人類に翻弄される自然界

地球の温暖化、二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの増加により生じた気候変動により、パキスタンでは国土の3分の1が水没する大洪水を、中国は歴史的な干ばつ被害を出しています。
身近なところにおいても、人類の手による自然破壊により、これまで考えられなかった変化が起きています。

「水至清則無レ魚、人至察則無レ徒」

神戸沖でのイカナゴ漁が近年不漁だそうです。その原因は、大阪湾の水質汚染対策により、プランクトンが減り過ぎたたためだそうです。
孔子さまは、「水至清則無レ魚、人至察則無レ徒」、水清ければ魚棲まず。あまりに清廉潔白すぎると、かえって人が近よらないことの喩えとして話されました。自然保護対策では、孔子の言、「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」の方が当てはまるようです。

東京駅が浮き上がる!?

昭和40年代、東京湾岸の地盤沈下が進んだ時に、原因となる地下水の汲み上げが規制されました。そのせいで、地下水位が上昇し、上に建物などの重量物がない駅に浮力がつき、浮き上がりかねない危機に瀕したそうです。
その対策として、過剰になった地下水を、水質悪化に苦慮していた品川区の立会川までパイプで送水しています。品川駅と大井町駅の間で京浜東北線に乗車していると、線路の東側に青いパイプラインが見えます。

地下水と立会川のはなし – 東京慈恵会医科大学 外科学講座HPより

大地震が都市部の真ん中で液状化を

東北大震災に時には、東京の地下鉄で、一部に水が湧気出たそうです。阪神淡路大震災でも、液状化現象で道路にうねりが生じていました。
液状化は、地盤中の砂の粒子が水(地下水)に浮いた状態になることです。地下水位が高ければ高いほど液状化が発生しやすくなります。大地震が起きた際には、都市部の真ん中で、思いもよらぬ悪影響を及ぼすかもしれません。

2022.10.26.

学校で出会った友は、生涯の友

令和2年度の文部科学省の調査では、小学生63,350人(1.0%)、中学生132,777人(4.09%) 、高校生43,051人(1.39%)が不登校です。中学校では、どのクラスにも不登校児が2人いる勘定です。
平成17年度以降、全国の小・中・高別の不登校生徒数は、増加の一途です。なかでも、平成25年度を境に一気に増加し続けています。

なぜ不登校児が増えているのか?

不登校の要因である貧困・ヤングケアラーなど家庭の生活環境に係る深刻な問題は、政治的な課題です。
一方、学業を続ける上で何の不自由もない家庭環境にある生徒の不登校も少なくありません。ネット社会に適応しない学校での指導内容は、これらの生徒たちにとって魅力的でなく、苦痛を伴うようです。
一日中硬い椅子に座り、くそ面白くない、分かり切った知識伝授だけなら、ネット社会に、わざわざ、学校に行く必要がなくなったのでしょう。

「SNSネイティブ」の中学生たち

今の中学生は、「SNSネイティブ」です。スマホの普及とともに利用が拡大したのが、Twitter・Instagram・LINEなどのSNSです。彼らは、SNSを使いこなして情報収集を行ったり、知人とコミュニケーションを取ったりしています。世の中はデジタル化が進み、大きく変化しています。宇宙に人間が飛び立ち、世界中の子ども同士がスマホで交信できる世の中です。

学校は子ども同士のコミュニケーションの場

高1になる孫娘のSNSの交信相手をみると、同じ高校の友人のようです。デジタル化が進んでも、いつも一緒に生活しているクラスメイトです。いきなり出会ったことのない人と話すのには抵抗感があるようです。
学校が、同年代のいろんな友人と知り合う場であることは、今も昔も変わりません。学校で出会った友は、生涯の友です。
2022.11.21.

