Z世代に未来を託しては

Z世代はデジタル・ネイティブな世代

Z世代は、生まれながらにインターネットやパソコン・スマートフォンに囲まれている環境が当たり前のデジタルネイティブな世代です。YouTubeやSNSといったインターネットを介した情報収集、コミュニケーションに時間を割いている人が多く、その反面、TVの視聴時間は短いものとなっています。
Z世代は、明確に定義されているわけではなく、1995年から2012年頃までに生まれた世代を指すことが一般的です。

コスパよりもタイパのZ世代

Z世代は、コスパ(コスト・パフォーマンス)よりもタイパ(タイム・パフォーマンス)を選ぶ傾向にあります。この世代は、SNS用に簡略化された表現を用い、映画も倍速にして観るそうです。
限られた時間の中でどれだけ効率的に情報を取得するか、どれだけ満足感が得られたか、といった時間における成果に価値を見出しているそうです。彼らの会話を傍らで聞いていると、彼らが何の話をしているのか皆目見当がつきません。

Z世代が教え、Z世代が学ぶ学校現場では

コロナの流行で、リモート授業が増え、学校現場でのIT化が一気に進みました。小6の孫娘は、私よりはるかに器用にスマホを使いこなし、何の抵抗感もなく学校から配布されたパソコンで、宿題に取り組んでいます。
困っているのは若い担任の先生だと言います。Z世代であるにも関わらず、上からのお仕着せの時代遅れの教育法との板挟みにあっていると、生徒たちは冷ややかにみているようです。

Z世代が社会を動かす時代に

AI化が進んだ囲碁・将棋界では、仲邑菫(なかむら すみれ)さん、藤井聡太さんのような若者が活躍する時代です。
本年4月から施行されるこども基本法では、「全てのこどもについて、年齢及び発達の程度に応じ、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会・多様な社会的活動に参画する機会が確保されること」となっています。
今回の国会論議を聞いていると、その主役である子どもの意見が全く反映されておらず、岸田政権の「異次元」の子育て支援という曖昧な発言を聞いた途端に失望しました。
衆議院議員は満25歳以上、参議院議員は満30歳以上であるという縛りを削除し、18歳以上の若者が参加できるようにするのが、日本を活気ある国家にする最も効果的な策であるような気がします。

2023.3.2.

七草粥の由来と春の七草

1月7日の朝、七草粥を食べられましたか。そもそも、なぜ七草粥を食べるのでしょうか?
唐の時代、毎年この日に、7種類の若菜を入れた汁物を食べて、無病息災を願うようになったのが始まりです。

この風習は、奈良時代に日本へ伝わり、年のはじめに若菜を摘んで食べ、生命力をいただく「若草摘み」の風習が、7種類の穀物でお粥を作る「七種粥」の風習などと結びつき、「七草粥」に変化していきました。
江戸時代には、1月7日は五節句のひとつ、「人日(じんじつ)の節句」として定着したそうです。

春の七草、「せり・なずな/ごぎょう・はこべら/ほとけのざ/すずな・すずしろ/春の七草」は、五七五七七のリズムに合わせて口ずさむと、覚えやすいはずですが、私はどうしても覚えることができず、メモ書きを持って母のお使いに行ったのを思い出します。
今では、パック詰めした七草がスーパーの店頭に並んでおり、随分と楽な時代になったものです。

2023.1.8. 県子育て支援

新時代はこの未来だ

十代、二十代の若者たちに人気のAdoの曲、「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」というポップミュージックがレコード大賞優秀作品賞に選ばれ、また年末の紅白でも歌われました。
ポップ・ミュージックには若い頃から関心のなかった私ですが、この曲を年末に初めて耳にし、そのリズムに今までにない強い衝動を覚えました。
テンポが速く、なかなか歌詞が聞き取れないので、ネット検索してみると、「メタモルフォーゼ」という単語を見出しました。

「新時代」の歌詞

新時代はこの未来だ
世界中全部変えてしまえば変えてしまえば
ジャマモノやなものなんて消して
この世とメタモルフォーゼしようぜ
ミュージックキミが起こすマジック
・・・・・・・・

