人生の時間軸

最近、回想記を書き始めて気づいたのは、昔のできごとは細やかに記憶されており、時間の流れもゆったりとしていますが、中年以後のできごとはどうも時間軸が錯綜しています。

ある一定の期間内でのできごとは、履歴書を見ると何とか整理がつきますが、一番前後関係が判然としないのが、40代から50代の必死に過ごしていた時代です。

定年後には、我が子も成人しており、気持ちの上でのゆとりが生まれます。感動する機会は少なくなりますが、自分の我儘を通しながらの生活になると、記憶にはよく刻まれます。人生でのゴールデン・エポックです。

80歳を過ぎると、体力的に無理が利かず、行動範囲も狭まります。ゆっくりとした時間軸での生活にシフトダウンし、ICTを活用することで楽しんでいます。

2021.8.9.

人工知能(AI)は莫大なエネルギーを消費しています

自宅のパソコンやスマートフォンで、いろんな情報を検索し、アクセスできるのは、人工知能(AI)のお陰です。

現在のパソコンは一瞬のうちに答えを出してきてくれます。手のひらに乗せたゲームソフトで遊んでいても、ほとんど電力を使わず、タダ同然と勘違いしていませんか?

自分の手元での電力消費は確かに僅かでしょうが、どこか遥か離れたところに置かれたサーバーでは大きな電力が使われているのです。

ビットコインは途方もないエネルギーを消費している

ビットコインなどの暗号通貨が、世界中で注目されていますが、価格設定の基本となるマイニングには複雑な数式の計算が必要であり、高い演算能力をもつコンピューター機器を必要とし、途方もないエネルギーを消費するそうです。

現在ビットコインのネットワークに使用されている電力量は、年間1,420億kWh(キロワット時)に達しており、この数値はノルウエー国全体の消費電力量を上回り、世界の電力消費量の0.65%を占めているそうです。

国内のデータセンターの消費電力も増大傾向

2018 年のデータセンターの消費電力は、国内140億kWh(キロワット時)、世界で 1,900億kWh と推定されております(資料2) 。これは、日本全体の総電力消費量1兆kWhの約1.4%に相当します。

現在の計算負荷の増大傾向が、将来にわたって継続し、現在入手可能な最新機器を用いたと仮定すると、2030年には7倍の電力が必要となります。

Google は脱炭素化で事業を運営

Googleが、全世界で使用する電力量は2017年に76億kWh  (キロワット時)にのぼり、前年から20%以上も増加しており、今後も増え続けることは確実だと言われています。

Google は 2030 年までに、地域を問わず 24 時間 365日、カーボンフリー・エネルギーで事業を運営するという社告を出していますが・・・・。

「富岳」が使う電力量は、30メガワット時

「京」の100倍の性能を目指して作られた「富岳」は、省エネ性能を競うGreen500でも9位に付けています。

「富岳」の最大消費電力量は、1時間当たり3万kwhです。4人家族が1ヵ月に使う電力量は400kwhですから、これは1所帯の約6年分(75ヵ月分)に相当します。

AIを上手に活用しよう

AIが進化すれば、電気自動車が静かに走るスマートシティーができ、最新の電子通信機器を用いて、市民生活の無駄が省かれれば、エネルギー消費の減少に直結しそうですが、あまりAIに頼りすぎると、不必要な電力消費を招きそうです。

「脱炭素社会」+「省エネ社会」の実現」へ

世界各地から、異常気候による豪雨災害、高温化による被害が伝えられてきます。地球温暖化対策として、これまでの化石燃料から再生可能エネルギーの導入拡大に向けた国際的な「脱炭素社会の実現」への取り組みが行われています。

より問題なのは、不必要な電力を消費しないことです。SNSなどを通じて、情報が世界中に飛び交っています。ジェット機で移動することを考えれば、省エネにはなっていますが、再生可能エネルギーも有限です。

2021-7-23


資料1. 地球温暖化対策推進法が5月26日に成立

「2050年までの脱炭素社会の実現」を明記した改正地球温暖化対策推進法が5月26日に成立しました。再生可能エネルギーの導入拡大に向け、自治体が「促進区域」を設ける制度を創設し、温室効果ガスの削減とともに地域活性化にもつなげるように、脱炭素目標を法律に位置付けて官民が長期的に取り組み、投資を促す狙いもあるようです。(神戸新聞2021/5/26)

