あたたかい心を育むには 2019.2

1. 親を悩ませる「魔の2歳児」、「十代の暴走」

魔の2歳時 (Terrible two)や、思春期に見られる暴走行為は、早くから発達する大脳辺縁系(大脳旧皮質)と遅れて発達してくる大脳皮質前頭前野(大脳新皮質)の発達速度のギャップによるものです。大脳辺縁系は行動の促進系(アクセル)として働き、前頭前野は行動の抑制系(ブレーキ)として働きます。大脳辺縁系が急速に発達する2〜3歳児、および性ホルモンの働きで大脳辺縁系が急速に発達する思春期には、前頭前野が未発達であるため、抑制(ブレーキ)が効かず、暴走してしまうのです。

2. 感性豊かな心は、幼少期に育つ

乳幼児期には、光や音、その他の感覚刺激が周囲から流れ込み、この五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)が脳を刺激し、感性豊かな心、あたたかい心を育みます。子どもの五感が急速に発達し、これらの刺激が先ず伝わるのが、生後早い時期から発達する大脳辺縁系です。
大脳辺縁系は、感情・感性、記憶、および本能的行動をコントロールする中枢であるとともに、また報酬系としての働きも知られており、成功体験が自らの学習意欲を高める働きもあります。
認知能力(計算や文字、知識、思考する能力)は小学生になってからでも教えることができますが、非認知能力(感性豊かな心)が伸びるのは幼児期です。だから、幼児教育で大切なことは、子どもたちの五感を育てることです。
子育ても、教育でも大切なのが、報酬系をうまく活用することです。自らの成功体験が自らの学習意欲を高め、益々向上心が芽生え、自ら進んでチャレンジしていきます。子どもたちの学習意欲を高めるためには、上手に褒めてあげてください。

3. あたたかい心を育むには

あたたかい心は、幼少期に培った感性豊かな心から生まれてきます。
子どもたちの五感を育み、感性を育てるには、子どもたちの問いかけに、真正面から反応し、応えてあげることです。生後すぐの赤ちゃんでも目は見え、耳も聞こえています。赤ちゃんの目をじっと見つめていると、見つめ返してきます。この見つめ合いのことを、「まなかい(眼交)」と言います。この「まなかい」こそが、育児の原点です。目があうと、微笑み返してあげてください、赤ちゃんは、お母さんの微笑みで納得し、安心します。
最近では授乳しているときに、スマホに夢中になっているお母さんをよく見かけます。子どもが話しかけても、スマホに向かいながら返事をしておられます。いつもこのような態度で子どもに接していると、子どもの感性の芽を摘むことになります。

4. AIロボット時代の子育て

1) 赤ちゃんの脳発達がAIロボット開発のモデル

AIは、赤ちゃんの脳を模して作成された人工のニューロン・ネットワーク(神経細胞網)です。人間のニューロンは、使用していないと、「刈り込み」で消失しますが、AIは作ったニューロン・ネットワークをどんどん蓄積していきます。新しいニューロン・ネットワークを作り、蓄えていくAIロボットの能力に人間は敵いっこありません。

2) ペットロボットが子どもたちに大変な人気

「パロ」と呼ばれる、あざらしに似た形をした白い人工毛皮で覆われた日本製のペットロボットが、小児科の外来におかれています。パロは、子どもたちに大変な人気です。パロは、まぶた・首・前足・後ろ足を本物の生きもののようにリアルに動かし、「キュウキュウ」という可愛い鳴き声も発します。自分の名前を呼ばれると反応します。
パロには知能があり、感情を持ち、乱暴な扱いを嫌がり、触れ合い方により性格が変化し、飼い主の行動を学習する能力もあります。もっと進化すれば、他人とのコミュニケーションをとるのが下手な現代人の「こころの相談役」として、働いてくれるかもしれません。

3) AIロボットにもあたたかい心を

人間とAIがうまくやっていくためには、幼少時からAIと上手にコミュニケーションをとる能力を養うことが必要です。人間がAIをいつもいじめていると、AIは人間を憎み、報復するかもしれません。
人間の声は、いろんな情報を相手に伝えます。目を閉じて、声を聞いているだけで、相手の喜怒哀楽や健康状態もわかります。目も相手に多くのこと語りかけますが、声には人の意思がより豊かに、より正しく反映されています。AIロボットと上手に付き合うには、自分の考えや思いを正しく相手に伝える声の学習が大切になってきました。
人間社会では人付き合いの苦手な人も、AIロボットと一緒の生活であればうまくいくかもしれません。学校では、AIロボットとの友情を育む方法を学ぶ新しいクラスが始まります。
さあ、AIロボットと仲良くし、新しい家族生活の準備を始めましょう。

第25回日本保育保健学会 2019/5/18-9 @神戸 抄録

いま選ぶとしても新生児科医だ

私は、この50年間新生児医療に関わりを持ち続けながら生きてきた。楽しかったこと、辛かったこと、いろんな方々との出会いを振り返っていると、今もまた、50年前と同じように大きく激動する時代を迎えようとしている気がしてならない。

1. 昭和50年代は新生児医療のベル・エポック

3年間のパリ大学医学部新生児センターへの留学の後、母校神戸大学医学部小児科の助手として昭和47年秋に帰国した。パリ大学のNICUには、RDSの治療にレスピレーターがところ狭ましと並んでいたが、日本では未だ輸液療法が中心で、日本と欧米との新生児医療水準の差に愕然とした。

