mRNAワクチンが世界中の人々を救う

2012.6.19.

 ハンガリー出身の66歳の科学者、カタリン・カリコ博士が研究開発した「メッセンジャーRNAmRNA)」技術によるワクチンにより、世界中の人々が新型コロナウイルスから救われようとしています。

彼女は、mRNAワクチン開発の偉大なパイオニアの一人である。逆境にも負けず、この革新的な方法を信じ続け、ファイザー、ビオンテック、モデルナの超迅速なワクチン開発・実用化を可能にしたのです。多くの人が、彼女が将来ノーベル賞を手にすると見ています。

私もこのワクチンの2回目の接種がようやく済み、巣篭もり閉塞感から解放された思いです。明日620日で、兵庫県の非常事態宣言も解除され、多少は気兼ねなく外出できそうです。

日本でのワクチン接種は、欧米に比べて接種開始が遅れ、その予防効果はオリンピックに間に合いそうではありません。1日も早く、若者層にまで接種が円滑に進むことを願っています。

mRNAワクチンとウイルスベクターワクチンについて

2021.6.8.

ようやく日本でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの接種が本格化しています。
新規プラットフォームワクチンとしては、mRNAワクチンとウイルスベクターの2種類があり、現在, 我が国で承認されているのはファイザー社製のmRNAワクチンと、アメリカの製薬会社モデルナが開発したワクチンです。いずれにおいても、国内での治験の結果、中和抗体の上昇が認められたそうです。イギリスの製薬大手アストラゼネカのは、ウイルスベクターワクチンです。 

mRNAワクチンとは

現在, 我が国で用いられているファイザー社製のmRNAワクチンは, 脂質ナノ粒子などのキャリア分子に抗原タンパク質をコードするmRNAを封入した注射剤です。
mRNAを脂質ナノ粒子 (LNP) で包み、筋肉注射を行うとmRNAは筋肉細胞内に入り、細胞質で直ちにタンパク質が作られる。そのタンパク質は、細胞内の酵素でプロセッシングを受け、MHCクラスIに提示されます。すると、細胞性免疫が活性化されます。
一方、細胞に発現している完全な形のウイルスタンパク質は、異物であるために、細胞が死ぬと、このタンパク質は抗原提示細胞へと輸送されます。細胞内でプロセッシングされた後、MHCクラスIIに提示され、やがて液性免疫の活性化へとつながります。
つまり、mRNAワクチンは、擬似的なウイルス感染を体内で生じさせ、細胞性免疫、液性免疫の両方を活性化する技術なのです。

mRNAワクチンは、インフルエンザ、HIV, ジカ熱,などに対する感染症予防の臨床試験が開始されています。

 ウイルスベクターワクチン

ウイルスベクターワクチンは, ヒトに対して無毒性または弱毒性のウイルスベクターに目的の抗原タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ組換えウイルスを使用しており, ヒト体内で複製可能なものと不可能なものがあります。
ウイルスベクターワクチンの利点としては, 抗原タンパク質発現の安定性, 細胞傷害性T細胞応答誘導, アジュバントが必要ないことなどが挙げられています。しかし, 使用するウイルスベクターによっては, ヒトゲノムへのウイルスゲノム挿入変異による発がん, ウイルスベクターに対する既存免疫によるvaccine failure, ウイルスベクターそのものによる病原性, 低力価,などのハードルが指摘されています。
COVID-19に対するウイルスベクターワクチンとしては, Oxford/AstraZenecaのワクチンがすでに英国で使用許可を受け, 接種が開始されています。このワクチンで使用されているチンパンジーアデノウイルスベクターは, アデノウイルスベクターで問題となる既存免疫がヒトにおいては極めて稀と考えられ, 他の新興再興感染症に対するワクチンとして開発が進められてきたものです。
参照 IASR Vol. 42 p36-37: 2021

これまでのワクチン

これまでのワクチンは、感染の原因となるウイルスや細菌をもとに作られてきました。成分の違いから、大きく「生ワクチン」「不活化ワクチン」「トキソイド」に分けられます。