資料2. 情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響

国立研究開発法人科学技術振興機構低炭素社会戦略センターより 令和3年2月

2018年度提案書では情報化社会の進展に伴う世界の IP トラフィック(インターネット回線網)が 2030 年に現在の30倍以上、2050 年に4,000倍に達する予想を前提として、それに伴う膨大な消費電力増加の可能性を指摘した。

本提案書では、データセンターの消費電力について、その構成機器に着目してどのような設備・機器が、どの程度消費電力の増大に寄与しているかを検討した。

また、トラフィックの増加と計算負荷が関連する業務をベース業務とし、近年比重を増しているディープラーニングなど、トラフィック量とは直接関連しないと思われる業務をAI業務とし分けて検討した。

その結果、2018 年のデータセンターの消費電力は国内14TWh、世界が 190TWh と推定された。さらに、現在の計算負荷の増大傾向が将来にわたって継続し、現在入手可能な最新機器を用いたと仮定したときの(将来の技術進歩は織り込まない)消費電力は、国内が 90 TWh(2030)、12,000 TWh (2050)、世界が3,000 TWh (2030)、500,000 TWh (2050)と推定された。    データセンター消費電力の50%をサーバが、25~30%を電源と冷却系が、次いでストレージが10%程度を占める。特にサーバは将来的にはデータセンター消費電力の60 ~ 80%を占めると推定され、この消費電力の低減が最も重要である。消費電力低減効果が大きいデバイスは CPU、GPUであり、消費電力性能(Gflops /W)として2030年に現在の3~10倍程度、2050年には1,000 倍程度が目標となる。またメモリ、電源、ストレージも 2030年に1/10、2050年に1/1,000 程度への消費電力低減が目標となる。

資料3. Google は脱炭素化で事業を運営

Googleが、全世界で使用する電力量は2017年に76億kWh(キロワット時)にのぼり、前年から20%以上も増加しています。今後も増え続けることは確実です。

気候変動の抑制が求められる中で、電力使用量の増加を可能な限り抑えるとともに、CO2(二酸化炭素)を排出しない自然エネルギーの電力に切り替えることが、Google の事業を持続可能なものにするうえで重要な取り組みになっています。 (自然エネルギー団 Renewable Energy Institute, 2019)

Google は 2030 年までに電力供給を完全に脱炭素化し、地域を問わず 24 時間 365日、カーボンフリー・エネルギーで事業を運営するという新たな道を切り開こうとしているという記事も出しています。(Google 社HPより、https://sustainability.google/intl/ja/progress/energy/)

資料4. ビットコインは途方もないエネルギーを消費している

ビットコインなどの暗号通貨が、世界中で注目されていますが、価格設定の基本となるマイニングには複雑な数式の計算が必要であり、高い演算能力をもつコンピューター機器を必要とし、途方もないエネルギーを消費するそうです。

現在ビットコインのネットワークに使用されている電力量は、年間142テラワットアワー(TWh)であり、この数値はノルウエー国全体の消費電力量を上回り、世界の電力消費量の0.65%を占めています。(Forbes Japan, テクノロジー 2021/05/12より)

資料5. 「富岳」が使う電力量は、30メガワット時

「京」の100倍の性能を目指して作られた「富岳」は、省エネ性能を競うGreen500でも9位に付けています。

「富岳」の最大消費電力量は、1時間で30メガワット時です。4人家族が1ヵ月に使う電力量は400キロワット時ですから、これは約6年分(75ヵ月分)に相当します。

富岳と同じ技術で一段上のエクサ・スケールのスパコンを作るとすれば、その消費電力は200メガ・ワットが必要です。

ちなみに1メガ・ワットの電力消費量をお金に換算すると年間に約1億円になるそうです。つまり200メガワットのスパコンは年間に約200億円の電気料金を必要とします。


 