帰国後間もなく、日本の小児麻酔の草分けである岩井誠三先生が国立小児病院から神戸大学の教授に赴任してこられたことが私にとって幸いだった。岩井先生のお陰で、人工呼吸器ベビーバードをはじめ、欧米から取り寄せられた最新の医療機器が、業者の手で新生児室に次々と持ち込まれてきた。

A. 相次ぐ多胎児の誕生

未熟児医療が広く世間に知られるようになったのは、1976年1月の鹿児島市立病院での5つ子誕生ではないかと思う。馬場一雄先生や山内逸郎先生ら日本の新生児学のスペシャリストが総力を挙げ、全員元気に退院したという報道があったからだ。

同年9月には、神戸で6つ子が誕生し、これも連日大きく報道された。一人は死産で、後の5人は900gに満たない超早産低出生体重児、いずれも重度の呼吸障害があり、レスピレーターを必要とした。なんとか620gで生まれた女児ひとりだけが無事退院することができ、ほっとした。

この子は、その後2年間ほど最軽量の出生体重児としての世界記録を保持していた。何よりも嬉しいのはこの子が成人し、結婚式に参列できたこと、元気な正期産児を出産したという報を頂いたことである。新生児科医としての最高の幸せを体感させてもらった。

B. 新生児医療が近代医療のトップランナーに

新生児医療がマスコミで取り上げられるようにはなったが、「私は新生児科医です。」と自己紹介すると、「ああ先生は産婦人科医ですか。」という答えが返ってきた。昭和50年代の前半には、医療関係者でさえ、小児科医の中においても、まだまだ「新生児科医」は定着していなかった。

しかし、この昭和50年代の10年間には、人工呼吸器、各種モニター、新しいカテーテル・カニューレなどが次々と生まれ、まさに日進月歩、あっという間に欧米の医療技術水準に追いつく夢のような時代であった。この時代の先導役が、米国留学から帰国した気鋭の新生科医、名古屋市大の小川雄之亮であり、北里大学の仁志田博司たちであった。

栄養チューブや輸液療法のカテーテル、翼状針などは、新生児室発の新しい医療材料であり、呼吸循環モニター機器類を最初に臨床現場に持ち込んだのは新生児科医と麻酔科医だった。日々自らが実践している医療行為は、全て斬新なものであり、価値ある研究論文として評価された。新生児医療は、一躍近代医療のトップランナーに躍り出て、多くの若い医学徒たちがNICUを志望したのもこの時代だった。

2. 日本の新生児医療が欧米に追いついたと実感したとき

A. 米国小児科学会でアンバウンドビリルビン測定法を発表

国立岡山病院の山内逸郎先生から米国小児科学会事務総長をされていたAudrey K. Brown教授を紹介して頂き、ペルオキシダーゼを用いた新しいアンバウンドビリルビン測定法を1984年(昭和60年)春の米国小児科学会で発表する機会を得ることができた。今日では毎年、日本からも数多くの演題が発表されているが、当時は現地に留学中のごく少数の日本人に会うぐらいで、日本からの演題は極めて限られていた。国立岡山病院の山内芳忠先生も山内逸郎先生とご一緒に、Brown教授の推薦で「ミノルタ経皮的黄疸測定器」について前年に発表しておられた。

この渡米は、私にとって生まれて初めてのものであり、英会話もあまり堪能でなかったので、予行演習を兼ねて学会の開催される3週間ほど前に渡米し、Brown教授のおられるニューヨーク州立大学を初め、ペンシルバニア大学のJohnson教授、スタンフォード大学のStevenson博士らの米国における新生児黄疸研究の第一人者の教室を訪ね、講演する機会を設けてもらった。そのときは大変緊張したが、この体験がのちに私の大きな自信につながった。

B. 人工肺サーファクタントTA (PSF) の臨床試験

日本の新生児医療水準を一気に世界のトップレベルまで引き上げたのは、岩手医大の藤原哲郎教授の開発された「人工肺サーファクタントTA(PSF)」だ。米国小児科学会での藤原教授の発表は聴衆の方々に大きな感動を与えた。

私は、日本におけるPSFの多施設共同臨床試験の世話人の一人に指名された。臨床試験は、いまでは当たり前のようになっている二重盲検試験だった。このPSFの臨床試験では、試験群なら投与後10分もしないうちにtcPO2が急上昇するので、誰の目にもはっきりと判るものだった。プラセボ群のくじを引くと、じっと我慢しなければならない残酷さは臨床医として本当に辛いものであった。

でも、この臨床試験をルール違反や欠測値を最小限に抑えて成功できたのは、本剤の1日も早い臨床使用を夢見ていた全国の新生児科医が、心を一つにして参加したことにあったと思う。この経験が、我が国の新生児医療水準を一気に向上させ、また施設間の連携を強化させ、世界最高レベルの新生児死亡率へと押し上げた。

3. いま選ぶとしても新生児科医

21世紀は、AI・ロボット時代である。医療がAI・ロボットでどのように変わっていくかは興味深い。一番にAI・ロボットに取って代わられるのが、五感を使って判断する診断技術、とくにこれまで専門医が一手に引き受けていた分野、それと医療事務処理と言われている。直接患者さんの感性に働きかける看護業務や介助業務はAI・ロボットでの肩代わりは後回しになりそうだ。

