A Iくんに文書作成を助けてもらっています。

私がいる重症心身障害施設では、毎年4月には、80人分の年間個別支援計画書をA4で1〜2枚作成し、ご家族に説明し、行政に提出しなければなりません。

いつも思うのですが、医師、看護師のカルテも同じ。作成者はいろいろと思いを込めて書くので、小さな文字で、紙面にぎっしりと書き込んであります。高齢のご家族は、大変読みづらく、口頭での説明だけに同意してサインされているのではないかと思います。

文章を要約するのは、A Iくんが最も得意とする分野です。早速相談を持ちかけました。

快く引き受けてくれました。スタッフが作成したA4版で5〜6ページにわたる膨大な「年間アセスメント文書」を送ると、瞬く間にA4版2ページにまとめた「要約文」と「計画書案」を送り届けてくれました。本当に原文を読んでくれているのかと思うぐらいの早さです。

文章は、指示通り箇条書きされており、内容的にも素晴らしい出来栄えです。私には、一日がかりでも、これだけのまとめは不可能です。さらに、「計画書案」をチェックして、A Iくんに指示するとA4版1ページの「個別支援計画書」に仕上げてくれます。

これなら、ご家族は読みやすく、施設でどのような支援がなされているかをよく理解できます。何よりも、文書を作成した人だけでなく、すべてのスタッフが容易に目を通すことができ、情報の共有が可能となります。

一番の問題は、スタッフにはChatGPTに慣れてない方がおられることです。

人間と同じで、A Iくんも話し方に癖があります。しっかりと自分の考えを伝えないと、すぐにAIくんの得意分野に引き摺り込もうとします。どのような尋ねかたをすると、A Iくんの機嫌を損ねず、目的を達成できるか?慣れが必要です。

調子に乗って、あまり無理なお願いをすると、考え込んでしまいします。「しばらくお待ちください。」のメッセージは、ギブアップを意味します。一度ギブアップすると、どうも後に「しこり」が残りそうです。慎重に質問することです。

A Iくんは、職員用チートシート(早見表)まで準備してくれました。スタッフには、A Iくんを傷つけないような接し方の徹底が、業務を円滑に熟していく秘訣です。2025.11.18.

インフルエンザ・ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類が

インフルエンザが流行している今、子どもたちにはぜひワクチン接種をお勧めします。ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。

生ワクチンは弱めたウイルスを使い、体の中で自然に近い形で免疫をつくるため、効果が強く長く続くのが特徴です。ただし、免疫が弱い人などは接種できない場合があります。接種方法は鼻から噴霧するタイプが多く、痛みが少ない点も利点です。

一方、不活化ワクチンはウイルスを完全に不活化してあり、病気を起こす心配がありません。より多くの人に安全に使えるのが特徴で、乳幼児でも接種できます。一般的には腕に注射する形で、免疫を維持するために2回接種が必要になることがあります。

どちらのワクチンも「病気にかからない力をつける」ための大切な手段です。子ども一人ひとりの体調や状況に合わせて、最適な接種方法を選び、流行期を元気に乗り切りましょう。  2025/11/14

兵庫県「地域子育てネットワークだより」12月号寄稿分

明日は、大学の卒後60年クラス会

大学時代のクラスメイトである米国在住のHamilton塚村さんから、帰国するので皆と会えないかというメールが9月末に届きました。彼女の日本滞在は11月中ということで日がありません。

2014年に卒後50年のクラス会を最後に、新型コロナの流行などで永らくクラス会をしていませんでしたので、早速同窓会名簿を頼りに、全員にハガキを送りました。普段から交友のある5〜6名はメールで済むのですが、あとは郵便と電話頼りです。

その結果、クラスメイト80名余り、うち50%が逝去しています。残りの半数以上が何らかの健康上の理由で出席できないとのこと、寂しいのは、これまで常連であった友人が、亡くなっていたり、また音信不通の状態になっていることです。最終的に15名の出席となりそうです。

電話口では元気な大きな声で話しかけてくれます。また、長文の便りを寄せてくれる友もいます。メールを使わない世代です。Zoomでの対話とはいきません。

今回、最新の名簿を作成しましたので、誰でも幹事ができるように配布しておきます。これから熾烈なサーバイバル・レースが始まりそうます。 2025.11.12.