この歌詞の中に出てくるメタモルフォーゼ(変態)という言葉から、四半世紀前に私自身が学生講義に使っていた一枚のスライド「文明のMetamorphosis」を思い出しました。

サナギからチョウになる変態プロセス

チョウは、サナギの中で幼虫の体の組織が少しずつ変化して、空を飛ぶ美しい成虫に変身します。サナギは成長するのではなく,自らの形態と行動様式を変える変態を行っているのです。われわれ哺乳動物は、個体としてこのような変態プロセスを持ち合わせていません。

人間社会のメタモルフォーシス ゆらぎ社会

戦後の高度成長期の人間社会は, 蝶の変態にたとえていえば、卵から孵化した青虫がどんどん成長してサナギになるまでの過程でした。ところが、ある段階まで成長すると、サナギのように、外目にはじっとして動かなくなったのです。
この変態期には、古い体質と新しい体質が同居して、それまでの発想では収まり切らないものが多発し、「ゆらぎ社会」となったのです。

若者たちが感じている現代社会

最近よく用いられる言葉に,「個性化」や「多様化」があります。これらは一見, 分かったようで、その実よく分からない言葉です。不登校の問題も、児童に問題があるのではなく、昔ながらの教育方法に問題が潜んでおり、子供たちが学校に行きたがらない気持ちが私にはよく理解できます。

昔のような画一的、均質的な標準モデルが当てはまらない社会になっていることだけは確かであり、「新時代」の歌詞から彼らの未来への期待がよく伝わってきます。

Metamorphose は動詞、Metamorphosis は名詞。

2023.1.3.

子どもが幸せを運んでくる

「こども家庭庁」が、来年年4月に設置されるそうです。これまでの女性が働きやすい保育園づくりではなく、子どもたちが幸せに過ごせる社会が期待されます。

若い夫婦にとって、子どもを産み、育てることが無上の楽しみであることは、今も昔も変わりなさそうです。我が子の手を引くご夫婦やボール蹴りの相手をするお父さんを公園で見ていると、こちらまで幸せになります。

それを阻んでいるのは、子育ての経済的負担が、若い親たちに余りにも大きいことです。

子育ては、貧困対策の福祉でなく、経済的格差をつけずに、子どもたちが平等に育まれていく社会づくりです。国民全体が一丸となって子育てを楽しめる世の中づくりが大切です。

子どもが幸せを運んでくることを子育ての経験のない若者たちに伝えたいと思います。

子どもたち、バンザイ!

台風一過、自宅近くの幼稚園や公園から、子どもたちが思い思いに発する甲高い声は、明るい未来を感じさせてくれます。

2022.10.2.改変
2022.9.23.

きかんしゃトーマス

私が、「きかんしゃトーマス」に関心を持ち始めたのは、自閉症の幼稚園児が外来にある模型を見つけ、長時間食い入るように見続けていたからです。一般的に、自閉症児は車のタイヤなど丸く、廻るものが大好きです。車の横に屈み込み、じっとタイヤを見つめています。

丹波市にある植野記念美術館で、世界中の子どもたちに愛されている「きかんしゃトーマス」の原作の出版75 周年を記念した、きかんしゃトーマス展が開催されていると知り、観に行ってきました。

日本初公開となる作品を含む約180 点以上におよぶ絵本挿絵原画、オードリー牧師による手書き原稿など、多くの貴重な作品が展示されていました。

原作者のウィルバート・オードリー牧師は幼い頃、家の近にあるトンネルから出てくる列車を眺めるのが大好きだったそうです。お父さんになったオードリー牧師は、病にかかった息子を元気づけようと、擬人化された機関車のお話を、語り聞かせます。これが「きかんしゃトーマス」の始まりです。
その後、26 冊の絵本が出版され、模型を使った実写アニメーションが放送されるなど、トーマスシリーズは大人気になりました。現在でもCG アニメが放映されています。

トーマスの物語には、擬人化された列車に、「正直さ」や「仲間への思いやり」そして「努力」の大切さといった、子どもに伝えたいメッセージが込められており、世界中の子どもから大人まで幅広い世代が共感できるものです。2022.7.21.

