モモと「時間どろぼう」

ドイツ人ミヒャエル・エンデ著の児童文学「モモ」は、誰からの話しかけにもたっぷりと時間をかけて応じてくれる少女モモと、「時は金なり」と絶えず素早く仕事するよう追い立てる「時間どろぼう」との話です。

高度成長期が終わり、格差社会が広がった1973年に書かれたもので、読まれた方も多いのではないかと思います。

いま、これまでなかった在宅勤務で、1日の時間の使いかたに戸惑っておられる方も多いと思います。

在宅勤務で時間的余裕ができた方は、これまで時間どろぼう(灰色の男たち)に、余った時間をそっくり持って行かれていたのを、モモがするようにゆっくりと時間をかけたライフ・スタイルに変えるなら、ポストコロナ社会が心豊かに過ごしやすいものとなるでしょう。

在宅勤務でストレスがたまった夫が、女性や子どもに対するDVが増えることのないように願っています。

148. テレワークで子育てが変わる

新型コロナ流行をきっかけに、テレワーク(在宅勤務)で親が家庭いる時間が長くなり、また「中央から地方へ」という新しい生活スタイルが始まりました。

親が家にいると、子どもはいっしょに遊びたがり、テレワークの邪魔になることもあります。これで児童虐待が増えてはなりません。地域での子育て家庭への新しいかたちの支援・見守りが求められます。

これまで地域との関わりの少なかった働くお母さん・お父さんが、地域社会の一員として、地域活動にうまく入り込めるきっかけづくりが必要です。

地域での「子育て応援ネット」のもつノウハウが、新しい時代の住みよい町づくりに、役立つにちがいありません。テレワークで公園から子どもたちの大きな遊び声が響きわたる、活気ある町づくりのきっかけにしたいものです。

2020年9月

 

新型コロナ後の新しい生活と子どもたち

新型コロナ感染対策として、3蜜の回避、外出自粛が求められたのを機会に、わが国でもインターネットを活用した生活が見直され、一気に加速しそうです。

大人の社会では、働き方改革の一環として、在宅勤務の割合が増え、両親が揃って家にいる時間が増えます。子どもたちの学校ではオンライン授業が取り入れられ、休校中でも在宅で学習できるようになり、家族揃って、夕食をとる家庭が増え、親と子の対話も増えることでしょう。

一方、今の都市生活では、家族がくつろげるだけの空間しかなく、落ち着いて在宅勤務できる家庭は限られているでしょう。とくに、乳幼児のいる家庭では、仕事をしようと思っても、子どもは許してしてくれません。都市部では庭付きの住宅を持てず、郊外に移り住む家族が増え、都市集中型から地方分散型へと、新型コロナ流行を機会に変化していきそうな気がします。

今回の休校で、世界各国でもオンライン授業が試みられています。先進国の中で、日本はパソコン・スマホの普及率が低く、少し遅れをとっているようです。これまでのところ、対策としてテレビや民間の教材を一部の学校では用い始めているようですが、両親への負担が大きく、戸惑っておられる方も多いようです。

人と人とのコミュニケーションをとるには、言葉、動作振る舞い、表情、声の調子などで相手に自分の気持ちを伝えますが、言葉による表現力に乏しい子どもたちにとって、オンラインで友達と十分なコミュニケーションをとれません。学習ドリルやオンライン授業で知識力はある程度カバーできるでしょうが、五感を養い、友だちとのコミュニケーションをとり、協調性を養う教育目標達成には大いなる工夫が必要となります。

休校明けで、友達と出会い、マスクをしながら校庭をかけ巡る子どもたちの姿を見ていると、外出自粛が子どもにとっては大人以上に大きなストレスになっていたことがよくわかります。

2020/7/26

赤ちゃんの四季

 

 

 

 

 

147. ビデオ通話で遠隔地にいる孫の顔が

2020/7/19      令和2年8月号

新型コロナ感染防止のために、学校は休校となり、外出自粛が求められ、新型コロナ後の新しいライフスタイルが話題になっています。

これまで若者中心に利用されていたビデオ通話を、祖父母世代も使い始め、遠隔地の孫の顔を見ながら会話を楽しめるようになりました。学校が休みになったこともあり、以前よりも孫との会話の機会が増えたと喜んでおられる方もおられるでしょう。

ビデオ通話で積み重ねてきた孫のイメージから、次回出会ったときに抱きしめた感触を想像するだけでワクワクします。その日が待ち遠しくなります。

これまで、小・中学生はスマホを控えるようにと指導していましたが、このようにスマホを通じてしか、お友達と連絡が取れない生活が続くと、子どもたちの心のケアにも役立ったことでしょう。

