ある老紳士の話

昨春から参加している東灘区囲碁同好会で、4歳上のカッコ良い老紳士と知り合いました。彼は、真夏でも背広姿に蝶ネクタイで会場に現れます。この話を家内すると、囲碁には興味がない妻ですが、大変会いたがっていたのを思い出します。

先日、同じく同好会メンバーの神戸大学工学部名誉教授と二人で、彼の住むマンションに招待されました。門を初めてくぐりと、中はまるでフランスの宮殿のようです。ロビーにあるソファーに腰掛けている彼の姿は、フランス映画から抜け出してきたいぶし銀の男優そのものです。彼は、食品の輸入を手がけ、一代で財を成した実業家だそうです。

最近報道される政界や財界の不祥事に話題が及び、各界トップの責任感と根性のなさに3人で激昂していました。何でも調査委員会任せ、自ら真正面から取り組む姿勢が感じとれないと。

卒寿を迎える彼は、同好会の最長老ですが、囲碁は粘り強く、最後まで諦めることはありません。その心意気は、頼もしい限りです。後輩に勇気と夢を与えてくれます。2024.1.9.