医療者のバズワードに困惑する患者

最近、「バズる」という用語をよく耳にするので、何かと調べてみると、SNS上で一挙に話題が広まることを指し、若者たちの間では日常的に用いられているようです。

バズは英語の「buzz」に由来

英語の「buzz」は、元々、蜂や機械などの「ブンブン」や「ブーン」という音を表した語です。そこから、「buzz」は人のざわめきや噂話、口コミによる評判なども意味するようになったそうです。バズるは、この英語の「buzz」に「る」を付けて日本語化した語です。

「バズワード」とは

バズワード(Buzzword)とは、定義や意味が曖昧(あいまい)でわかりにくく、もったいぶった専門用語、宣伝文句、キャッチフレーズなどを指します。バズワードには「耳障りなことば」という意味も含まれています。
一般人には馴染みにくいコンピュータ用語として、「クラウド」「ユビキタス」など数多くのバズワードあり、「メタバース」は最近の代表例です。
「ダイバーシティー」という用語もそうです。時代を象徴するキーワードのようにみえて、人や用いる文脈により意味する内容がさまざまです。

医療分野にはバズワードが多い

医療分野には、医療者間でしか通じない専門用語が数多くあります。これも患者にとってはバズワード。医師が平易に話してくれると理解できることでも、専門用語ばかりで説明されると、患者は煙に巻かれてしまいます。
手術前のインホームド・コンセント(患者への説明と同意)は平易に書かれていますが、ぎっしりと小さな文字で書込まれた文書は、患者にじっくりと考える猶予を与えてくれません。

2022.11.14.

有馬瑞宝寺公園にて

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行に備えよう

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は異なるウイルスによる感染症ですが、この2つの病気が同時に流行すると、熱を出した子どもが小児救急外来に殺到し、通常の小児科診療が行えない状態になります。そのような事態を防ぐには、ワクチン接種が最も効果的です。

インフルエンザワクチンは、流行が始まるまでに接種を完了させておく必要があり、早めの接種をおすすめします。また、新型コロナワクチンについては、現在5~11歳の子どもたちに対して小児用ワクチンの接種が実施され、10月末からは6か月以上の乳幼児への接種が開始されています。

接種後の発熱や痛みなどを心配されておられる保護者も多いと思いますが、5~11歳用ワクチンの副反応は12歳以上用ワクチンに比べて少ないことがわかってきました。加えて、インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの同時接種も可能で、積極的にワクチン接種を受けることを検討してください。

2022.11.11.

兵庫県子育て支援ネットワーク11月号

VRゴーグルで悪戦苦闘の日々

VRゴーグル、Meta Quest 2を入手したものの、身近なところにいるITに詳しい人達でもVRゴーグル使用は未体験と言われ、途方に暮れていました。とある日、大阪に住んでいる姪の一家がVRに強いという情報を耳にしました。早速ヘルプのサインを送ると、自分よりも詳しい息子を伴って、訪ねてきてくれました。

日本語チュートリアル・ワールドに入る

大学生の姪の子は、額に汗して、物分かりの悪い高齢の私に教えてくれるのですが、私はコントローラーを手指でなかなかうまく操作できません。取り敢えず、Meta Quest 2 を初期設定し、日本語チュートリアル・ワールドに入るところまで指南を受けました。(日本語が通じるのはこのワールドだけです。画面・音声ともに日本語訳がなく、英語です。何か日本語教科書のなかった自分の大学生時代に逆戻りした感じです。)
このワールドに入ると、アバターたちが日本語で話しかけてきます。彼らは、ハイテンションな物言いで、親切に答えてくれます。初体験の私には、彼らが話しかけてくる用語の意味が理解できず狼狽えるだけです。姪の助けにより、初日のレッスンを何とか終えることができました。
その後も、メールによる姪のチュートリアルのおかげで、自分のアバターを作成し、自分の部屋の中を動き回れるようになりました。

YouTubeで世界遺産めぐり

VRにおいても、パソコンと同じようにYouTubeにアクセスできます。VRは3次元の世界であり、迫力のある像を映し出してくれます。
これまで私が訪ねたソフトの中で、”Ancient city Petro of Jordan”が最も感動的でした。8K画像で、360度。まるで現地に自分が立っているような気持ちになります。8K画像の素晴らしさを初めて知ることができました。

孫はゲームを楽しむ

VR目当てに、小6の孫娘が早速訪ねてきました。彼女にとって、VRゴーグルは、はじめての体験ですが、あの複雑なコントローラー操作を瞬く間に会得し、スターウオーズのゲームソフトで、両手を上下左右に振り回しながら遊んでいます。スマホ・ゲームに慣れ親しんでいる若者は、指先を器用に動かし、すぐにVRを使いこなせるのです。

VR仲間になって下さい

私には、ゲームで遊ぶという選択肢はなさそうです。ゆっくりと世界を旅し、バーチャル・ルームで会話を楽しむだけです。それには、VR仲間を早く探し出すことです。
2022.11.6.