スズメバチに刺されないように

もうすぐ夏休みです。涼を求めて六甲山に家族で登る計画を立てておられる方も多いかと思います。山登りにおいて、最も出会う確率が高い危険な生きものがスズメバチです。スズメバチは、ハチの中でも比較的大きく、かつ攻撃的で、猛毒を持っています。

スズメバチが襲うのは

スズメバチは、木の洞や土の中、建物の軒下などに巣を作ります。中でも、土の中に巣を作るオオスズメバチは、最も危険で、絶対に近づかないことです。ハイキングコースの近くに巣を作ることが多々ありますので、注意が必要です。

スズメバチが攻撃してくるのは、自分たちの巣を守るためで、何もしなければ襲ってくることはありません。つい手で払ってしまったり、あるいは気づかずに巣に近づいてしまった場合など、ハチを警戒させてしまったときは、姿勢を低くして、ゆっくりとその場を離れてください。決してそれ以上ハチを刺激しないようにしてください。

ただし、一度でも刺されてしまうと、毒液の匂いによって他のハチまで攻撃的になり、集団で攻撃してくる危険性が高くなります。その時は、走ってでも速やかにその場から離れることです。

スズメバチに刺されてしまったときは

まず刺された場所から離れ、水で傷口を洗い流しましょう。手で毒液を搾り出すようにすれば、毒を薄める効果が期待できます。口で吸い出さないように。

もし、刺された後に全身の震えや発疹、吐き気、嘔吐、めまいなど、アナフィラキシー・ショックの症状が出たときは非常に危険です。これらの症状は刺されてから30~60分以内に出ることが大半です。症状が出たときは、一刻も早く救助を要請しましょう。

ハチ毒によるアレルギー反応

スズメバチによる死亡は、毒の直接作用によるものは極めて稀で、ほとんどがハチ毒によるアレルギー反応(アナフィラキシー・ショック)によるとされています。その危険性は、子どもよりもお父さんの方が大です。
死亡例は50歳以上で、若年者の死亡例は全くみられないと言われています。その理由として、若年者は刺された累積回数が少なく、アレルギー抗体の産生が不十分で、免疫反応が起こり難いため、アナフィラキシー・ショックに至りにくいと推測されています。
2022.7.20.

参考:神戸市HP、「六甲山に登る皆さまへ」という、登山者への注意事項の一つとして、スズメバチへの対処方法等が詳しく記載されています。

マスク越しでも、よく笑う赤ちゃん

マスク姿が日常化した今日この頃です。マスクを外した顔を知らない赤ちゃんがどのように発達するかと、案ずる向きもあります。

昼前の電車で、ベビーカーに乗せられ、ぐずって泣き出した6ヶ月前後の赤ちゃんに出会いました。お母さんは、泣き止まそうと、手を握ったり、振ったりしますが、泣きやみません。ベビーカーに備え付けのおもちゃを握らせようとしますが、はね除けてしまいます。

私がじっと、赤ちゃんを見つめていたところ、偶々赤ちゃんと目が合いました。母親の視界から外れた位置にいる私は、少し大げさにマスク越しに目だけで話しかけると、赤ちゃんは私に興味を持ち始めました。

もうしめしめです。目で大げさに笑い掛けると、赤ちゃんも反応して笑い返してきます。気付かぬお母さんは、相変わらず赤ちゃんの後方からあやし続けており、赤ちゃんがなぜ泣き止んだか分かっていません。

私は、エレベーターで赤ちゃんに出会うと、お母さんの背後から語り合うのが昔から大好きです。至近距離ですからよく反応してくれます。家内からは、今に訴えられると注意されるのですが、止められません。

今回わかったのは、マスク越しでも、目だけで十分に赤ちゃんとコミュニケーションがとれることです。

お母さん方、赤ちゃんには、マスク越しであっても、正面から、しっかり目を見て、語りかけて下さい。
2022.7.14.