 生ワクチン
生ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られます。「ロタウイルス」、「BCG(結核)」、「MR(はしか、風疹)」、「水痘(水ぼうそう)」、「ムンプス(おたふくかぜ)」が代表的な生ワクチンです。

不活化ワクチン
不活化ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせたもの(不活化、殺菌)を原材料として作られます。
「ヒブ」、「肺炎球菌」、「B型肝炎」、「ジフテリア・百日咳・破傷風菌・ポリオ(四種混合)」、「日本脳炎」「インフルエンザ」が代表的な不活化ワクチンです。

トキソイド
死滅した細菌の毒素を無毒化したワクチン。「ジフテリア」、「破傷風」が代表的なトキソイドワクチンです。これらは不活化ワクチンにも分類されます。

桂林訪問の思い出

唐招提寺障壁画展で水墨画を観ていると、2012年9月に訪れた桂林のことが思い出されました。

反日デモの渦中での中国訪問
2012年9月11日に日本政府が尖閣諸島3島の国有化を宣言したために、中国の各都市では反日デモが行われていました。9月15日の土曜日には、日中国交正常化以降最大規模の2005年の中国における反日活動を超える規模となる反日デモが中国各地で発生し、日本企業への大規模な襲撃が引き起こされている最中でした。

上海婦幼保健院との医学交流
2012年9月16日から、上海婦幼保健院において、新生児医療の日中医学交流のために私たち一行は上海を訪れました。上海婦幼保健院は、宋慶齢元国家副主席 (上海出身)が、設立された産科小児科病院で、年間数千の分娩を扱い、近代的なNICUも完備されていました。2日間にわたり、学術講演会、意見交換会を行い、上海郊外での地域周産期医療提供体制についても見学することができました。
会議では、中国側の手厚い配慮のおかげで、反日活動とは縁のない雰囲気で、私どもは普段通りに振る舞うことができていました。

ただ事ではない桂林訪問
会議終了後、現役で働いている医師たちは、直ちに帰国の途につきましたが、私と仁志田先生は、すでに現役を退いており、自由な活動が可能な身でしたので、かねてから望んでいた桂林に行くことにしました。
上海から桂林に向かう国内便に乗ると、隣の座席の中国人が大きく広げた新聞には、「打倒小国日本」というバカでかい活字が目に飛び込んできました。
ここで初めて、「これはただ事ではない。」と感じました。でも、仲間が五人いるし、うち一人は中国人で大変親日家の通訳顧振申さんなので、さほど不安感はありませんでした。
その顧振申さんも、事態の異常さに気づいたのか、私たちに「あまり大きな声で日本語を話さないように」と耳打ちしてくれました。

それでも幻想的な桂林の水墨画風景
観光船やイカダによる漓江下りでは、カルスト地形による特徴的な形の山々と、その間を縫って流れる川の風情を、象が水を飲んでいるような象鼻山、コブのあるラクダのような駱駝岩などユニークな桂林の水墨画風景を満喫できました。
陽朔での夜は、中国で有名な映画監督、張芸謀がプロデュースする、陽朔の美しい自然をバックに繰り広げられる1時間ほどのショーまで観ることができました。

中国滞在中は、さほど私自身には危機感がなかったのですが、帰国すると家内からものすごい非難の言葉を浴びせかけられました。

2021.6.4記

唐招提寺御影堂障壁画展をみて

神戸市立博物館では、東山魁夷の唐招提寺御影堂障壁画展が4月末から6月6日まで開催されています。宣言解除を待っていたのですが、制限緩和もあり、家内の誕生祝いをかねて、昨日午後に鑑賞に出かけました。

鑑真和上千二百年忌を記念して、国宝鑑真和上坐像安置のための御影堂が1964年に現在地に移築し、当初の姿に復元されました。東山魁夷は和上の強い精神力への讃仰の心から制作を引き受け、1970年から10年以上の歳月を費やして、唐招提寺御影堂障壁画を完成したのです。

障壁画「山雲」、「濤声」から伝わる精神的力強さは、コロナ禍の現代人を勇気付けてくれます。東山魁夷は、神戸で少年時代を過ごしており、六甲の山・海が影響しているのかもしれません。


唐招提寺御影堂障壁画山雲(部分)1975


唐招提寺御影堂障壁画桂林月宵(部分)1980

2021.6.3.

