納していただけるのではないかと考えます。

2021-9-12