とはいえ、スマホだけでのお友達とのコミュニケーションの物足りなさを、身をもって感じとってくれたにちがいありません。

COVID-19 2020/2022

2020 December

2020 November

東京、NY、CA のCOVID-19感染者数推移の比較

2020.05.29 Friday

日本においては、COVID-19感染の爆発的広がりもなく、押さえ込みに成功したようです。

2月末から続けてきた「COVID-19を追って」も今回を最後とします。再拡大のないことを念じて、筆を置きます。

2月末から5月29日までの記事は http://covid19.hajime.boy.jp  で閲覧できます


2020.05.29 Friday

東京、NY、CA のCOVID-19感染者数推移の比較のまとめ

東京都では他の2州に比べて、感染者数、死亡者数ともに100分の1という極めて低い水準です。その背景には、1)NYに比べてCAおよび東京はまだ1日感染者数が100人未満の時に緊急事態宣言が出された。2)CAおよび東京では当初の感染者数の増加速度には大差がなかった。CAではその後の増加を抑えられなかった理由としては、日本人の規律を従順に遵守する国民性が、CAのような増加が持続する事態に至らなかったと考えられます。

  • 東京都、兵庫県、および米2州、ニューヨーク州(NY)とカリフォルニア州(CA)のCOVID-19感染者数の推移を比較した。日々の感染者数は変動が大きいので、前7日間の移動平均でプロットした(図1)。
  • いずれの都市においても3月6日の時点では、感染者数は人口1千万人あたり10人以下であった。
  • NYでは100人前後に達した3月16日頃より急峻な増加を示し、Doubling timeは2日未満であった。1日100人から1,000人に増加するのに7日未満であった。
  • CAで倍増に要した最速日数は3日、東京都で4日と、NYに比べてなだらかな増加を示した。
  • NY州の3月22日(ロックダウン開始日)の感染確認は1万5168件、死者114人であったが、5月6日(ロックダウンから46日後)の感染確認 32万6,659件、死者2万5,028人と増加、その後も増加が続いている。



日本における緊急事態宣言

2月27日 全国の小中高校に休校要請が出された。不要不急の外出自粛が求められた。

3月11日 WHOがパンデミックを表明した。

3月19日 政府専門家会議は オーバーシュートの恐れありと警鐘を鳴らした。関西では、大阪府と兵庫県の間の不要不急の往来自粛の呼びかけがなされた。

3月24日 東京五輪・パラリンピック、2021年夏までの開催延期決定。

3月25日 小池都知事が「感染爆発の重大局面」と緊急会見。

4月7日 緊急事態宣言が出され、外出自粛が要請された。5月21日に解除された。


NY州, CA州におけるLockdown宣言

NY州では3月22日にロックダウンが開始日された。感染者数は1万5168人、死者114人で、1日の新規感染者数は500人を超えており、医療崩壊が起こっていた。

5月6日(ロックダウンから46日後)の感染確認 32万6,659人、死者2万5,028人と増加、その後も増加が続いている。

CA州では3月19日にロックダウン開始。NY州に比べて、当初の増加速度は比較的穏やかであったが、ロックダウン開始1ヶ月後には一時減少傾向にあったが、その後再び増加に転じ、今でも増加している。


 

世界18カ国のCOVID-19感染者数および死亡者数との対比

2020-5-29

  • WHOの5月16日のデータをもとに、世界18カ国のCOVID-19感染者数および死亡者数との対比を示すグラフを作成した。
  • アジア地域では感染者数も、死亡者数もともに低く(シンガポールは感染者数数が多いが死亡者数は少ない)。
  • スペイン、イタリア、イギリス、フランス、オランダ等のヨーロッパ諸国では早期に感染拡大があったこともあり、感染者数、死亡者数ともに著しく高い。
  • スエーデンは他の北欧3国に比べて感染者数、死亡者数ともに高い。
  • 人口10万人あたりの感染者数が200人を超えると、死亡数が急増している。


飼いネコ間のCOVID-19直接接触感染

2020.05.28 Thursday

2019年にCOVID-19が発生している正確な原因はわかりませんが、もともとは動物の感染源であることがわかっています。

現時点では、COVID-19を引き起こすウイルスの拡散に動物が重要な役割を果たすという証拠はありません。現在までに入手できる情報が限られているため、COVID-19が人に拡散するリスクは低いと考えられています。このウイルスについてはまだ調査中ですが、状況によっては人から動物へと広がる可能性があるようです。

www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/daily-life-coping/animals.html

COVID-19が陽性であった動物の最初の米国での症例は、NY動物園のトラでした。


飼いネコ間の直接接触感染を検討

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32402157/

2020年4月に米・ニューヨーク市で2世帯の飼いネコ2匹で初めてSARS-CoV-2陽性が確認された。中国では、ネコやフェレット間での実験的な空気感染が報告されている。

