「こども基本法」って、どんな法律?

いよいよこの4月から、子どもたちの権利を守るために「こども基本法」が誕生します。この法律が、どんな内容で、これから何が変わるのか、よくわからないという方が多いのではないでしょうか。
日本は1994年に、国際条約「子どもの権利条約」を批准しました。その条約には「生きる権利」、「育つ権利」、「守られる権利」、「参加する権利」という4つの子どもの権利が定められていまが、日本国内ではこの条約についての関心が低いままで、子どもは「子ども扱い」されたまま、「子どもが主役」にはなりづらい状況が長らく続いてきました。
子どもたちが直面している問題として、児童虐待・ヤングケアラー・子どもの貧困・いじめ・個性や多様性を踏みにじる校則・教育格差など無数にあります。
「こども基本法」は、子どもの視点に立って、きめ細やかで、切れ目のない支援を行い、子どもにやさしい社会を目指すための法律です。

2023.3.1.

兵庫県地域子育てネットワークだより4月号

 

また一歩、シンギュラリティに近づく

Goegle登場以来のビッグバン。
AIがさまざまな難問・愚問に人間語で答えてくれるChatGPT(チャットGPT)というAIによる文章作成ソフトが、ネット社会を席巻しています。検索ソフトを超える画期的なものとして、また一歩シンギュラリティに近づきました。

文章が簡単に書ける

大学生のレポート作成も、課題を入力すればAIが代わりに答えてくれるそうです。
このソフトの開発元は、文章を入力すると絵が描ける『DALL-E(ダリ)2』といったソフトも出している『OpenAI』というサンフランシスコのAI企業です。

私には無理なことがわかった

早速試してみようと思い、アクセスしたのですが中々うまく繋がりません。
ネットへの書き込みをみていると、「2023年2月現在において、日本語ページは存在せず、将来的に日本語の公式サイトを提供する予定はない。」とのことです。

マックを初めて手に入れた30歳代には、不完全な日本語のマニュアルだけで、英語版を必死に訳しながら、使い始めたことを思い出します。

この記事を書くのに、Siriさんのお世話にはなっていますが、今は、もうChatGPTの英語版を使いこなすパワーはありません。日本語版が出れば活用したく、我慢強く待つことにします。
2023.2.19.

小児科医と子どものアドボカシー

「子どもの権利」の保障を明記した「こども基本法」が新しく施行され、こども家庭庁が2023年4月に発足します。異次元の予算がつくそうですが、未だに、全貌が見えません。

医療的ケア児支援法が2021年3月に成立、昨年9月18日に施行されました。子ども・家族に具体的に反映されているのでしょうか? 法ができても、実践を伴わねば子どもたちへの真のアドボカシー(Advocacy, 擁護)とは言えません。

子どもの健康に与える社会的影響

我が国では、子ども政策といえば、まるで少子化対策のような取り上げられ方ですが、本来子どもの健康に影響を与える社会的影響に対して、より大きな注意が向けられるべきです。

子どもの貧困、ひとり親家庭、児童虐待、障害児医療などの要因は、学歴の低下、子どもの精神的健康、肥満につながり、医療政策と見なすことができます。これらの課題に小児科医が対応するには、小児科研修医時代から健康の社会的原動力に触れ、理解し、アドボカシー・スキルを開発することが求められます。

子どものアドボカシーと小児科医

子どもたちに代わって政策目標を前進させる役割を担っているのが小児科医、というDr. Shetal Shahの論文「Going Farther by Going Together: Collaboration as a Tool in Advocacy」(Pediatr Clin N Am, 2023)が最近発表されました。本論文のキーポイントとして、次の5つの項目が挙げられています。

  • アドボカシーは、健康の社会的決定要因を対象とした小児科ケアの重要な要素である。
  • 小児科医は、協力することにより、子どもたちに代わって政策目標を前進させることができる。
  • 主要な組織・パートナーと連携する。
  • 連携を成功させるには、作業を開始する前に、具体的な目的、役割、および責任を確立する必要がある。
  • 連携の構築を促進するには、年齢とアドボカシーに関する潜在的な協力体制を組織しておく。 

私が新生児学を志した動機

私が新生児医療に専念し始めた時に出会い、バイブルとして読み返した本が、当時の最先端の新生児医療の考え方や医療手技についての特集、「THE NEWBORN」(Pediatr Clin N Am, 1970)です。

