どうする2040年問題を

2040年問題とは、

日本の2040年には、1970年代前半生まれの「団塊ジュニア」世代が65歳以上となり、その高齢者人口の占める割合は37.8%、3千9百万人に達するとともに、人口は1億1千8百万人へと減少することで起こりうる社会問題の総称です。

2020年には2.08人の若者で1人の高齢者を支える今の時代から、2040年には1.58人の若者で1人の高齢者を支える時代へとこれまでに人類が経験したことがない事態を招くことが必至です。この度の衆議院議員の選挙においては目先のことばかりのやり取りで、人口減少・高齢社会への考えを示す具体的な意見は全く出ていません。AIやロボットで現状よりも暮らしやすい生活が待っているとは思えません。

Google AIがまとめた具体的な課題と対策

2040年問題の具体的な課題には、労働力不足、社会保障費の増大、 インフラや公共施設の老朽化が挙げられており、その対応策としては、
• 企業では、シニアや女性が長く働ける人事制度の見直しや、DXの推進、働きやすい環境の整備。
• 医療福祉の現場では、ロボットやAIなどのICTの実用化や、介護施設等におけるシニア人材の活用。
• 厚生労働省では、健康寿命の延伸、医療福祉サービスの改革、高齢者における多様な就労・社会参加のための対応策
などが示されています。

2040年を過ぎても高齢社会が

予測では、2070年になっても明治維新の頃よりも人口は3倍近くいるのです。しかも高齢者の占める割合はその後も高いままです。250年以上戦乱のなかった江戸時代のライフ・スタイルを思い出し、生き方のモデルを探すのも一方でしょう。

私が考える高齢者が住みやすい町とは、林立する高層ビル群ではなく、自然と共生する社会です。自然災害の比較的少ない町で、自らの手で作った食物で自立した、のんびりと生活できるのが一番の幸せ者でしょう。

団塊ジュニア世代のみなさん、まだ体力が残っている間にその下準備をしておくことをお勧めします。2024.11.17.

初冠雪の穂高連峰を眼下に眺めて

信州松本で開催される学会、日本新生児成育医学会に出席するために、乗り換えのない神戸空港から松本空港までの空路を選びました。

昨夜からの急な冷え込みで、空は秋晴れ。機窓からの眺めは抜群、左に穂高連峰の初冠雪、遠くに槍ヶ岳まで見えます。右には同じく初冠雪の富士山が。真下に御嶽山が見えると機は降下し始め、あっという間の1時間足らずの空の旅でした。

私が初めて松本を訪れたのは、大学に入学した昭和33年の夏休みです。高校時代の友人米谷くんと美ヶ原を歩いたのを懐かしく思い出します。今では、山まで足を伸ばす体力はありませんが、色づき始めた木々を眺めながら、松本城・松本市美術館を訪れました。道中、昔懐かしの銭湯があります。山から降りてきて、銭湯で汗を流し、さっぱりとした身体で、夜行列車に乗り、神戸まで帰った思い出が蘇ります。

美術館では、松本出身の書家上條信山記念展示室があり、その中に、「天高気晴」という作品を見つけました。「秋の空が高く、すっきりと晴れ渡って、空気がすがすがしい」、まさに今日のような日だったのでしょう。2024.11.7.

世界早産児デーに合わせてライトアップした松本城の写真

日本新生児成育医学会中村友彦会長からのプレゼント

誇り高きブッチの思い出

アルバムを整理していると、昔懐かしいチャウチャウ犬ブッチの写真が出てきた。末娘が高校を卒業した1984年秋に、ようやく道子から犬を飼う許可がおり、折よくペットフェアが催されているスーパーのペット売り場で赤札のかかった犬を見つけた。

狭い檻に閉じこめられた仔犬たちは、人が近づくとしっぽを振りながら媚びをうってくる。その中に、ただ一匹だけ見向きもしないチャウチャウの仔犬がいた。その性格が気に入り、即断、購入することにした。彼の父親はアメリカン・チャンピオン?になったという血統書付きである。

我が家に来てからは、道子と私にはすぐに馴染んだが、こどもたちの言うことを全く無視していた。トイレはすぐに所定の場所でするようになった。私が毛並みを良くしようと、毎朝牛乳と生玉子を与え、夜は挽肉の野菜炒めを与えていると、ドッグ・フードを全く受け付けなくなった。

3日間飲まず食わずに

3か月ほど経ったお正月に、家族で2泊3日の香港旅行に出かけることになっていた。やむを得ず、空港近くのペットホテルに預けることにした。帰国するや否や、ペットホテルに引き取りに行くと、尻尾を精一杯振り、近づいてきた。

店員の話では、3日間飲まず食わず、排尿・排便も一度もしていないと言うことである。空港近くの草むらに連れ出すと、1分間以上途切れることなく尿を出した。

他人には振り向かない

買い物に連れて行き、店頭の柱に繋いでおくと、当時でもチャウチャウは珍しく、何となく愛嬌のある姿に、思わず声をかける人がいる。でも、彼は、ペットショップにいた時と同じく、いくら声をかけられても微動だにせず、私が店から出てくる姿をひたすら待ち続けている。一つ例外がある。赤いドレスを装った妙齢の女性をみると心が動くようである。

阪神大震災で性格が変わる

チャウチャウは、あまり人懐っこくない。冬に布団中に抱き込んでも、すぐに抜け出していく。ところが、阪神大震災で性格が一変した。しばらくの間は、いつも誰かの傍に寄り添っている。子どもたちに抱かれてもじっと我慢できるようになった。犬においてもPTSDはあるようだ。

多くのことを学べた

チャウチャウも、高齢化により全身に腫瘍ができるようである。最後の1年間は、道子が毎日右脚の腫瘤のガーゼ交換を行っていた。また、すぐに息切れをするようになっていたので、肺にも腫瘍ができていたと思う。色々と学ぶことが多かった13年間である。 2024.11.3.