新型コロナの流行以来、多くの学会でWEBでの開催が中心となっており、最初はもの珍しさもあり覗いてみましたが、何かインパクトに欠け、遠ざかっていました。第60回日本周産期新生児医学会が大阪で開催されたのを機に、以前から親しくしていた会長の和田和子先生からの直接のお誘いもあり、久方ぶりに参加させて頂きました。
自分が現役のような錯覚に
旧知の方々にお会いすると、まだ自分が現役のような錯覚に陥ります。会長講演では、この学会の60年に及ぶ歴史を短時間の中にうまくまとめ上げられ、大変懐かしく拝聴しました。1965年の第3回からメンバーであった私には、その折々のいろんな思い出が蘇ってきます。なかでも、我が国の高度経済成長の波に乗り、国民生活の向上・医療技術の進歩が相まって、1985年に新生児死亡率が世界一の水準を達成したときの感動は、私たち世代の大きな宝物です。
聞くところによりますと、少子化のトレンドが続く中で新生児科の専門医数はこの20年で倍増しているようです。これからは、国内・国外の壁のない新生児医療体制を考え、牽引する新しい人材育成が必要な感じがします。 2024.07.17.
厚生労働省人口動態統計 2022
出生数 | 新生児死亡数 | 新生児死亡率 | |
1965 | 1,823,697 | 21,260 | 11.7 |
1985 | 1,431,577 | 4,910 | 3.4 |
2005 | 1,062,530 | 1,510 | 1.4 |
2022 | 770,747 | 609 | 0.8 |