医療者のバズワードに困惑する患者

最近、「バズる」という用語をよく耳にするので、何かと調べてみると、SNS上で一挙に話題が広まることを指し、若者たちの間では日常的に用いられているようです。

バズは英語の「buzz」に由来

英語の「buzz」は、元々、蜂や機械などの「ブンブン」や「ブーン」という音を表した語です。そこから、「buzz」は人のざわめきや噂話、口コミによる評判なども意味するようになったそうです。バズるは、この英語の「buzz」に「る」を付けて日本語化した語です。

「バズワード」とは

バズワード(Buzzword)とは、定義や意味が曖昧(あいまい)でわかりにくく、もったいぶった専門用語、宣伝文句、キャッチフレーズなどを指します。バズワードには「耳障りなことば」という意味も含まれています。
一般人には馴染みにくいコンピュータ用語として、「クラウド」「ユビキタス」など数多くのバズワードあり、「メタバース」は最近の代表例です。
「ダイバーシティー」という用語もそうです。時代を象徴するキーワードのようにみえて、人や用いる文脈により意味する内容がさまざまです。

医療分野にはバズワードが多い

医療分野には、医療者間でしか通じない専門用語が数多くあります。これも患者にとってはバズワード。医師が平易に話してくれると理解できることでも、専門用語ばかりで説明されると、患者は煙に巻かれてしまいます。
手術前のインホームド・コンセント(患者への説明と同意)は平易に書かれていますが、ぎっしりと小さな文字で書込まれた文書は、患者にじっくりと考える猶予を与えてくれません。

2022.11.14.

有馬瑞宝寺公園にて