東アジアでは、新型コロナ感染者が少なかったが。。。

Googleの新型コロナ全世界統計情報をみると、日本では11月初旬から増加の一途で(図1)、正月明けから感染爆発となりました。1月7日時点の一日感染者数7,563人、累計で26万5千人近くにまで急増し、政府は慌てて1都3県に緊急事態宣言を発令しました。

日本の一日感染者数の推移


以前から、欧米に比べて東アジアではCOVID-19の感染者数が少ないことは謎でした。台湾、ベトナム、シンガポールでは9月以後ほとんど感染者は見られません。

香港でも11月末に小さなピークがありましたが、その後に目立った増加はありません。

ところが、日本だけでなく、韓国でも同じような感染者数の急増が見られています(図2)。


図2. 東アジア諸国の累計感染者数の比較 1月6日現在


台湾、ベトナム、シンガポールには第三波がない

台湾では流行当初より、デジタルデータを活用した、緻密な防疫対策が国を挙げて実践されたことは10月14日付のブログで紹介しました。シンガポールも同様に、政府の強いリーダーシップのもとでCOVID-19を制圧したようです。これらの国々では、恐らく、SARSでの苦い経験が役立ったのでしょう。

コロナを抑え、ワクチンも開発したベトナムの底力

注目すべきはベトナムです。人口9700万人のベトナムは、累計の感染者数1,509人、死者35人(1月6日現在)と、コロナ制圧で特筆すべき国家です。

ネットで検索していると、2020年のGDPも前年比2.91%とプラス成長を達成したベトナムでは何が奏功したのか。というオルタナ副編集長、吉田広子氏の記事が見つけました。

その中に、Vietnam-Japan University客員研究員桂良太郎氏のコメントとして、「ベトナム戦争を経験したベトナム国民は、平和、命の尊さを知っている。社会主義国であることもあり、政府や公的機関からの指示を信頼し、受け止めて行動する風土もある。勤勉な国民性とともに、ベトナム政府の優秀な人材がリーダーシップを発揮したことが功を奏したのではないか」と記載されていました。

ベトナム政府は、世界的にコロナが感染拡大し始めた2020年2月初旬から、強力な防疫措置、外出制限を実施し、その後は全く感染拡大が見られていません。経済面でも、2021年のGDP成長率目標は約6%に設定しているそうです。ベトナムでは、新型コロナウイルス対応ワクチンの開発も進んでいるとは驚きです。

日本と韓国で、なぜ感染爆発が

これまで東アジアの諸国では、欧米に比べてCOVID-19の感染対策が成功していると思われていましたが、日本と韓国では昨年11月から感染者数が増加の一途です。その理由として2つ考えられます。

  • 日本と韓国は緯度の高い地域にあり、気温が低いこと。
  • 感染対策よりも経済優先の政策で、当初より、徹底した感染抑止策をとらなかった。

感染抑止に今も成功している台湾・シンガポール・ベトナムに共通しているのは、政府の強力なリーダーシップ、政府への国民の信頼感がベースになっているようです。

日本は、二律背反する感染対策と経済対策の同時進行を目指すあまり、後手後手の感染対策となり、若者たちの危機管理意識を奪ったことが感染爆発に結びついたようです。

 

新型コロナによる死亡率、大阪・兵庫は東京の3倍も高い

大阪の新型コロナによる死亡率が他の府県に比べて異常に高いのが、これまでから気になっていた(図1)。

12月に入り、感染者数の増加とともに、大阪・兵庫の死亡数は他府県に比べ急に増加し、人口当たりの死亡者数の割合および感染者数当たりの死亡者数の割合が、全国平均や東京・神奈川に比べて、ほぼ3倍近く高いレベルを示している(図2)。




年明けとともに、首都圏での感染者数の増加で緊急事態宣言が取り沙汰されているが、死亡者数をみていると、大阪・兵庫の方がはるかに危機的状況だと思うが、あまり問題視されていないのが不思議でもある。

報道の数字だけしか手元にないので、細かい分析はできていないが今後も注視していきたい。


参考

 


2021-01-04


 

私のお正月2021

元旦の朝、目を覚まし、寝室のカーテンを開けると、年末からの寒波で薄っすらと雪を被った六甲山頂が、新年の朝日に映えて美しく輝き、市中が新型コロナ禍にあるのが信じられない、素晴らしい眺めでした。

山頂に聳える電波塔が、何か観音像のように見え、思わず手を合わせ、1日も早いワクチン接種、新型コロナ終息を祈願しました。

年末年始はお静かにという国や県の求めに応じて、例年なら近郊のホテルに家族が集い、賑やかに過ごす正月ですが、夫婦二人きりでの静かな正月も新鮮でした。半世紀以上にわたり寄り添えたことに感謝し、互いの健康を願い、雑煮を頂きました。

元日の夜は、ZOOMによる家族新年会です。4家族の集まりで、最初はどうなるかと心配でしたが、流石に孫たちはWeb会議に慣れており、巧みなカメラワークと会話で盛り上がり、最後には息子家族がバイオリン・ギターのおうち演奏を披露してくれました。アンコールには、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団のNew Year Concertと同じように、ヨハン・シュトラウスの「ラデツキー行進曲」で締め括られました。

何もかもが、新しいスタイルのお正月です。感染終息の暁には、これまで経験したことのない新しいスタイルの生活、素晴らしい世界が開けるのが楽しみです。

2021-1-3