もうすぐパリ五輪が始まります。テレビの画面に映し出されるパリの街は私が訪れた1970年当時と全く変わりません。その美しさの理由の一つが建物の高さが揃っており、街中には高層ビルが一切ないことです。そびえ立つのはエッフェル塔だけです。
フランス留学から3年ぶりに残暑厳しい8月に帰国した時です。緑に包まれた六甲の山並みを見上げ、思わず「神戸は、世界一素晴らしい街」と叫んでしまいました。今日まで70年近く、一度も神戸を離れることなく住み続けていることに幸せを感じます。
若者が描く未来の神戸
最近届いた神戸市広報紙の表紙に、「あつまれ!あなたが描く未来の神戸」という大判のカラー写真とともに、神戸大学の学生たちの声として「SF映画みたいなまちになっている!?」、「若者も楽しめるまちに」、「まちなかにも自然がいっぱい」などと書き込まれていました。
自然・六甲の緑と溶け合う街づくり
先日、久方ぶりに大阪に出かけました。大阪駅界隈の高層ビル群に圧倒されます。そのビルには人間が住んでいる住居があると知り、驚きです。高価なので子育て世代はあまり住んでいないと思いますが、子育てには苦労するだろうなと思わざるを得ません。
私が描く未来の神戸は、自然、六甲の緑と溶け合う街づくりです。どこからでもすぐに六甲山頂が見えるように、ビルの高さ制限をして下さい。限られた土地面積に多くの人が集中すると、必然的に自然破壊が起こります。
新しいスマートな街づくりを
神戸市では、2035年に向けて総合基本計画を策定中とのことで、三宮ウオーターフロントの再整備・駅前リノベーション・神戸空港の再整備などを挙げ、広く意見を求めているとのことです。
多くの都市は、産業振興のために「ものづくり」から観光・インバウンドに向かっています。世の中は、さらに本格的なITC中心の社会へと変化しています。
明治以来、神戸の街は、港を中心にして栄えてきました。お陰で、今でも世界中のいろんな情報が居ながらにして入ってきます。神戸市はこれまでの国際的な知名度を生かして、世界中からICT関連の多様な人材が集まるスマートな街づくりを期待します。2024.7.25.