リハビリテーションは現代医療の潤滑油

私は、80歳を過ぎて度々入院・手術を繰り返しています。その度に、痛む傷口を庇いながら、歩行練習の手助けをしてくれたのが理学療法士です。医師や看護師の視線は絶えず傍のパソコン画面を向かっています。その点、どのセラピストの方々も、温もりのある手で私の身体に触れながら、ゆっくりとした口調で話し相手になって下さいます。

最近、体調も回復し、再び障害児の神戸医療福祉センター「にこにこ」に顔を出す機会が増えました。センターには、脳性麻痺児の筋力強化訓練・関節可動域訓練・歩行訓練など大きな動作訓練を行う理学療法士だけでなく、病気や障害のある人々の日常生活を支援する「作業療法士」と「言語療法士」がいます。

作業療法士の役割は、小児の発達障害や精神障害者の支援、高齢者や認知症のリハビリテーション・介護予防などを目的に、日常生活動作訓練や感覚情報処理能力訓練、コミュニケーション行動訓練など広きにわたっています。

言語療法士は、言語訓練だけでなく、摂食・嚥下訓練などを担当し、日常生活動作機能の向上を目指しています。

リハビリは、1日に40分間、1〜2週に1回を、3か月間行うのを1クールと呼んでいます。多くの方はこのクールを数回繰り返し行っておられます。この間、セラピストは、ご家族に自宅での訓練方法を伝授し、より効果が上がるように努めています。

40分という時間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。治療ごとに実施記録や実施報告書を書かねばなりません。いま、私は職場の仲間と一緒に、書類作成はAIに任せて、セラピストがゆっくりと患者さまに向き合える時間を保てる工夫を行なっています。   2024.3.9.