囲碁大会で優勝し、六段に昇格しました

昨年11月の秋季囲碁大会優勝に引き続き、この度の春季囲碁大会でも優勝、六段に昇格しました。私の所属するクラブは、東灘区碁楽会といい、週に2日、平日午後に区民ホールで開催され、メンバーは約30名です。定年退職されて間もない70歳代の方が大半です。最高齢の方は88歳ですが、至ってお元気で、まだお仕事もされているそうです。私は2番目です。

囲碁再開のきっかけ

いつも親しくして頂いている私とほぼ同年代で、神戸大学元工学部長の北村新三先生から、このクラブへの参加を誘われていたのですが、これまでは時間に余裕のあるときには、ゴルフに精を出していたので、延び延びになっていました。

昨年春に、道子も、私も体調を崩し、ゴルフが難しくなったので、6月からこのクラブに参加させて頂くことにしました。私は、学生時代に仲間たちとよく囲碁をしていたので、ある程度の心得があり、三段で入会させて頂きました。

この歳でよもや上達するとは思わず、暇つぶしのつもりで入会したのですが、1年足らずの間に三段から六段へと三段も昇格し、一気にクラブの中での最高位になってしまったのです。道子がなくなった昨年9月ごろから、脳の中の薄皮が剥がれ落ちたように、自分でも不思議な位に先が読めるようになり、急に強くなったのです。

80歳を過ぎても人間の脳は進化する

道子には、これまでの感謝を込めて早速優勝報告をしましたが、他人には自慢話すぎて、話し難いので黙っていました。偶々、元同僚の西尾久英先生から電話があり、話のついでにこの話を少ししたところ、高齢者に夢を与える話だから是非ブログにと背中を押され、思い切って筆をとることにしました。

マスコミでは、高齢者=認知症のような取り上げ方をしていますが、今回80歳を過ぎても人間の脳は進化し続けていることを立証できたように思います。

これまでから、欧米では研究者や指揮者の中に、結構高齢の方がおられるのは、豊かな経験・実績に基づくものとばかり思っていましたが、彼らの脳が、年齢に関係なく、日々進化し続けているからだと思うようになりました。

ここからは医学的考察

新生児学を専門にしていた私は、赤ちゃんの脳の生物学的な発達について研究を続けていました。

人間の脳細胞の数は、胎児期に最も多く、出生した瞬間から日々減少していくのです。脳の働きは、脳細胞の絶対数で決まるのではなく、脳細胞と脳細胞の神経繊維による連携、神経ネットワークによって成り立っています。ですから、脳細胞の数が減り、重要な神経ネットワークのみが残ると、脳はより効率的に機能します。

われわれ高齢者は、体力的には若者に劣りますが、不用なネットワークを削ぎ落とした高齢者の脳の働きは、決して若者に負けないのです。

高齢者よ。自信を持って生き抜きましょう。

2024.5.15.