八〇歳を過ぎると、時の流れが加速

八〇歳を過ぎると、時の流れが加速した気がします。

むかし、ある会合で恩師の眼科学の井街名誉教授と同席させて頂きました。井街先生が80歳過ぎ、私は教授になりたての50歳前後のことだったと思います。

「最近は時間が経つのが早い、あっという間に1年が過ぎ去っていく」と、現役教授仲間で話し会っていると、突然に「君たちは1年かもしれないが、私には1分が早くなった」と話されていたのを思い出します。

昨今は、情報科学技術の進化により、世の中が加速度的に変化しているといわれますが、今の自分の周りで見られる変化の速さが、万人共通か、年齢的なものかよくわかりません。

80歳を過ぎると、いろんな所作が緩慢になり、また持久力も落ちたことを自覚します。ある事をやり遂げるには、若い頃に比べると、数倍の時間を要します。

何もできてないのに、一日が経ってしまう。この事実が、高齢者にとっては、時間が加速度的に過ぎ去っていく感じにさせているようです。

もし、高齢者が、時間を大切にしようと考え、焦って仕事をするならば、時計の針が回るスピードを遅らせても、きっと身体のあちらこちらが悲鳴をあげて、時計の針は止まってしまうでしょう。

2021.07.15

老人のつぶやき 目次

2021

加齢と相対性理論 2021.8.16 new
人生の時間軸 2021.8.9 new
きょう広島原爆の日 投下から76年     08.06    new
いよいよ明日からオリンピック     07.22    new
八〇歳を過ぎると、時の流れが加速       07.15    new
高齢者にやさしい日本の若者たち  07.06   new
ワクチン接種でホッと一息    06.29
渋沢栄一と「論語と算盤」 05.10
2030年:全てが「加速」する世界に備え 3.31
お彼岸に百人一首 03.29
私がみた奇妙な夢の話 02.18
新型コロナ禍での老人と若者たち02.13
新型コロナ長期戦に備えて 01.21
私のお正月2021 01.01

2020

「不要不急」と言われると・・・ 10.31

渋沢栄一と「論語と算盤」

2021-5-10

渋沢栄一は、「論語」に象徴される道徳や公益性を追求しながら、「算盤」に象徴される実業やビジネスに遭遇する人生に全うしました(1840-1931)。渋沢自身は、経済発展が必要と考え、実業をもってそれを支えました。

『論語』で一生を貫くとは

宋王朝の名臣・趙普が、「「論語」の半分を使って自分が仕えている皇帝を助け、残り半分を使って自分の身を修める」を引用しながら、

「私は『論語』で一生を貫いてみせる。金銭を取り扱うことがなぜ賤しいのだ。君のように金銭を賎んでいては、国家は立ち行かない。民間より官の方が貴いとか、爵位が高いといったことは、実はそんなに尊いことではない。人間が勤めるべき尊い仕事はいたるところにある。官だけが尊いわけではない。」と渋沢は述べています。

商業道徳と信用

経済ですから、競争も当然発生しますが、そこに騙す、邪魔をする、貶めるといった悪意の競争は一切排除し、正当な競争のみに励むことが、商業道徳であるとも言っています。

欧米人から見れば、「当時の日本人は約束を守らない」と映っていたようです。その理由は、日本人は、組織の意向に忠実で、自分個人の発言を悪びれずに撤回する習性があったようです。渋沢栄一は、経済を回すには、信用を得る大切さを強調しています。

渋沢栄一曰く、

  • 方針を決める際には、まず道理にかなうかを考える。
  • 次に、その道理に従えば国や社会の利益になるかを考える。
  • そして最後に、自分のことを考える。この順番を徹底していたようです。

現代における経済至上主義と地球環境の破壊

私自身、小児科医の道を歩み始めた時には、「医は仁術なり」の時代であり、学問の自由・大学の自治は不可侵の領域でした。高度経済成長、また経済のグローバル化とともに、経済至上主義へとシフトしました。「医は算術」となり、医学研究の評価も経済的効果、費用対効果が基本尺度となりました。

私たち世代がおかしてきた重大な間違いは、自らの行動評価判定を現代にのみ向けており、未来への配慮に欠けていた点です。そのつけが地球環境の破壊です。

岡本ばら園 2021-5-3

 

