私が、「きかんしゃトーマス」に関心を持ち始めたのは、自閉症の幼稚園児が外来にある模型を見つけ、長時間食い入るように見続けていたからです。一般的に、自閉症児は車のタイヤなど丸く、廻るものが大好きです。車の横に屈み込み、じっとタイヤを見つめています。
丹波市にある植野記念美術館で、世界中の子どもたちに愛されている「きかんしゃトーマス」の原作の出版75 周年を記念した、きかんしゃトーマス展が開催されていると知り、観に行ってきました。
日本初公開となる作品を含む約180 点以上におよぶ絵本挿絵原画、オードリー牧師による手書き原稿など、多くの貴重な作品が展示されていました。
原作者のウィルバート・オードリー牧師は幼い頃、家の近にあるトンネルから出てくる列車を眺めるのが大好きだったそうです。お父さんになったオードリー牧師は、病にかかった息子を元気づけようと、擬人化された機関車のお話を、語り聞かせます。これが「きかんしゃトーマス」の始まりです。
その後、26 冊の絵本が出版され、模型を使った実写アニメーションが放送されるなど、トーマスシリーズは大人気になりました。現在でもCG アニメが放映されています。
トーマスの物語には、擬人化された列車に、「正直さ」や「仲間への思いやり」そして「努力」の大切さといった、子どもに伝えたいメッセージが込められており、世界中の子どもから大人まで幅広い世代が共感できるものです。2022.7.21.