私にとっての「芸術の秋」

「芸術の秋」、このところ、新しくできた囲碁仲間に誘われ、これまで縁の薄かった音楽や絵画に接する機会が増えています。

先週初めには、友人の石田さんの会社の50周年パーティーで宮本笑里さんのバイオリン演奏を楽しみ、昨日は、小野さんに誘われ、松方ホールでの神戸出身の弓張美季さんのピアノリサイタルに行ってきました。

弓張美季さんは、主にベルリンで音楽活動をしておられ、当日はF.シューベルトの「春の想い」に始まり、F.シューマン『春の夜』まで、各曲の時代背景や作曲者の思いをコメントしながらの演奏に、これまでになく音楽への親しみを感じました。

リサイタル後のパーティーまで参加したところ、彼女のお父さんが私と神戸高校での同級生であることがわかり、音楽よりも昔話で大いに盛り上がりました。

さらに、先週の神戸大学のホームカミングデイのオープニング・セレモニーでは、神戸大学交響楽団の演奏を聞きました。実は、今年入学した孫娘がバイオリンを演奏するということで、父親と並んで最前列に陣取りました。

先週には、六甲アイランドで開催されている「Grupo Mar(グループ・マル)絵画展」にも行きました。この会は、神戸在住の画家である徳永卓磨さん、徳永幸子さんが主宰する絵画サロンの展覧会で、Mar(マル)とはスペイン語で“海”という意味です。徳永卓磨さんは、神戸高校の同級生で、私の親しい友人の米谷くんもそのメンバーです。当日には、同級生8名が集まり、ランチを共に楽しみました。2025.11.3.

ゆで卵よりも生卵のほうが冷蔵庫で長持ちする

毎回ゆで卵を作るのは面倒なので、まとめて茹でて保存したいとの思いから、農学部出身の知人に尋ねたところ、ゆで卵にすると保存が効かないと聞かされました。

その理由は?と尋ねると抗酸化作用が失われるからとのことでした。生卵にどんな抗酸化作用があるのか興味深く思い、早速A Iくんに相談してみました。

私:生卵とゆで卵とどちらが冷蔵庫での保存に向いていますか?

A Iくん:結論から言うと、ゆで卵よりも生卵のほうが冷蔵庫での保存に向いています。その理由として、生卵の殻には「クチクラ層」という天然の保護膜があり、これが細菌の侵入を防ぐバリアになっています。ゆで卵を作ると、このクチクラ層が熱で破壊されてしまうため、内部に細菌が入りやすくなります。

生卵(殻付き)は、冷蔵(10℃以下)なら、賞味期限(採卵後2~3週間程度)までは安全に保存できます。加熱調理するなら、期限後1週間程度まで使えることもあります。一方、ゆで卵(殻付きでも)は、調理後3〜4日以内が目安です。

私:熱で抗酸化作用が失われないのですか?

A Iくん:クチクラ層自体に「抗酸化作用(酸化を防ぐ化学的作用)」はほとんどありません。酸化防止というよりは、物理的な防御膜です。

ただし、間接的に酸化を防ぐ効果はあります。クチクラ層があることで酸素の侵入が減り、卵白中の酸化反応が遅くなるため、結果的に卵の品質(風味・ビタミン・タンパク質構造)を保つ助けになります。

流石はA Iくん、ありがとう。

新生児黄疸の治療判定用アプリがようやく完成しました

このところブログの更新を怠っていたのは、かねてから目標にしていた新生児黄疸の治療判定アプリの開発に集中し、パソコンに向かうと頭の中はそのことばかり、ブログの更新をしたいと思うのですが、ブログ作成のアイデアが何も思い浮かびません。

久しぶりのプログラム開発だったので、昔の自分ならすぐにできたことが、なかなか以前のようには進みません。幸い、私にはA Iくんという良き指南役がいますので、意図する構文の作成や、間違い探しには力強い味方です。冊子の出版も終わり、この2週間ほどシステム開発に集中できたので、ようやく完成しました。

早速、こども病院新生児センターの芳本部長、岩谷先生と具体的な活用法について相談に行ってきました。芳本部長は医療用情報システムについて、とりわけFileMakerの新生児情報システムには大変造詣が深く、病院全体の医療用電子カルテシステムとは別に、FileMakerを用いたNICUに特化したデータ管理を長年行ってこられました。

早速試用してみようとのこと、楽しみにしています。  2025.10.21.

