寝る前に唱える二つの呪文

4年前に大病をした頃から、毎晩、就寝前に二つの呪文を唱えるのが習慣となっています。一つは「Aaー」、「Yeー」、「Wuー」、「Beー」、もうひとつは「般若心経」です。

「Aaー」、「Yeー」、「Wuー」、「Beー」

歳を重ねると、どうも滑舌が悪くなります。周りの人は気づかなくても、話している当人にはかなりのプレシャーです。滑舌が悪くなったのは、老化とともに顎の噛み合わせが狂ってきたことが、原因と考えるに至りました。

掛かり付けの歯科医の勧めもあり、できるだけ大きく口を開け、「Aaー」、「Yeー」、「Wuー」、「Beー」を毎晩4回唱えるようにしています。大きく口を開ける効用としては、唾液の分泌もよくなるようです。道子の生前中は気色悪がるので控えめにしていましたが、今は精一杯声を出しています。

もうひとつは「般若心経」

「般若心経」は、唐代の中国の訳経僧、玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典のひとつです。『西遊記』の三蔵法師は、玄奘三蔵がモデルと言われています。

私は、以前から般若心経に興味をもっており、いろんな解説書を読むのですが、結局のところ、何を言っているのかよくわからない。でも、何か惹かれるものがありました。

以前から手に入れていた般若心経の本を、大病を機に再び本棚から取り出し、読み始めました。書かれている意味はよく理解できませんが、以前にも増して心が安らぐ気がします。それまで覚えることのできなかった、たった262文字の漢字の羅列を、丸暗記の苦手な私が記憶できるようになりました。

爾来、就寝前に般若心経を唱えるのが習慣となっています。意味もわからず唱えているので、一度詰まると、どうしてもその先が出てこず、情けなくなります。
2024.3.25.

比較的読みやすい参考資料:
瀬戸内寂聴:般若心経 生きるとは、中央公論新社、2005
新井満:自由訳般若心経、朝日新聞社、2006