反日デモの渦中での桂林旅行の思い出

お月さまには、いろんな顔が

スーパームーン皆既月食 2021.5.26

5月26日には、日本中で「スーパームーン皆既月食」が見られるとのこと楽しみにしていましたが、神戸ではあいにくの曇り空、お月さまを見ることができませんでした。
沖縄では、よく晴れており、午後8時から40分間追跡したビデオフイルムを、「宇宙の神秘 赤銅色に輝く満月」として琉球新報が公開しています。ビデオを見ているだけで、神秘的な思いがこみ上げてきます。

月は地球から遥か離れたところにある
地球から38万kmも離れたところにあり、月の光(正確には太陽の光を反射した光)が、地球に届くまでに約1.3秒もかかるそうです。
夜空に見える月は、太陽と同じくらいに大きく見えるのに、実際の大きさは直径約3,470kmで地球の4分の1、太陽の400分の1しかありません。

人類初の月面着陸に成功したアポロ11号

1969年7月20日、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号は、102時間かけて月に辿り着いたそうです。翌年1970年の大阪万博では、アポロ宇宙船が月から持ち帰った石が展示され、大きな話題となったのが思い出されます。月面着陸から半世紀、月周回旅行が計画される時代となりました。

月はいつまでも神秘に満ちた星であり続けてほしい
満月の日には、産卵の為に上陸するウミガメの数が増えるそうです。満月の日は大潮になる為、干潮と満潮の差が大きくなり、時間がかかるウミガメの産卵には適しているからと言われています。
かつては、町全体が今日のように明るくなく、満月の明るさは格別でした。月を愛でながら、語り合うのが私たち世代の青春でした。月がいつまでも、遠い世界の神秘に満ちた星であり続けてほしい気がします。

152. 乳幼児健診や予防接種を遅らせないで

乳幼児健診の目的は、年齢ごとに起こりやすい病気や問題を早めに見つけて治療に結び付けることです。予防接種も、感染症にかかる前に接種することが極めて大切です。

新型コロナウイルス感染症については、小児では成人に比べて感染し難く、また重症化する例が少ないため、ワクチン接種は高齢者からスタートしています。一般的に、小児、とくに乳幼児では感染症に対する免疫力が低いために、多くの予防接種は満1歳までに実施されています。

集団・個別に関係なく、子どもや付き添いの保護者の方に発熱や咳などの症状がないことを確認して受診して下さい。付き添いの方は手洗いを行って、マスクを着用して下さい。ただし、2歳未満の乳幼児でのマスク着用はむしろ危険です。

乳幼児健診やBCGなどの予防接種を集団で実施している市町村では、地域の流行状況により柔軟に対応しているところもあり、保健所や保健センターに確認して下さい。

兵庫県子育て支援 2021-5-17

渋沢栄一と「論語と算盤」

2021-5-10

渋沢栄一は、「論語」に象徴される道徳や公益性を追求しながら、「算盤」に象徴される実業やビジネスに遭遇する人生に全うしました(1840-1931)。渋沢自身は、経済発展が必要と考え、実業をもってそれを支えました。

『論語』で一生を貫くとは

宋王朝の名臣・趙普が、「「論語」の半分を使って自分が仕えている皇帝を助け、残り半分を使って自分の身を修める」を引用しながら、

「私は『論語』で一生を貫いてみせる。金銭を取り扱うことがなぜ賤しいのだ。君のように金銭を賎んでいては、国家は立ち行かない。民間より官の方が貴いとか、爵位が高いといったことは、実はそんなに尊いことではない。人間が勤めるべき尊い仕事はいたるところにある。官だけが尊いわけではない。」と渋沢は述べています。

商業道徳と信用

経済ですから、競争も当然発生しますが、そこに騙す、邪魔をする、貶めるといった悪意の競争は一切排除し、正当な競争のみに励むことが、商業道徳であるとも言っています。

欧米人から見れば、「当時の日本人は約束を守らない」と映っていたようです。その理由は、日本人は、組織の意向に忠実で、自分個人の発言を悪びれずに撤回する習性があったようです。渋沢栄一は、経済を回すには、信用を得る大切さを強調しています。