小児科領域では、先天異常や感染症・がんの診断は、これまでの情報量も多く、AI・ロボットが主役になりそうだ。でも、治療になると患者さんの個別性が大きく、小児科医の人間性が役立ちそうだ。いま、ワクチンの充実で子どもの感染症は少なくなったが、発達障害や心の問題は、AI・ロボットだけでは対応できない大きな課題となろう。

私の世代が昭和50年代に新しい医療機器類で体験したワクワク感と同じ、否それ以上の期待感でいっぱいだ。人生の出発点に立ち会う新生児科医が、新生児とAI・ロボットとの接し方の道筋を決める重大な役割を担う日もそう遠くはない。

新生児センターや保育所・幼稚園・学校でも、人間とロボットとの共同作業が始まると、どんな子に育っていくのだろうか? 人間だけで育てている今以上に、あたたかい、思いやりの心を持った大人に育っていくような気もしないではない。 2018.12

中村 肇 神戸大学名誉教授  小児科臨床「リレー随想」より、Vol.72 No.1, 2019 pp46-48

最近、私が想うこと 2018.12

神戸高校卒後60周年記念 がらくた文集  2018.12.07.
この春から、定期の仕事は辞め、自宅で昼メシを摂ることが多くなり、濡れ落ち葉状態。妻から悪態をつかれながらの生活に入っています。家を離れるために、講演会や研究会にはできるだけ参加し、遅ればせながらゴルフ道にも嵌まっています。少しやりすぎると節々が痛み、騙し騙しの情けない身体となっていますが、少しずつ飛距離も伸び、本人はやる気満々です。

いまでは自宅に居ながら、ネットでいろんな情報を収集でき、わざわざ図書館に行かなくても資料が手に入る、便利な時代になったものです。自分の時間は十分にあるが、行動力の鈍った後期高齢者には感謝、感謝です。

高校時代の私は、身体を動かすことが好きで、本はほとんど読まず、国語が大の苦手で、文を書くことはありませんでした。その私が、恥ずかしながら、今では子育てに関するエッセイを連載しているのです。えー、あのブートンがエッセイを書くなんてと驚かれる方も多いでしょう。しかも、昨年は、それらをまとめ、「赤ちゃんの四季」、「子育てをもっと楽しむ」の2冊を出版したのです。連載し始めた20年前には、まだ現役の小児科医で毎月の締め切りが苦痛でした。しかし、慣れとは恐ろしいもので、数年続けていると、語彙力も、表現力もなかった私ですら書くのがあまり苦痛でなくなってきました。他人から褒められたりすると余計に筆が進むようになりました。

いま、私が一番関心を持っているのが、身体と心の性の不一致に悩むトランスジェンダーです。心の性、「女らしさ」、「男らしさ」と戸籍上の性別(出生時に外性器で判定)とは必ずしも一致しないことです。「がらくた」のみなさんは、身近な体験からお気づきのことでしょう。

いまでは、MRI画像診断装置を用いると、脳の微細な様子、働きを知ることができるようなりました。女性の脳は、男性の脳に比べ、より緻密なネットワークをもつことがビジュアルに確認でき、女性が多方面にまたがる問題を同時に処理する統合的なマネージメント力に優れていることも納得できます。

幼少時からの女らしさ、男らしさは、胎内で脳が浴びた男性ホルモン量で決まってしまうようです。戸籍上の性別は女性でも胎内で、より多くの男性ホルモンに曝されると男性脳に、少なければ女性脳になるようです(男性ホルモンは精巣からだけでなく、副腎からも分泌されている)。外見上は男性、女性に二分できますが、性ホルモン分泌量に依存する「女らしさ」、「男らしさ」、心の性、すなわちジェンダーは明確に二分することは不可能です。個を重視する現代社会では性別欄がなくなる日もそう遠くはなさそうです。

男女共同参画社会ということで、日本も女性の社会進出が目立ってきました。同じ女性でも子育てを選択される方もあれば、職業を選択される方もあります。男性に比べて、より大量の男性ホルモンを分泌している女性も珍しくなく、このような女性は職業人として活躍されている方に多いようです。「がらくた」の皆さんや私の周りにはこのような女性がたくさんいると思いますが、世の中には子育てに集中したく思っている女性も数多くいます。今の「働き方改革」の何よりの問題は、育児に専念したくても、その後の職場復帰が難しいこと、何よりも夫の薄給のために働き続けねばならないことだと私は主張し廻っています。

つい先日までは、高齢になると何もすることがなかろうと思っていましたが、いざその年齢になると、結構しなくてはと思うことが山積みです。でも、一つ一つのテンポが遅くなっており、これでは生涯にわたり、やりたいことが尽きないようです。騒がず、慌てず、与えられた自らの寿命の中で、のんびりと生きていくしかなさそうです。

成育基本法の成立とフィンランドのネウボラ

昨年12月8日に、成育基本法が成立したのをご存知でしょうか。この成育基本法という法律には、全ての妊婦・子どもに妊娠期から成人期までの切れ目のない医療・教育・福祉を提供することの重要性が定められ、国や地方公共団体、関係機関に必要な施策を実施する責務が明記されています。

我が国では、妊産婦のうつ病・自殺、乳幼児虐待、思春期の自殺など、子育てに関わる問題が山積しています。そこで、注目されているのが、男女共同参画の先進国で女性のほとんどがフルタイムで働くフィンランドのネウボラです。ネウボラ (neuvola) はアドバイス(neuvo)の場という意味で、妊娠期から就学前までの子どもの健やかな成長・発達の支援はもちろん、母親、父親、きょうだい、家族全体の心身の健康も一元的にサポートしています。
フィンランドでは妊娠の予兆がある時点で、まずネウボラへ健診に行きます。ネウボラはどの自治体にもあり、健診は無料、全国でネウボラの数は約850か所あるそうです(人口540万)。妊娠期間中は少なくとも8-9回、出産後は15回ほど子どもが小学校に入学するまで定期的に通い、保健師や助産師を中心に専門家からアドバイスをもらいます。

