月は心を癒してくれる

今日は太陰太陽暦の8月15日。今夜の月、「中秋の名月」はよく晴れて、美しく輝くことでしょう。

秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。月が満ちた姿を模した丸い団子をお供えし、秋の豊作への祈りや感謝、その団子を食べることで健康と幸福が得られると考えられてきました。中国菓子で有名な月餅も、同様です。

太陽とは異なり、月は私たち人間の生活と大きな関わりをもっています。日本では今は太陽暦ですが、100年余り前までは太陰暦が用いられていました。バイオリズムには、月の満ち欠けが深く関わっている感じがします。

太陽に纏わる思い出はありませんが、月と結びついた思い出はたくさんあります。とりわけ、20年前に敦煌の鳴沙山(めいさざん)で見た中秋の月です。有名な観光地・月牙泉のそばにある砂山で、風が吹くと「砂が鳴く」ような音を出すことで知られています。その砂山は、東西の長さが約40km、南北の幅が約20kmの広大なクムタグ砂漠の一部です。満月を見ていると、広大な宇宙の中に吸い込まれそうな感じでした。

今夜も、Debussyの ピアノ曲Clair de lune(月の光)をiPadで聴きながら、床につきます。見え隠れする月明かりに照らされている気分となり、心が鎮まり、いつの間にか眠りにつくことができます。

鳴沙山

2023.9.29.