2030年:全てが「加速」する世界に備える

「2030年:全てが「加速」する世界に備えよ」という非常にセンセーショナルなタイトルの本が、2020年末にニュースピックス社から出版されました。

著者のP.デイアマンデスは

XプライスCEOであり、シンギュラリティ大学の創始者です。1961年生まれ。宇宙開発企業スペースXの創設者であり、電気自動車企業テスラの共同創設者であるイーロン・マスクの盟友とも言われています。

本書の内容は、量子コンピューター、人工知能(AI)、ロボティクス、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、材料科学、ネットワーク、センサー、3Dプリンティング、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、ブロックチェーンなどの最新の開発状況を紹介しながら、10年後の世界を予測しています。

すでに日本の街中でも、試験的に自動運転の電気自動車が走行する時代となっています。2030年には、空飛ぶ車やイーロンマスクが考える「ハーパーループ」。磁気浮上技術を用いて筒状の真空チューブ内で、乗客を乗せた「車両」が最大時速1,200キロで走行する高速交通ネットワークがカリフォルニアで計画されています。惑星への移住も夢の話ではなくなってきたようです。

Expotential Technology and Convergence

テクノロジーの進歩は、これまでからエクスポテンシャル(指数関数的)な成長を遂げきたのを我々は目にしてきました。いま世界では、すでに開発されたテクノロジーのコンバージェンス(統合)が進んでおり、これまでSFの世界と考えられていたことが現実となりそうです。

エクスポテンシャルなテクノロジーは、製品・サービス・市場を破壊するだけでなく、コンバージェンスが起こると、まさに「破壊的イノベーション」となり、これまでとは全く違った社会となります。医療や教育も大きく変化しています。

馬が荷車をひいてた時代から自動運転車の時代に

戦後、私が小学生の時代には、馬が荷車をひいており、道には大きな馬糞を撒き散らしていました。あと10年なんとか生き延びて、このワクワクするような夢の世界が現実の世界となっているのを見届けたいものです。自動運転車が普及し、高齢者が気兼ねなく自由に車を乗り回せる日常生活が待ち遠しものです。

The future is faster than you think:How converging technologies are transforming business, industries, and our lives. By Peter H. Diamandis & Steven Kotler2021-3-31フルーツフラワーパークにて


参考資料:

シンギュラリティ(Singularity)とは、

英語で「特異点」の意味で、人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点を言い、未来予測の概念です。人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイルは、2045年に人間の脳とAIの能力が逆転するシンギュラリティに到達すると予測しています。

AR (Augmented Reality) とVR (Virtual Reality)

ARは、一般的に「拡張現実」と訳されおり、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する技法で、スマホ用ゲーム「ポケモンGO」がその例です。未来にはARコンタクトレンズもできるそうです。VRは、クローズドな視界の中に、あたかも現実かのようなリアリティを高めた視覚映像を投影する「仮想現実」です。

ライドシェアとカーシェアリングとの違い

カーシェアリングが車の貸出を目的に「ドライバー」と「車」をマッチングさせるのに対して、ライドシェアではアプリ上で「ドライバー」と「同じ目的地に移動したい人」をつなぎ、相乗りでのドライブを支援するシステムです。

ドライバーと同乗者をマッチングさせるプラットフォーム企業としては、デリバリーでおなじみのUberが世界で800以上の都市に進出するなど躍進し、中国の滴滴出行(ディディ チューシン)などのライバル企業と各地でしのぎを削っています。こうした普及の背景には、スマホによる正確な需給マッチング、運転者と同乗者が相互評価するシステムへの安心感、乗車前にアプリで行き先や所要時間・料金を共有できる利便性の高さなどがあると考えられます。

日本では、一般人が自家用車を用いて有償で他人を運送することは、いわゆる「白タク」行為にあたり、海外のようにドライバーが運賃を受け取れるタイプのライドシェアは法律で禁止されているため、一部の地域を除いて認められていないのが現状です。