渋沢栄一曰く、

  • 方針を決める際には、まず道理にかなうかを考える。
  • 次に、その道理に従えば国や社会の利益になるかを考える。
  • そして最後に、自分のことを考える。この順番を徹底していたようです。

現代における経済至上主義と地球環境の破壊

私自身、小児科医の道を歩み始めた時には、「医は仁術なり」の時代であり、学問の自由・大学の自治は不可侵の領域でした。高度経済成長、また経済のグローバル化とともに、経済至上主義へとシフトしました。「医は算術」となり、医学研究の評価も経済的効果、費用対効果が基本尺度となりました。

私たち世代がおかしてきた重大な間違いは、自らの行動評価判定を現代にのみ向けており、未来への配慮に欠けていた点です。そのつけが地球環境の破壊です。

岡本ばら園 2021-5-3

 

緊急事態宣言下でのGW: 胸が痛む兵庫の医療崩壊

今も、自宅前の通りを「不要不急の外出を控えましょう・・・」という兵庫県のキャンペーン・カーが通り抜けて行きました。後輩のドクター達が日夜を分かたず医療に当たっておられる姿を思い浮かべると、気の毒でなりません。

連日の新型コロナウイルス感染症拡大の報道によると、重症患者ですら自宅待機せざるを得ない状況下とのこと、本当に胸が痛みます。

1年以上続く新型コロナウイルス感染症ですが、3月末からの兵庫・大阪での感染拡大は、これまでにない大きな再燃で、まさに災害医療モードです。今回の惨状は、「予告済みの災害」としか言いようがありません。


東京や兵庫・大阪に3度目の緊急事態宣言

政府は4月25日に、東京や兵庫・大阪に3度目の緊急事態宣言を発出しましたが、兵庫・大阪では余りにも遅きに失したようです。関西の危機的状況は政府に伝わらず、中途半端なまんえん防止措置での様子見の間に、急拡大が続きました。漸くピークが見えてきた感はありますが、予断を許しません。

兵庫・大阪と東京の人口10万人あたりに換算した1日感染者数の7日間移動平均を描いてみました。兵庫・大阪では3月下旬から急激に増加しているのが一目でわかります。

緊急事態宣言:1/7-3/21(東京)、1/14-2/28(関西)、まんえん防止:4/5-4/24(関西)、4/12-5/11(首都圏)、緊急事態宣言:4/25-5/11(関西・東京)
データは、日本国内の感染者数(NHKまとめ)による。各都府県の人口は、厚生労働省令和元年(2019)人口動態統計確定数:兵庫県 546万人、大阪府 880万人、東京都 1,392万人。


増え続ける重症患者と死者数

感染者数はピークを迎えても、重症患者と死者数は、今後しばらくは今以上に増え続けること必至です。限られた医療資源を有効活用して、医療破綻を最小限に押さえ込んで欲しいと思います。


医療産業都市神戸への期待

医療産業都市神戸が医療崩壊ではサマになりません。ワクチンも手に入りました。しっかりと情報ネットワーク・システムを活用して、日本の各地に新型コロナウイルス感染症対策の良いモデルを神戸が示してほしいと思います。

2021-5-6

子ども庁とは、一体なあ〜に?

菅義偉首相は4月5日の参院決算委員会で、「児童虐待の防止には警察庁や文部科学省、法務省や総務省など多くの省庁が関係しており、子どもの命のために何が必要か、縦割りを打破し、組織の在り方を抜本から考える必要がある」と、「子ども庁」の設立を検討するように指示したとの報道があリました。

「子ども庁」という名称から、政府として「子どもは国の宝」という夢を実現するための施策と考えましたが、文面からは、近年増加の一途をたどる児童虐待被害児童への対策として政府組織の改革が狙いのようです。

「認定こども園」なる教育・保育を一体的に行う制度もできました。でも、保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省と所管が異なっています。子どもの健康管理も、就学までは厚生労働省、就学後は文部科学省の管轄です。