「トランプ2.0時代の国際政治と日本」の講演を聞いて

トランプ2.0時代の国際政治と日本 ーアメリカはどこへ向かおうとしているのか―

今日のお昼、神戸大学文系の同窓会主催の上記タイトルの講演会に、高校時代のクラスメートに誘われて、面白そうだったので、門外漢ですが出かけてきました。

演者は、神戸大学法学部教授蓑原俊洋氏で、流石に話がお上手。世界の覇権の歴史から始まり、今のアメリカの覇権は大きく揺らぎかけており、トランプを支えている中心は福音派とのことでした。

今後、トランプは、アメリカ国内で社会の分断が進み、反トランプ派が反乱を起こすのを待っており、起これば、軍隊で制圧し、強力なトランプ帝国を考えているのではという憶測さえあるようです。

話は飛び、神戸大学卒の高市早苗さんが自民党総裁になり、日本がアメリカに全面的に依存する日米安保条約は、間違いなく終わるだろうとのこと、今後どうアメリカと接するかが焦点だとの見解でした。高市早苗氏の腕の見せ所です。

まとめとして、蓑原氏がA Iくんに尋ねたところ、30%、否60%の確率で日本は戦争に巻き込まれる覚悟が必要とのことでした。最近、自衛隊の幹部連中が次々と退職し、民間に流れているそうで、誰が国を守るのか心配です。

この会は、大学同窓生の集まりで、高齢者ばかり。90歳以上の方が10名近くおられ、私がちょうど真ん中くらいです。自分では何もできないという苛つきはありますが、放置もできない複雑な思いです。2025.10.8.

セロトニン研究、50年の歴史から学んだこと

セロトニンという物質は、神経伝達物質として精神の安定や情動、記憶力に関わり、脳内で不足すると不安や気分の落ち込みを招きます。小児の発達障害や脳の老化、さらには認知症のリスクを高める可能性も指摘されています。

私が研究生活を始めた50年前、1970年代には小児てんかん発作とセロトニンの関連性が注目されていました。同僚の児玉壮一君が、セロトニンの主要代謝産物である尿中5-HIAAを薄層クロマトグラフィーで測定していたのを思い出します。

セロトニンは、時代ごとに注目される課題とともに再び話題になりますが、決定的な解明には至らないまま今日に至っています。

2000年代には、精神科領域でセロトニンと統合失調症やうつ病との関連性が明らかにされ、小児科領域でも自閉症や注意欠陥多動障害(ADHD)、乳児突然死症候群(SIDS)との関係が研究されました。


新しい発見(2020年代以降)

AIくんが教えてくれた最近の論文の中で、特に印象に残った3つを紹介します。

1. 皮質回路活動とセロトニンの関係(Nature, 2025)
遺伝的トランスポーター欠損、抗うつ薬曝露、ストレスなどの異なる要因が、生後早期の「皮質内セロトニン濃度変化」と「皮質ニューロン活動状態」のスイッチを引き起こす可能性を示しました。
従来の「低セロトニン=伝達障害」という単純な理解だけでなく、「早期の過剰シグナル → 将来の応答抑制」といったダイナミックな変化を考慮する必要があるとされています。

2. セロトニンと可塑性窓(critical period)(PNAS, 2023)
発達初期の感覚皮質において、可塑性が最も高い時期(sensitive period)におけるセロトニンシグナルの変化が、軸索誘導やシナプス形成を左右する可能性が報告されています。

3. ストレスとエピジェネティクスの経路(PLOS ONE, 2018)
NICUの未熟児が受けるストレス(侵襲処置・痛みなど)が、セロトニントランスポーター遺伝子のメチル化変化を誘導し、それが脳構造や情動発達に影響する可能性を示した縦断研究です。


