有馬温泉の歴史

啓蟄まであと2週間足らず、まだまだ寒い日が続いていますが、春の訪れが待ち遠しい今日この頃です。

先日、コロナ禍の合間を縫って、有馬温泉に出かけ、かんぽの宿に泊まりました。客数は制限されており、平日でしたのでうまく予約が取れました。定年後の夫婦がほとんどで、のんびりとした湯治生活を送ってきました。自宅から車で30分足らず、これからも再三通うつもりです。

かんぽの宿には、建物の際から、愛宕山泉源が湧出しており、97℃という高温のお湯がかけ流し、建物全体が暖房されている感じの別世界です。

有馬温泉の歴史

有馬温泉の歴史は、遠く神代の時代、大己貴神(おおむなのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)が山峡有馬の里に静かに立ち上る湯煙を発見したのが始まりだと言われています。

有馬の湯が広く知られるようになったのは、奈良時代に温泉の医療効果を認めた僧行基が温泉寺を建立し、それを受けて鎌倉時代に僧仁西が、薬師如来の十二神将をかたどって、12の宿坊を開いたのがきっかけですが、さらに、繁栄をもたらしたのが豊臣秀吉。千利休をひきつれて、たびたび有馬の地を訪れ、茶会がもたれました。

有馬の湯には、いくつかの泉源があります。中でも天満宮の境内から絶え間なく湯けむりをあげる天神泉源、正装した女性が立つと嫉妬するという妬(うわなり)泉源では地球の鼓動のようなゴーゴーという音にしばしば立ちすくんでしまいます。

金泉の謂われ

含鉄強食塩泉は鉄分を多く混んでおり湧出期は透明ですが、空気に触れると酸化して赤くなります。この赤く濁った湯を金泉と地元ではいっています。代表的なものに極楽泉源、有明泉源、妬泉源、御所泉源、天神泉源、愛宕泉源などがあげられます。いずれも昭和20年代に深さ300m以内のところから湧出しており、泉温は90度以上と高温です。

泉質は、含鉄―ナトリウムー塩化物強塩高温泉で、高張性、中性、高温泉です。適応症は、神経痛、筋肉痛など各種効能が列記されています。

2022/2/21