作家司馬遼太郎さんは、1999年に小学校教科書用の書き下ろし作品として、「21世紀に生きる君たちへ」を子どもたちに書き遺しています。
その一部を紹介すると、「人間は、自分で生きているのではなく、大きな存在によって生かされている。」と、中世の人々は、ヨーロッパにおいても、東洋においても自然に対してへりくだって考えていたのです。
この自然へのすなおな態度こそが、21世紀への希望であり、君たちへの期待でもあります。そういう素直さを君たちが持ち、その気分を広めてくれると、21世紀の人間は、お互いに尊敬し合うようになるのです。
AIの出現は、人間が自然の一部であることを忘れさせようとします。自然への畏怖(いふ)の念どころか、いかに自然を克服するかが至上命題のように現代人は振る舞っている気がします。
地球が汚れてしまえば、他の星へ移動すればよいとの考えでは、もう人間とは言えないでしょう。
2025.3.8. 兵庫県子どもの健康コラム