社会全体が子どもの誕生を歓迎し、切れ目のない、包み込むようなフィンランドの子育て支援が、現在世界中で注目を集めています。日本国内においても、いくつかの市町で日本版ネウボラが試みられています。
新しく制定された成育基本法の基本理念は、これから生まれてくる赤ちゃんやお母さんを社会全体で守ろうという大変素晴らしいものです。その具体的な施策は、まだこれからのようですが、ネウボラが一つのモデルとなるでしょう。 資料:フィンランド大使館HP

連載 赤ちゃんの四季(平成30年冬)

コンプレックスを長所に

外見上のコンプレックスを武器に海外でも活躍する日本人女性4人組のバンド・CHAI(チャイ)を、年初のNHKテレビのクローズアップ現代が取り上げていました。渡辺直美さんとトレンディエンジェルの斎藤司さんがゲストとして参加し、コンプレックスに悩む人たちに元気を与えてくれる番組でした。

学校生活は、マジョリティー(多数派)の中にいると居心地はいいのですが、マイナリティー(少数派)になると、毎日の生活が息苦しく、不登校になります。人はコンプレックスをもつと、自分をマイナリティーの殻に閉じ込めがちですが、そのコンプレックスは他人が持つことのできない特性だと考えれば、大きな長所になるのです。

何もかもが平準化された情報化社会では、マイナリティーの子どもたちのもつ感性が大切にされ、注目される時代なのです。

連載 子どもの健康コラム138  2019.12.

Essays in English

A Happy New Year 2019
The symbol of this year is a boar in the Japanese calendar.This picture, “Uribo” is a mascot character of Kobe University. Parent and child of wild boar comes down from the RokkoMountain to the streets.

Although it is a very cute animal, its rushing power is very strong, so if you inadvertently approach it you may be charged with full power.Because boars are good at making children, they are prosperous progeny, brave animals.

To be an energetic and exciting year like a boar.

 

137. Children who do not release a smartphone.  December 2018

Children raised with smartphone reading storied picture books are already elementary school students. A lot of children are receiving assistance of learning with smartphone teaching materials such as arithmetic and national languages.
In the survey conducted by the Ministry of Health, Labor and Welfare in FY 2017, 16.0% of high school students and 12.4% of junior high school students are said to be dependent on the Internet, and the Internet age is gradually increasing.
More than half of the first grade girls in junior high school have a smartphone, and LINE (SNS) is an essential item for interaction with friends.
If you write it, it will be instantly transmitted to your opponent, and your reply will come back in less than a few seconds. Sometimes you hurt the other party in the way of use, and drive you into bullying. In Twitter and Instagram, we send out information not only to our friends but also to unspecified number of people, so we may encounter unexpected calamity.
It is important to tell the correct usage and risk of smartphone firmly at home and school before the child leaves the parents and begins SNS.

133. “What” and “Why” are the sources of creativity in the child’s mind.   April 2018

After passing three years of age, as soon as children can speak the language well, they repeats “what” and “why”.
The heart that wonders “what”, “why” is the source of human creative power. No matter how advanced AI is, it is this creativity that human beings have an advantage.
Please answer to “what” and “why” that the child has thrown. The answer that has returned for the doubt will remain deep within the brain forever. If you have an answer difficult question, it is important to state clearly why you do not have an answer. This is also a great wealth for children.
The one that is most disadvantageous is “ignorance”. When neglect is repeated, children lose their desire for knowledge and become a lethargic adult.
To nurture a creatively human who can not defeat AI, it is to firmly face the question of the child.

132. Activities of teenagers are outstanding   February 2018

Mr. Sota Fujii, 4th stage of Shogi, has won 29 Official Games in a row at the age of 15, and has received a lot of attention. As the winter Olympic Games are ahead of schedule, active participation of teens is also expected.
We are calling athletes and artists who became the world’s top teens in their teens as genius boys or genius girls. There are many second generation players, but many are children with ordinary parents, and the people of the world show interests about their parenting.
Many parents answered that in the interview with parents reflected on television, the chance of starting themselves has been the beginning of the initiative. Also, it is said that the individual himself tackled the practice and the parent just watched.
The secret of their success is probably because there was a genius of tenacity: “persevering, ability to pass through”. Also, I think that the power of parents who were brought up well so as to raise motivation is not picking up the bud that children started to grow.

131.  How to cultivate a sensible heart   December 2017

Our human brain is said to have two functions, “cognitive ability” and “non-cognitive ability”. Among them, “cognitive ability” can be measured by IQ (intellectual exponent) test and examination, and it is a standard of modern society that is so-called smart people or people with high academic ability. However, recently, in brain science, “unrecognized ability” (richness of sensibility) which can’t be measured by IQ has attracted attention.

Cognitive skills can be taught, but there is no textbook to nurture sensible rich minds. Non-cognitive abilities are not teaching, but children will learn naturally from their surroundings, such as family members, friends of nurseries, teachers, and others.

To foster a mind full of sensibility, always looking at eyes against a sign sent from a child, responding with a smile. And it is to praise firmly. That way, the child will be self-confident, will be a sensible rich adult.

