ノーベル物理学賞を「気候変動研究の先駆者」真鍋淑郎さんが受賞

2021年のノーベル物理学賞の受賞者にプリンストン大学上級研究員の真鍋淑郎さんが、「気候変動研究の先駆者」として高く評価されて選ばれました。気象変動、地球温暖化の指摘がなされたのが1958年ということですから、今から60年以上前のことです。私がまだ高校生の頃の話で、神戸製鋼所の煙突から六甲山に向けて吐き出される黒煙で太陽が曇ってしまい、慌てて教室の窓を閉めていた時代、まさに日本の高度経済成長期です。

氏は、東大の大学院を修了するや、自らの研究の場を求めて渡米されたそうです。その後もずっと米国で研究を続け、米国籍をとっておられます。とても90歳とは思えないお元気な姿で、明るく、その語り口、一言一言に重みを感じさせられます。

中でも、日本の研究の現状については「日本では好奇心に基づく研究がしにくくなっているようです。政治家と科学者のコミュニケーションがうまくいっていないのも問題だと思います」と述べられ、研究や教育の環境改善に向け科学者と政治家がともに考えるよう促しておられます。

我が国におけるコロナ対策をみていてと、元来前面に立つべき医学者・医師たちがどのように考えているのかというメッセージが伝わって来ず、政治家たちがやたらと前面に立って国民への医学的なメッセージを発しています。テレビでは、感染症専門家と呼ばれる人たちは、何か第三者的な当たり障りのないコメントばかり述べておられます。

特に、ワクチン接種に関して、政府や知事たちはワクチンの積極的な接種を勧める発言を繰り返しますが、医師はワクチンの副作用について語り、さも安全性に問題があり、「自己責任で接種するように」ともとれる曖昧な表現が目立ちます。国民は自分で判断ができないから、いろんな医学情報を持っている医師に判断を仰いでいるのです。

すでにワクチンは無償で行われており、医師はもっと自信を持って、国民が安心して接種を受けることのできるよう積極的に対応して欲しいと思います。

10月7日