これは、作家司馬遼太郎さんが最後に子どもたちに書き遺したメッセージ、1999年に小学校用教科書用の書き下ろし作品のタイトルです。その一部を紹介すると、
「人間は、自分で生きているのではなく、大きな存在によって生かされている。」と、中世の人々は、ヨーロッパにおいても、東洋においても自然に対してへりくだって考えていた。
この自然へのすなおな態度こそ、21世紀への希望であり、君たちへの期待でもある。そういう素直さを君たちが持ち、その気分を広めてほしいのである。
そうなれば、21世紀の人間は、前世紀にもまして尊敬し合うようになるにちがいない。そのようになることが、君たちへの私の期待でもある。
21世紀に入り、すでに4分の一が経った今
司馬遼太郎の思いとは、全く逆の社会に、世界も、日本も進んでいます。
自然への畏怖の念どころか、いかに自然を克服するかが至上命題のように現代人は振る舞っている気がします。
とりわけ、AIの出現は、人間が自然の一部であることを忘れさせたようです。なにか勘違いして、おごり昂っています。
地球が汚れてしまえば、他の星へ移動すればとよいとの考えもあるようですが、それではもう人間ではないでしょう。
50年後には、高齢化の波も終わり、若者たちが賑やかに神輿を担いでいる活気ある日本の姿を夢見ています。 2025.2.22.