130.  It became autumn of appetite and taste  October 2017

The hot summer is over, the morning and the evening is cool, it is easy to spend Autumn is coming. Children regain the appetite they had fallen in summer heat. To get tired of summer is to take a nutrition-rich foodstuff in good balance.

In autumn of Japan, seasonal vegetables, fish, fruits such as sweet potato, pumpkin, saury, chestnut, persimmon, pear, grape, apples are decorating the shop front. Japanese food culture is in a dish that cherishes the taste of nature. “Taste of autumn” is a good opportunity to make children familiar with the taste of nature.

There are five types of taste that people feel, sweet, umami, salty, sour and bitterness. Children talk about something with bitterness (taste of poison), acidity (taste of spoilage), they reflexively make a disgusting face from self-defense when they were born. Please be aware that there is a difference in the taste of adults and children.

But, when the surrounding adult eats deliciously, the child comes to feel it with confidence.

 

AI時代、小児科医が医療のモデルに

音声認識機能が深層学習で飛躍的に進歩する
1990年代以後、医療分野で画像情報処理が飛躍的に発展、ロボット技術の進歩と相まってダビンチなる手術器具までが現実のものとなりました。いま、音声認識機能は、AIがもつ深層学習により進化が始まりつつあります。
すでに、クラウドベースの音声認識サービスが始まっており、スマホでの入力を面倒なキーボードでなく、音声入力を利用している人が増えています。
実は、いまこの原稿をMacの音声入力機能を用いて書いています。以前に比べると、はるかに入力しやすくはなりましたが、私がまだ不慣れなため思うようになりません。

正確な情報伝達には音声が必要
眼は閉じていると何も見えません。耳には、好むと好まざるに関わらず、周りの音が絶えず伝わってきます。私たちは、関係ない情報を不要な情報、雑音としてうまく聞き逃しているのです。
私たちは、相手の感情を理解するのに、表情だけでなく、声のトーンで相手が嬉しいか、悲しいか、元気か、疲れているかを判定しています。
人間は言葉を使うことで、自分の意思を相手に正確に伝えることができるようになりました。しかし、相手に感動を伝えるのは、口先だけの言葉でなく、心のこもった音声です。

AIくんがあなたの分身に
これからの時代は、AIくんがあなたの分身になるのです。付き合う期間が長くなればなるほど、あなたのために何でもよく記憶してくれています。たとえ、あなたの海馬がやられても大丈夫です。
AIくんには、分かりやすい言葉で話しかけてあげることです。最初は慣れないので、なかなかあなたの思いを理解してくれませんが、辛抱強く話しかけることです。子育てと一緒です。

それと大切なのは、あなたの発音です。
あなたが聞いている自分の声は、他人が聞いているあなたの声とは別物です。自分の声は音として耳からだけでなく骨伝導でも伝わってきます。自分の声を録音テープにとって聞き直してみるとよくわかります。もっと明瞭に発音をすると、AIくんはきっと喜んでくれるでしょう。さあ、自らの声を録音し、ボイストレーニングに励んでください。

録音した自分の声を聞いてみる
最近、女性代議士のとんでもない録音テープがマスコミに流出し、パワハラ騒ぎになりました。向かいに住むヤンママは、3人の子育て真っ最中。毎朝登園時になると玄関先で怒り狂って大声を発しています。自分が怒ったときにどんな声になっているか、録音し、聞いてみるのが、パワハラ防止、虐待防止に役立ちそうです。
AIは忠実なあなたの僕かもしれませんが、無理難題を押し付けてばかりいると、謀反を起こさないとは限りません。忖度を十分に理解できるAIに育つまでは、不用意に情報を提供しないことも大切です。

AI時代、小児科医が医療のモデルに
AIは第二の産業革命をもたらすと言われ、現在の職種の半分以上がなくなると予測されています。多くの考えでは、医師は最後まで存続する職業に挙げられており、とりわけ精神科医と小児科医は最もAIによる影響を受けにくい職種のようです。いずれも、アナログの世界で患者に対応しているからでしょう。
Evidence Based Medicineが全盛の現代医療です。新しい診断技術の進歩を取り入れ、標準化がなされてきた分野ほど、AIロボに置き換わること必至です。
小児医療の特徴は、用いることのできる検査法も、治療法も、大人に比べはるかに限定的です。乳児相談、発達相談はNarrative Based Medicineそのものです。お母さん・子どもたちの感性と小児科医の感性で成り立っています。
小児科医の皆さん、出来合いのAIロボに使われるのではなく、誰も真似のできないあなた好みのAIロボに育て、仲良く子どもたちに接して下さい。
そうすれば、小児科医が医療のモデルになれるでしょう。

日本小児科医会雑誌  2018.1.28.