今回の研究では、SARS-CoV-2を接種したネコと未感染のネコを一緒に飼育し、直接接触によりウイルス感染が起こるかどうかを評価した。

今回、ネコが感染する可能性があることが実験的に確認されたが、SARS-CoV-2への曝露による自然感染リスクはかなり低いようだ。また、ネコは、ネコ同士よりもはるかにヒトからSARS-CoV-2に感染しやすいとの指摘もある。

 

高齢者には 何も新型コロナだけが特別でない

齢80の身、他人に迷惑をかけてはならぬと、毎日家に閉じこもっています。今回のパンデミックは、近年では桁違いのもので、ウイルスの恐ろしさを改めて実感しています。

下図は、50代の死亡率を1.0とした時に、年齢とともにどう変化するかを示した図です。高齢者はハイリスクと言われ続けていますが、高齢者にとって、新型コロナだけが特別に恐ろしいわけではありません。

平均余命に手がとどくところまで来ると、まさにサーバイバル・レースです。特段のことがなくても、これからは仲間の4%が毎年死亡して行くのです。

ここまで来れたことに感謝し、毎日毎日を大切に過ごしたいものです。新型コロナはどこに潜んでいるか分からないようなので、気をつけてください。



2020.05.25 Monday

ニューヨーク市の三次医療センターでのCOVID-19重症小児例の臨床的特徴

Clinical Characteristics and Outcomes of Hospitalized and Critically Ill Children and Adolescents with Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) at a Tertiary Care Medical Center in New York City  The Journal of Pediatrics (2020), doi: https://doi.org/10.1016/ j.jpeds.2020.05.006.   By Jerry Y. Chao JY, et al. Department of Anesthesiology, Albert Einstein College of Medicine, Montefiore Medical Center


研究デザイン:2020年3月15日~4月13日の間に単一の三次医療の小児病院からCOVID-19を使用した1か月から21歳の子供67人について重篤な疾患の臨床プロファイルと危険因子について検討する。

結果:67人の子供がCOVID-19の検査で陽性であった。 21名(31.3%)が外来患者として管理されました。入院患者46名のうち、33名(72%)が一般小児医療ユニットに入院し、13名(28%)が小児集中治療室(PICU)に入院した。

肥満と喘息は非常に流行していたが、PICU入院とは有意に関連していなかった(p = 0.99)。 PICUへの入院は、より高いC反応性タンパク質、プロカルシトニン、およびプロBタイプのナトリウム利尿ペプチドレベルと血小板数と有意に関連していました(すべてのp <0.05)。 PICUの患者は、高流量の鼻カニューレを必要とする可能性が高く(p = 0.0001)。

重度の敗血症と敗血症性ショック症候群は、7人(53.8%)のPICU患者で観察されました。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は10人(77%)のPICU患者で観察され、そのうち6人(46.2%)が中央値9日間の侵襲的人工呼吸を必要とした。 PICUにいる13人の患者のうち、8人(61.5%)が自宅に退院し、4人(30.7%)の患者が14日目の換気補助により入院したままです。1人の患者は、転移性癌のために生命維持療法の中止後に死亡した。

結論:COVID-19で入院した小児患者において、PICU入院を必要とする重症疾患の以前に認識された率よりも高い率にあった。PICUに入院した子供たちの平均入院期間は、一般医療機関に入院した子供たちよりも4日長くなりました。

入院時に最も頻繁に報告された症状は咳(63%)と発熱(60.9%)。入院前の症状の持続期間の中央値は3日でした。病気になる前にCOVID-19の影響を受けた地域に旅行した子供はいなかったため、COVID-19の人との接触が確認されたのは20人(43.5%)の子供だけだった。

子供は軽度のSARS-CoV-2疾患を経験すると考えられているが、これらの結果と以前の研究の結果は、一部の小児患者がPICUの入院を必要とするほど重篤な疾患を発症していることを示唆しています。 「このサブセットは、メディカルユニットの患者と比較して、炎症マーカー(CRP、プロBNP、プロカルシトニン)が大幅に高かった。炎症が原因でARDSの発生率が高くなった可能性が高い。ただし、IL-6および他のサイトカインの血清レベルではARDSと決定されなかった」と著者らは記している。

後方視的コホート研究では、単一のセンターで治療された177人の子供と若い成人のうち、1歳未満と15歳以上の患者がCOVID-19で重症になる可能性が高いことがわかった。 2つの年齢グループのそれぞれが入院患者の32%を占めていた。


2020.05.23 Saturday