最近よく話題となっている「ヤングケアラー」や「ひとり親家庭」など、子どもの貧困の問題が、「児童虐待」とともに大きな社会問題です。
「子ども庁」が、子どもの抱える問題を一元的に取り上げ、解決に向けた施策を打ち出してくれることを期待します。

警察庁「令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」

2030年:全てが「加速」する世界に備える

「2030年:全てが「加速」する世界に備えよ」という非常にセンセーショナルなタイトルの本が、2020年末にニュースピックス社から出版されました。

著者のP.デイアマンデスは

XプライスCEOであり、シンギュラリティ大学の創始者です。1961年生まれ。宇宙開発企業スペースXの創設者であり、電気自動車企業テスラの共同創設者であるイーロン・マスクの盟友とも言われています。

本書の内容は、量子コンピューター、人工知能(AI)、ロボティクス、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、材料科学、ネットワーク、センサー、3Dプリンティング、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、ブロックチェーンなどの最新の開発状況を紹介しながら、10年後の世界を予測しています。

すでに日本の街中でも、試験的に自動運転の電気自動車が走行する時代となっています。2030年には、空飛ぶ車やイーロンマスクが考える「ハーパーループ」。磁気浮上技術を用いて筒状の真空チューブ内で、乗客を乗せた「車両」が最大時速1,200キロで走行する高速交通ネットワークがカリフォルニアで計画されています。惑星への移住も夢の話ではなくなってきたようです。

Expotential Technology and Convergence

テクノロジーの進歩は、これまでからエクスポテンシャル(指数関数的)な成長を遂げきたのを我々は目にしてきました。いま世界では、すでに開発されたテクノロジーのコンバージェンス(統合)が進んでおり、これまでSFの世界と考えられていたことが現実となりそうです。

エクスポテンシャルなテクノロジーは、製品・サービス・市場を破壊するだけでなく、コンバージェンスが起こると、まさに「破壊的イノベーション」となり、これまでとは全く違った社会となります。医療や教育も大きく変化しています。

馬が荷車をひいてた時代から自動運転車の時代に

戦後、私が小学生の時代には、馬が荷車をひいており、道には大きな馬糞を撒き散らしていました。あと10年なんとか生き延びて、このワクワクするような夢の世界が現実の世界となっているのを見届けたいものです。自動運転車が普及し、高齢者が気兼ねなく自由に車を乗り回せる日常生活が待ち遠しものです。

The future is faster than you think:How converging technologies are transforming business, industries, and our lives. By Peter H. Diamandis & Steven Kotler2021-3-31フルーツフラワーパークにて


参考資料:

シンギュラリティ(Singularity)とは、

英語で「特異点」の意味で、人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点を言い、未来予測の概念です。人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイルは、2045年に人間の脳とAIの能力が逆転するシンギュラリティに到達すると予測しています。

AR (Augmented Reality) とVR (Virtual Reality)

ARは、一般的に「拡張現実」と訳されおり、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する技法で、スマホ用ゲーム「ポケモンGO」がその例です。未来にはARコンタクトレンズもできるそうです。VRは、クローズドな視界の中に、あたかも現実かのようなリアリティを高めた視覚映像を投影する「仮想現実」です。

ライドシェアとカーシェアリングとの違い

カーシェアリングが車の貸出を目的に「ドライバー」と「車」をマッチングさせるのに対して、ライドシェアではアプリ上で「ドライバー」と「同じ目的地に移動したい人」をつなぎ、相乗りでのドライブを支援するシステムです。

ドライバーと同乗者をマッチングさせるプラットフォーム企業としては、デリバリーでおなじみのUberが世界で800以上の都市に進出するなど躍進し、中国の滴滴出行(ディディ チューシン)などのライバル企業と各地でしのぎを削っています。こうした普及の背景には、スマホによる正確な需給マッチング、運転者と同乗者が相互評価するシステムへの安心感、乗車前にアプリで行き先や所要時間・料金を共有できる利便性の高さなどがあると考えられます。

日本では、一般人が自家用車を用いて有償で他人を運送することは、いわゆる「白タク」行為にあたり、海外のようにドライバーが運賃を受け取れるタイプのライドシェアは法律で禁止されているため、一部の地域を除いて認められていないのが現状です。