過去も、未来も身近な感じ

化石から明らかになってきた恐竜史を見ていると、あまりの壮大さに圧倒されます。近年は、出土した化石から、当時の生きた姿を再現するCG化技術が進歩し、広大な草原の中を巨大恐竜が群れをなし、時に恐竜同士の戦う姿を見ていると、とても2億年前という古い過去ではなく、何だかもっと身近な感じがします。

兵庫県は恐竜化石で一躍有名に

丹波市山南町上滝地域には、前期白亜紀(約1億5000万年前から約1億年前あたり)の地層である篠山層群が広がっており、当時の生物の巣穴などの化石(生痕化石)が見られる場所です。
2006年に、巨大恐竜発見の報がもたらされ、日本中の注目を集め、2014年には新属新種「タンバティタニス・アミキティアエ」(通称丹波竜)として記載されました。その後、化石発掘ブームが日本各地で続いています。

丹波竜化石工房HPより

恐竜たちの繁栄と絶滅

約46億年前に地球が誕生し、人類が誕生したのは、ほんの20万年前のことですが、恐竜は、2億3000万から6600万年前までの1億5千万年以上も生存し続けたそうです。
中生代ジュラ紀の2億3000万年前に、大気中の酸素が大幅に減少し、それまで陸上で繁栄していた哺乳類の祖先たちは大量絶滅しましたが、効率の良い呼吸のできる器官「気嚢」をもった爬虫類は生き残りました。
爬虫類の一種である恐竜は、当初小型のトカゲのような形態でしたが、進化を続け、最後には全長10メートルを超える超巨大恐竜として世界各地で生息、地球上の覇者となりました。しかし、6600万年前に巨大隕石の落下で大量絶滅しました。
同じ脊椎動物の四足動物の仲間であるトカゲ類、カメ類、ワニ類などの爬虫類が、環境の変化に順応し、現生しているのも、また驚きです。

写真説明:植物食巨大恐竜デイノケウルスの全身化石から推定されたCG写真。巨大な手と羽毛をもつ。モンゴル・ゴビ砂漠で発見された。NHKスペシャル恐竜超世界より。

2023.8.8.