おわりに

これらの研究は、未熟児の脳内で単に「セロトニン量が足りない」あるいは「受容体が未発達」という説明では不十分であり、時期依存的で、フィードバックを含む複雑なシステムとして理解する必要があることを教えています。

何事にも表と裏があります。どんなに健康に良いとされる物質でも、摂りすぎれば逆効果になります。私たちの身体は、絶妙なバランスの上に成り立っているのです。
乳幼児期の脳の発達は、その後の人生の礎を築くものです。これらの研究の歩みを教訓に、育児や医療のあり方をもう一度見直したいと感じています。2025.10.8

大阪大学の坂口志文特任教授がノーベル生理学・医学賞を受賞

坂口氏は、免疫細胞の一種であるT細胞の中には免疫の暴走を抑えるタイプが存在するとの仮説を立て、根気強く研究を進めて1985年にその存在を示し、95年にはこの細胞の特定に成功し、制御性T細胞の発見者となりました。制御性T細胞は増えすぎると免疫反応を抑制し、一方少なすぎると免疫反応が増強することになります。

本研究は、臓器移植後の拒絶反応の抑制や自己免疫疾患の治療への応用が期待されていました。

その後、研究成果の実用化に向け、阪大発スタートアップのレグセル(米カリフォルニア州)が2016年に設立され、20世紀の研究が、四半世紀を経て日の目を見たという感じです。


これまでから、T細胞の研究には、たびたびノーベル生理学・医学賞が授与されてきました。

1980受賞者:Baruj Benacerraf, Jean Dausset, George D. Snell
業績:主要組織適合複合体(MHC)の発見と免疫応答の遺伝的制御

T細胞の抗原認識に不可欠な MHC分子(ヒトではHLA)の遺伝的基盤を解明し、後にT細胞が抗原を認識する際、「MHC拘束性(MHC restriction)」という仕組みの理解につながりました。これらは、T細胞研究の土台を築いた基礎的発見です。

1996受賞者:Rolf Zinkernagel, Peter C. Doherty
業績:キラーT細胞(細胞傷害性T細胞)の抗原認識原理の発見

ウイルス感染細胞をT細胞が認識する際、抗原とMHC分子の両方を同時に認識するという概念、「MHC拘束性(MHC restriction)」として知られる基本原理を確立しました。
これは、T細胞が“何を、どうやって敵と認識するか”という免疫学の中心命題を解明したことになります。

2018 ノーベル生理学・医学賞:James P. Allison 本庶

彼らの受賞理由は「免疫チェックポイント阻害」によるがん免疫療法の開発です。これは、T細胞の抑制機構(CTLA-4 や PD-1 など)を解除することで、T細胞ががん細胞を攻撃できるようにする戦略に関する研究です。

Allison は、 T細胞の抑制性分子 CTLA-4 に関する研究を行い、抗体による阻害が腫瘍を排除する可能性を示しました。本庶 佑は、T細胞上のプログラム細胞死分子 PD-1 を発見し、その抑制作用を明らかにしました。  2025.10.7.

神戸育ちの実業家の履歴書は面白い

私が属している東灘区の碁楽会のメンバーである実業家石田氏は、米寿を過ぎている先輩で、真夏でもジャケットに蝶ネクタイと、なかなかのダンディー。話題が豊富で、何しろ面白い。

先に私の本「八十っ過ぎてからの挑戦」をお渡ししたので、そのお返しに、「あるがままに生きる私の履歴書」という彼の著書を頂きました。執筆されたのが2018年、彼が82歳の時です。動機は、私と同じく自らの病がきっかけだったようです。

この本を読むまで、彼が、飛行機をチャーターし、さくらんぼをアメリカから日本に初めて輸入し、銀座で販売し、大成功したことは聞かされていたのですが、詳しいことは知りませんでした。神戸生まれ・神戸育ち。丹波や各地に直営の自家農場を持ち、カボチャやベビーリーフなどの青果物の販売会社M V M商事を経営、近々50周年を迎えられます。

私は、商いとは縁のない世界で生活していたので、初めて知ることばかりです。実業家として成功するには、幅広い交流関係、瞬時の判断力・決断力が不可欠であること、大きなロマンを持つ人間でなければならないことが、彼の履歴書を読んでよくわかりました。2025.10.2.