お彼岸に百人一首

1年半ぶりに、春のお彼岸の中日である春分の日に、家族揃ってお墓まいりに行ってきました。浄土宗では、春分・秋分の日とその前後3日間を「お彼岸」を意義付け、浄土にいるご先祖のみ霊(たま)を供養する期間とされています。

もともと「彼岸」とは、私たちのいる生死が繰り返され苦しみの多い “この岸 (此岸=しがん)” から、仏の世界である “かの岸 (彼岸=ひがん)” の極楽浄土に到ることをいいます。

孫たちと一緒に、こうして墓前で、ご先祖さまに手を合わせていると、昨年の大病を思い出し、私自身が仏として孫たちに手を合わせてもらっていたかと思うと何だか複雑な思いがします。

新型コロナの非常事態宣言で、孫たちが我が家に集まる機会が久しくなかったのですが、ようやく宣言も解除され、お墓詣りの帰りに、我が家に立ち寄ってくれました。

小学4年生の孫は、4歳上の中学生の双子姉妹に百人一首で挑戦する正月以来の念願が実現しました。私は、読み手となり、上の句を読み始めるや否や、激しくカルタを跳ねる音が響く、レベルの高い戦いです。私が一枚一枚の札への思いに耽っていると、急かされる始末です。本当に久しぶりに楽しい時間を過ごすことができました。

2021−3−21

 

新型コロナ禍での老人と若者たち

2021-2-13

第3波の新型コロナ流行は、1月7日に非常事態宣言が発令され、見事に感染が抑圧されたようです。しかし、外出自粛を求められ、その非日常的な生活に、老いにも若きにもフラストレーションが溜まっています。

65歳以上の高齢者が新型コロナ死亡者の96%を占めています。高齢者にとっての外出自粛は、自らの命を守るためですが、20代の若者は、たとえ感染しても先ず死亡に至ることはなく、自分の家族や周りの老人を守るためだけに気をつけてくれています。

日本の若者たちは老人おもい

外国に目を向けると、人口1千万人の国、スウェーデンは、積極的な感染防止策をとらなかった国として注目されています。パンデミック以降の感染者数59万人、死者1万2千人が報告されています。人口当たりにして日本と比較すると、感染者数は15倍、死者数は20倍にまで上っています。1日の新規感染者数はいまだに4千人を超えているようです。それでも、スエーデンの若者たちは、混雑したショッピングモールで買い物をし、バーで互いに密接した中で過ごしているそうです。

コロナ禍では、社会的分断が顕在化し、米国をはじめ、ヨーロッパの各地、ミャンマーなど、世界各地で暴動が頻発しています。その点、日本の若者たちは、素直な、老人思いのいい人たちです。

若者に迷惑をかけない老人に

若者にひき換え、破廉恥なのは日本の老人のようです。コロナ禍でもオリンピックを開催したい、「老害」「老害」と言われたくないなどと、喚き立てているのです。老人には、もうこれが日本での最後のオリンピックになるでしょうから。

私も81歳、紛れもなく老人の部類です。妻からは、いつも「老害」「老害」と言われないようにと諭されています。出しゃ張りたくなる気持ちを抑えるのに必死です。

昔のように世の中がゆっくりと流れていたときには、年長者の経験が若者の役に立ったでしょうが、今のように移り変わりの激しい時代には、経験が役立つことはほとんどありません。孫たち世代からスマホの使い方を教えてもらい、絶えずみんなが横一線のスタートです。

老人は、みんな拘りを持って生活してきました。若者には少し面倒と感じる仕事でも、新しいツールを老人に与えるなら、きっと若者の助けになることができそうです。もっとも、瞬発力も、持続力も若者に劣りはするでしょうが・・・

今回の新型コロナのパンデミックは、人類への大きな試練ですが、迅速なワクチン開発で何とか大半の高齢者は乗り越えられそうです。とは言え、近い将来、地震や津波、風水害や熱暑・干ばつなど、次々と新たな試練が待っていそうです。

今や、平均寿命は男性81.4歳、女性87. 5歳となっています。65歳以上の高齢者人口が全人口の28%を占めており、0歳から29歳までの若年者人口よりもその数が多いのです。これからは、老人が若者に甘えておれない時代となりそうです。

 

随想集 2020

随想集 2021