その巻頭言の一節、「小児科の目標は、個々の子どもが成熟し、生産的で幸せな大人になる可能性の限界まで成長するのを助けることである。この目標は、新生児期に最も危険にさらされる。」に感動し、折に触れて引用させて頂きました。その内容には、最新の近代医療技術の大切さだけでなく、新生児のアドボカシーの考えが随所に含まれていました。

半世紀という歳月を経た今、期せずして同じ雑誌に小児のアドボカシーに関する論文が特集されていることに、その大切さを改めて痛感します。

小児科医が連携構築の核になれ

子どもの健康アドボカシーに不可欠なのが、健康への脅威を軽減する医師の行動です。さらに、個々の患者・子どもの健康アドボカシーには、臨床現場に限定されない仕事、とりわけ医師の専門的な仕事の旗印の下で行われる社会的・経済的・教育的、政治的な働きが求められています。

子どもたちを対象とした多くのコミュニティ・グループは、互いの提携を求めています。幸いなことに、小児科医は比較的尊敬されており、小児科医が中心となり、主要な組織・パートナーと連携・協力することにより、子どもたちに代わって政策目標を前進させる働きが期待されています。

2023.2.14.

小児科同門会誌投稿文

 

鶴は千年亀は万年、インドゾウは80年

日本人の平均寿命は男82歳、女87歳、しかも人口の30%が65歳以上の高齢者ということです。2050年にはその割合が40%近くにまで上昇するようです。

政権内部からのマイナリティーに対する否定的な言動が話題になっていますが、これが多くの政権担当者の本音なのでしょう。つぎに出てくるのが高齢者軽視の発言ではないかと勘ぐりたくなります。気分ばらしに、地球上の生物の寿命について調べてみました。

脊椎動物の寿命一覧

平成23年の理科年表に掲載されている脊椎動物の寿命一覧をみると、ほ乳類ではインドゾウの80年、ウマが62年です。鳥類ではコンドルの65年が最長です。爬虫類ではアオウミガメ37年、ガラガラヘビの30年です。最も長寿なのが魚類のチョウザメの152年、ついでウナギの88年です。

寿命が最長の古代魚チョウザメ

寿命が152年と最長のチョウザメは、卵巣卵の塩蔵品がキャビアとなる魚類です。サメという名がついているにもかかわらず、チョウザメ目チョウザメ科に属する硬骨魚であってサメ(軟骨魚)の仲間ではないそうです。

チョウザメは、この地球に2億5千年前のジュラ紀から生息するという世界最古にして世界最大の硬骨魚に分類され、古代魚の印として硬鱗(こうりん)と呼ばれる蝶に似た鱗がついており、これが、日本でチョウザメと言われる所以だそうです。

鶴は千年、亀は万年

鶴は千年亀は万年、「淮南子―説林訓」などにみる中国の伝説のことばとして 古くから長寿の象徴とされ、慶事には鶴亀にことよせて祝う習わしが今日まで続いてきました。

現在、最も長生きしているカメは、セーシェル諸島のバード島にすんでいる、「エスメラルダ」と名づけられた『アルダブラゾウガメ』です。
年齢は200歳以上と推定されており、これが確かであれば、現在生きている動物の中で、世界最長寿となります。一方、ツルの寿命は、野生のもので20~30年と言われており、鳥類の中でも特段長寿ではなさそうです。

2023.2.8.

VRを活用した障がいをもつ大学生へのキャリア支援

発達障害児へのVR (仮想空間) の活用について思いを巡らしていたところ、垂水区にある社会福祉法人SUISEIの取り組みを知り、早速お尋ねしました。そのうちの一つを紹介させていただきます。

神戸市内の大学の障がい学生支援に携わる教職員、及び大学で修学・就労支援を受けている障がいのある大学生が対象で、その内容は、会社紹介、事業紹介、障がいのある先輩方とフリートークの集まりです。

その特徴は、すべてネット上のVRで行われ、フリートークでは、聴覚障がい・精神障がい・発達障がいのある先輩方から自らの働き方やどのような仕事をされているのか、直接お話が聞けるということです。普段なら、なかなか聞けないようなお話を VRであるからこそ聞き出せるという大きなメリットがあるようです。

1月末の催しの案内を頂いたのですが、自らの都合により参加できず、次回は是非参加させていただきたく思っています。

2023.2.7.