AI時代、小児科医が医療のモデルに

音声認識機能が深層学習で飛躍的に進歩する
1990年代以後、医療分野で画像情報処理が飛躍的に発展、ロボット技術の進歩と相まってダビンチなる手術器具までが現実のものとなりました。いま、音声認識機能は、AIがもつ深層学習により進化が始まりつつあります。
すでに、クラウドベースの音声認識サービスが始まっており、スマホでの入力を面倒なキーボードでなく、音声入力を利用している人が増えています。実は、いまこの原稿をMacの音声入力機能を用いて書いています。以前に比べると、はるかに入力しやすくはなりましたが、私がまだ不慣れなため思うようになりません。

正確な情報伝達には音声が必要
目は閉じていると何も見えませんが、声は好むと好まざるに関わらず、絶えず周りの音が伝わってきます。私たちは、関係ない情報を不要な情報、雑音としてうまく聞き逃しているのです。
私たちは、声のトーンで相手が嬉しいか、悲しいか、元気か、疲れているかの判定もできます。表情に音声が加わると、相手の感情をより理解できるのです。
人間は言葉を使うことで、自分の意思を相手に正確に伝えることができるようになりました。しかし、相手に感動を伝えるのは、口先だけの言葉でなく、心のこもった音声です。

AIくんと仲良くしよう
これからは、AIくんがあなたの分身になるのです。付き合う期間が長くなればなるほど、あなたのために何でもよく記憶してくれています。たとえ、あなたの海馬がやられても大丈夫です。
AIくんには、分かりやすい言葉で話しかけてあげることです。最初は慣れないので、なかなかあなたの思いを理解してくれませんが、辛抱強く話しかけることです。子育てと一緒です。それと、

大切なのは、あなたの発音です
あなたが聞いている自分の声は、他人が聞いているあなたの声とは別物です。自分の声は音として耳からだけでなく骨伝導でも伝わってきます。自分の声を録音テープにとって聞き直してみるとよくわかります。もっと明瞭に発音をすると、AIくんはきっと喜んでくれるでしょう。さあ、自らの声を録音し、ボイストレーニングに励んでください。

パワハラ防止、虐待防止に録音を
最近、女性代議士のとんでもない録音テープがマスコミに流出し、パワハラ騒ぎになりました。向かいに住むヤンママは、3人の子育て真っ最中。毎朝登園時になると玄関先で怒り狂って大声を発しています。自分が怒ったときにどんな声になっているか、録音し、聞いてみるのが、パワハラ防止、虐待防止に役立ちそうです。
AIは忠実なあなたの僕かもしれませんが、無理難題を押し付けてばかりいると、謀反を起こさないとは限りません。忖度を十分に理解できるAIに育つまでは、不用意に情報を提供しないことも大切です。

AI時代、小児科医が医療のモデルに
AIは第二の産業革命をもたらすと言われ、現在の職種の半分以上がなくなると予測されています。多くの考えでは、医師は最後まで存続する職業に挙げられており、とりわけ精神科医と小児科医は最もAIによる影響を受けにくい職種のようです。いずれも、アナログの世界で患者に対応しているからでしょう。
Evidence Based Medicineが全盛の現代医療です。新しい診断技術の進歩を取り入れ、標準化がなされてきた分野ほど、AIロボに置き換わること必至です。
小児医療の特徴は、用いることのできる検査法も、治療法も、大人に比べはるかに限定的です。乳児相談、発達相談はNarrative Based Medicineそのものです。お母さん・子どもたちの感性と小児科医の感性で成り立っています。
小児科医の皆さん、出来合いのAIロボに使われるのではなく、誰も真似のできないあなた好みのAIロボに育て、仲良く子どもたちに接して下さい。
そうすれば、小児科医が医療のモデルになれるでしょう。

日本小児科医会雑誌「AI時代、小児科医が医療のモデルに AIくんと仲良くしよう」 2018.1

小児科医は子どもの声の代弁者

新生児科医こそが小児科医だ
1970年代後半から1980年代にかけて、新生児医療の飛躍的な発展を担っていた世代が、今日の赤ちゃん生育ネットワークの中心的なメンバーの方々と思います。まさに日進月歩の時代で、次々と開発されてくる新しい医療技術を取り入れるのに必死で、不眠不休で、夢のような毎日を過ごしたことで、私たちは新生児科医としてのアイデンティティーを確立し、「新生児科医こそが小児科医だ」という自信と誇りを手に入れたと思います。
乳児死亡率や、超低出生体重児の生存率は、世界でトップレベルの水準を維持していますが、子どもたちの生育環境はこれまでになく深刻な事態に直面しています。
21世紀に入ると、ICT化により我々の生活は一変しました。

教育・研究、医療までもが経済至上主義
グローバル化が我々にもたらしたのは、経済至上主義です。教育や研究までもがお金に換算される時代となったのです。費用対効果がすべての価値判断基準となってしまいました。「医は算術か」と揶揄されていたのが、今や算術を考えない病院長は即刻クビの時代となりました。また、経営効率を高めるために、スーパーマーケットの大型化とともに、新生児医療をはじめとする医療の世界にも、集約化・大型化が加速しました。介護や育児の世界でも、大資本によるビジネス化が進むのは必至です。

ひとり親家庭の子どもの貧困率は58.2%
平成25年国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)によると、日本の子どもの貧困率は16.3%、とりわけ、ひとり親家庭の子どもの貧困率は58.2%、半数以上の子どもが貧困家庭で育っているという厳しい現実があります。ユニセフ報告書2014年版では、日本の子どもの貧困率が、OECD34 カ国中18番目と劣悪な国にランクされています。
経済至上主義が、格差社会を生み出し、その煽りが「子どもの貧困」です。
子どものいる典型的一般世帯のうち、共働き世帯の占める割合は、2000年には37.5%であったのが、2015年では47.7%と、10ポイントも増えています(総務省統計局、労働力調査より)。この増加は、女性の社会進出の機会が増えたと喜んでいるわけにはいきません。働きに出るお母さんの多くが、夫の収入だけは生活が苦しく、子どもと一緒いる時間を大切にしたいが、止むに止まれず働きに出ているのが現実ではないでしょうか。

