阪神・淡路大震災で学んだ子どものこころのケア

新年早々の能登半島地震による揺れ、思わず阪神・淡路大震災を思い浮かべました。PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉が、広く知られるようになったのが阪神・淡路大震災の時です。

大災害が子どものこころに大きな影響を与えるのは、災害の正体が分からず、また、自分で対処できる範囲も限られているため、余計に不安になっているからです。

怖い体験や喪失体験(親しい人との別離、住居の破壊、生活環境の変化、おもちゃ・人形の紛失など)あるいは、長期にわたる避難生活は、子どもにとって強い苦痛となり、身体症状や行動上の問題として表われます。

これらの反応そのものは、誰にでも認められるものですが、その苦しみが少しでも和らぐよう、適切な時期に、的確に支援することが必要です。思い出すのは、学校が再開され、クラスメートと久方ぶりに出会ったときの子どもたちの満面の笑顔です。一番の良薬だったようです。

2024.1.17. 連載「子どもの健康コラム」原稿