2021年の出生数が81万人と過去最低に

2021年の出生数が81万人に減少というニュースがありました。今更驚くことはありませんが、100万人を下回ったのが2016年であり、その速さは想定以上のものです。合計特殊出生率も1.30と6年連続で低下し続けているそうです。晩婚化が進み、初産年齢は30.9歳と過去最高、50歳時の未婚割合は、男性が約28%で、女性が約18%となっています。

政治家のコメントはいつも、日本経済を支えるための少子化対策です。今回も、同じです。何か視点がずれていますよね。若者が安心して子供を産める社会、経済的に安心して生活できる養育費を国家が保障することにつきるのに。

政府は、「こども家庭庁」を令和5年度のできるかぎり早い時期に創設する意向だそうですが、その中身はこれから考えるそうです。

政府は「女性の経済的自立を新しい資本主義の中核と位置づけ、女性の所得向上につながる施策を強力に進める」との報道がありました。また、女性活躍推進策(女性版骨太の方針)として、離婚の増加や女性の長寿を念頭に「結婚すれば生涯、経済的安定が約束されるという『永久就職』は過去のもの」とし、昭和からの脱却を目指すそうです。

これからキャリアーを目指そうとする若い女性には、響きの良い言葉かもしれませんが、落とし穴もあります。ちょうどバブル崩壊後に、若者の新しい働き方として、フリーターがもてはやされた時代を思い出します。爾来、多くの職場で非正規労働者が多くを占めるようになったのです。

GDPが低迷する中で、女性の給料が上がっても、男性の給料が下がれば、若い世帯の収入は不変です。両親ともに家庭にいなくなる時間が増えるだけです。もう親が子育てする時代が終わりを告げようとしているのかもしれません。

今や就労の有無にかかわらず、母親一人での子育ては無理です。

これからの子どもたちを守るためには、保育師を高給、かつ定数の倍増です。学校の教師も。保育師や教師が目一杯働くと、しわ寄せは必ず子どもたちにきます。保育師や教師が、聖職者として、日本の将来を左右するカギを握っているようです。

夢として、幼少期には自然豊かな環境で過ごしたいものです。林立するマンションの鉄の扉で遮られた部屋での育児なんて、親も・子も狂いますよね。

2022.6.5.

さあ、新しい友達を作ろう

ユニセフ(国連児童基金)の最新報告書、レポートカード16では、日本の子どもの幸福度の総合順位は先進国38か国中20位となっています。

5歳~14歳の子どもの死亡率、および過体重・肥満である子どもの割合はいずれも平均より低く、「身体的健康」は第1位ですが、生活満足度の高い子どもの割合はトルコについで2番目に低く、自殺率も平均より高く、「精神的幸福度」は38か国中37位という結果です。

また、学力及び「すぐに友達ができる」といった社会的スキルのランキングは27位、とくに、「新しい友達を作る」という社会的スキルに自信を持っていないという子供の割合は、日本はチリについで2番目に高い国です。

新型コロナ流行も終息のきざしがあります。マスクを外した子どもたちの大声が、校庭や公園から響き渡ってくる日を心待ちしています。

2022/5/9

 

「おいで、アラスカ」 

アンナ・ウオルツ作、野坂悦子訳、フレーベル館 2017年作

【2021年青少年読書感想文全国コンクール課題図書 小学校高学年の部】


12歳の少女パーケルと13歳の少年スフェンが主人公の物語で、ふたりをつなぐものとして一頭のてんかん発作に対応できる介助犬ゴールデンレトリバー、アラスカが登場します。

てんかんという病をもつ少年スフェンは、「いつなのが起こるかわからない」という不安な毎日を送っています。また、少女パーケルには、注意欠陥多動障害(ADHD)の3兄弟がいます。

この話は、これらの疾患をもつ子どもたちが社会生活を送る上での困難さを赤裸々に描写されており、小児科医であった私にも改めて気づかされる点が数多くあります。と同時に、今日の新型コロナ禍、戦争と不安定な社会を生きる少年・少女たちが、未来に向けて力強く歩み出すきっかけになればと願います。

今春、小学6年生になる孫娘が、この本を読んでどんな反応を示すか興味深いものがあります。

2022/3/29