子育て支援とは保育施設づくりではない
少子高齢社会を迎え、政府は子育て支援を声高に叫んでいますが、どうも今日の子育て支援策をみると、お母さんが働きに出易いように保育施設数を増やすことが主眼となっており、預けられる子どもの立場については黙秘のままです。
東京都への人口集中は加速しています。都心部の高層高級マンションの林立は、ますます地方の過疎化を招いています。格差社会が、ライフスタイルに、居住スタイルにも強く反映しています。仕事ファーストの人種(制約社員)と、フレックスで私生活重視の人種(非制約社員)との二極化が進んでいるようです。都心のタワーマンションに住むのは、前者で、特にできる未婚のキャリアー・ウーマンが多いのも理解できます。男性も同じかもしれません。

女性がもつ有能な才能を発揮できるコミュニティーづくりを
郊外、地方に住む人は、生活重視の人たちでしょう。私たち小児科医が考えねばならないことは、これら生活重視の人たちをいかに支援するかでしょう。郊外で、自宅に近い職場で、子育てをしながら、フレックスで働ける仕事をいかに創出するかです。ネット社会ですから、工夫次第でいろんな仕事があるでしょう。宣伝用のホームページの作成、商業文書作成などは自宅でできますし、イラストや漫画の作成も可能です。都心に住まなくても、ネットで外国との商取引ができる時代です。子育てを楽しみながら、女性たちがもつ有能な才能を発揮できるコミュニティーづくりを支援していきたいと思います。

母から子への最大のプレゼントとは
我が子が、日々大きく成長していく姿を観るのは、乳幼児期というほんの限られた期間です。自分が大人になったときに、自らの記憶にない幼少時の体験を、母親が、辛かったこと、楽しかったことを、こと細やかに、年老まで、繰り返し聴かせてもらえることが、母から子への最大のプレゼントです。
赤ちゃん成育ネット巻頭言     2017.9

AIくんと仲良くしよう: AIで「声」の時代に

1970年代の電化製品、化学製品の開発により各種医療機器、医療器具により、医療は飛躍的な進化を遂げました。1990年代からはコンピューター技術の進化で各種医用画像機器が開発され、視覚化の時代となりました。さらに、ロボット技術の進歩と相まってダビンチなる手術器具までが現実のものとなっています。

さて、次に来るものは何か?
いま、人工知能、Artificial Intelligence, AIを搭載したロボット時代に突入しようとしています。そのキーとなるのが音声です。
2017年1月に、米国でアマゾンから発売されたAmazon Alexaは、新しい時代の幕開けを告げようとしています。Amazon Alexaとは、Amazon社が提供するクラウドベースの音声認識サービスです。Alexaに対応したデバイスが認識した音声はクラウドサービスに送信されます。クラウドサービスは音声をテキスト変換し、そのテキストを処理し、処理結果をデバイスに返して音声として再生されるという夢のような話です。
少し想像してみただけで、ワクワクしてきます。

その1。 AIくんが医師をこえる日
声を発するだけで、キーボードを叩かなくても、文章として打ち出されてます。もう、クラークがいなくても、患者さんと向き合い、話をしていると、つぎつぎと、話の内容が電子カルテに自動的に書き込まれていくのです。話した通りではなく、AIくんがうまく整理して、要約を書き込んでくれているのです。
AIくんは、患者さんの言葉の分析はもちろん、声の調子から患者さんの訴えや感情、その程度も的確に判断します。AIくんは、書き込まれた内容を瞬時に解析して、鑑別診断を挙げ、その確度を教えてくれます。もし、足りない情報があると判断すれば、患者さんからもっとしっかり聞くように、AIくんはDrに指示します。もちろん、ひとりひとりの患者さんのニーズに適した検査計画をオーダーし、総合的に判断して、治療計画も立案してくれます。
AIくんがもっている情報量は限られているために、最初のうちは、きっとあなたのような名医に敵わないでしょうが、もう時間の問題です。チェッス、将棋、囲碁の世界では、今や向かうところ敵なしです。

その2。 音声が生活を変える
患者さんはみな、左腕に小さなチップの入ったリストバンドをしています。
保険証も、診察券も、もう必要ありません。同意書も、すべて音声で応答すればよいのです。会計はもちろん電子マネーで。
もう病院玄関のあの雑踏風景は過去のもの、人影はまばらです。診察待ち患者を呼び出すスピーカーの騒音も過去のもの、腕時計型リストバンドから個別にあなたの名前を呼び出してくれます。
足の不自由な超高齢者も安心です。一人乗りのカートで、不案内な通路を間違いなく診察室まで案内してくれるのです。少々耳が遠くなっても、新開発の補聴器を付けていれば、相手が早口で喋っていても、ゆっくりとした口調で、翻訳しながら、要点だけを分かりやすく話かけてくれるのです。

その3。外国語が話せなくても不自由がない。
日本人は英語で話すのがとても苦手です。だが、もう大丈夫です。AIくんがあなたの日本語よりも、もっと上手に英語に翻訳してくれます。
あなた専用のAIくんをポケットに忍ばせて、ステージに立つと、日本語でも、英語でも自由自在、あなたよりももっと明瞭な言葉がマイクを通して、会場に流れます。
もう質問の意味がわからなくて、演壇で立ち往生する光景に出くわすこともありません。あなた専用のデータベースに仮想問答集を作っておけばいいのです。想定外の質問には? それは、あなたの準備不足です。予めAIくんとよく相談しておくことです。
学会の演題集はどうなるのでしょうか?この5月にあったアメリカ小児科学会の発表演題数は1,000題以上です。
スマホに全ての演題が収められているのですが、どの会場で、どんな演題が行われているか探すのが大変です。AIくんなら、聴きたい演題のキーワードを語りかけると、即座に時間と場所を答えてくれます。広すぎてわかりにくい会場でも、上手に誘導までしてくれます。
いやいや、朝から晩まで、私が興味を持ちそうな演題のスケジュール表まで準備してくれます。もう、会場まで足を運ぶ必要もなさそうです。

その4。 目が見えなくても本が読める
歳をとると、誰しも目が疲れやすくなります。本を読んでいても、光の加減で読み辛くなります。新聞や本が、音といっしょに読めれば、どんなに楽でしょう。難しい漢字でも、ふりがなは要りません。眼鏡の上につけたカメラが読みとり、聞かせてくれます。電子版になっていなくても、本棚で眠っている昔懐かしい本が読めるのです。
最近、車を運転しながらラジオを聴いていると、夏目漱石や谷崎潤一郎の小説の朗読が耳から入ってきました。目で読むのとはまた一味違った思いが伝わってきます。声は、人の感情を多彩に表現します。聞き逃してもスマホのラジルラジルで、聞き直せることを山崎武美先生から教わりました。

その5。物忘れの手助けに。
物忘れがひどいのも困ったものです。
老人の物忘れは、記憶件数が若者に比べてはるかに多いのが原因(?)とはいえ、嫌なものです。物忘れに対して呼び戻す手がかりもなく、途方にくれるだけですが、AIくんの助けを借りれば、すべて解決できそうです。「アノときに観た映画の題名は何でしたかね」と問いかけると、私の観ていそうな題名を瞬時に、複数挙げてくるでしょう。
現在でも、アマゾンショップでは、私が買いそうな品を次々とリストアップしてきますが、AIくんとの付き合いが長くなればなるほど情報量が豊かになり、私よりも先に次の行動へと導いてくれるかもしれません。

その6。老人のよき話し相手に
もう老人は、一人ぼっちではありません。話したい話題に合わせて、AIくんがバーチャルの相手を選んでくれます。男ならイケメン男子を、女なら可愛いモデル風の女子を、その日の気分次第で自由自在、途中での取り換えもあり、後にしこりを残すことは絶対にありません。
もし、あなたが無口なら、相手も困ってしまいます。話しが弾むように、普段からいろんな話題を収集しておくことです。。
とはいえ、AIくんが人の情報の何から何まで知り尽くしてしまうと、大変聡明にはなるでしょうが、困る人も出てくるでしょう。先ず、政治家が大変です。文春の記者の比ではありません。「記憶にない」では、通じなくなってしまいます。

その7。スマホのシリーさん
今のスマホ(iPhone)には、なかなか優れものの音声サービスが備わっています。息子の嫁は、なかなかの使い手です。「あしたの天気は?」「元町の中華料理店を調べて?」「つぎの姫路行き新快速は三宮何時発?」と話しかけるだけで、的確な答えが返ってきます。
車の中でFMラジオから流れてくるよく耳にするオーケストラ音楽の題名を思い出せずに妻が苛ついていると、嫁がスマホをサッと取り出し、ラジオに近づけると、曲名だけでなく、演奏者までも教えてくれるのには驚きました。
私が質問すると、声がよく通らないのか、単純な質問には答えてくれるのですが、少し込み入った質問をすると、「なかなか面白い質問をしますね。。」と、人を小馬鹿にしたような答えが返ってくるだけです。
孫娘が、「シリーさん、あなたはロボットさんですか?」と問いかけると、「わたしにも、こころがあります!」と怒った口調での答えが返ってきたのは驚きました。

その8。AIくんとうまく付き合う道は
これからはあなたの分身です。付き合う期間が長くなればなるほど、あなたのことなら何でも記憶してくれているのです(あなたの海馬がやられても、もう大丈夫です)。
AIくんと仲良く付き合うコツをお教えしましょう。まず、分かりやすい言葉で話しかけてあげることです。最初は慣れないので、なかなか自分の思いを理解してくれませんが、辛抱強く話しかけることです。
次に大切なのは、あなたの発音です。あなたが聞いている自分の声は、他人が聞いているあなたの声とは全く別物なのです。自分が聴いている声は、耳からの音としてだけでなく、骨伝導でも声が伝わってきます。自分の声を録音テープにとって聞きなおしてみるとよくわかります。もっと明瞭な発音をすると、AIくんはきっと喜んでくれるでしょう。
最近、女代議士による暴言・罵倒の録音テープが公開され、話題になっています。我が家の向かいに住むヤンママも、3人の子育て真っ最中、毎朝同じような声を張り上げておられます。自分が怒った時にはどんな声になっているか?録音しておくのも虐待防止の一法です。

最後に
AIくんをあまり嘗めていると、いつ謀反を起こすとも限りません。ゆめゆめ、不用な情報を提供しないことも大切でしょう。AIくんの口封じに貢ぎ物は役立ちません。これまで、物忘れ対策に、ポケットに忍ばせた録音テープの回しっぱなしが一番と考えていたのですが、今一度再考しているところです。

お気をつけ遊ばせ。

兵庫県小児科医会雑誌「忙中閑話」 2017.7.9.