新型コロナ禍での老人と若者たち

2021-2-13

第3波の新型コロナ流行は、1月7日に非常事態宣言が発令され、見事に感染が抑圧されたようです。しかし、外出自粛を求められ、その非日常的な生活に、老いにも若きにもフラストレーションが溜まっています。

65歳以上の高齢者が新型コロナ死亡者の96%を占めています。高齢者にとっての外出自粛は、自らの命を守るためですが、20代の若者は、たとえ感染しても先ず死亡に至ることはなく、自分の家族や周りの老人を守るためだけに気をつけてくれています。

日本の若者たちは老人おもい

外国に目を向けると、人口1千万人の国、スウェーデンは、積極的な感染防止策をとらなかった国として注目されています。パンデミック以降の感染者数59万人、死者1万2千人が報告されています。人口当たりにして日本と比較すると、感染者数は15倍、死者数は20倍にまで上っています。1日の新規感染者数はいまだに4千人を超えているようです。それでも、スエーデンの若者たちは、混雑したショッピングモールで買い物をし、バーで互いに密接した中で過ごしているそうです。

コロナ禍では、社会的分断が顕在化し、米国をはじめ、ヨーロッパの各地、ミャンマーなど、世界各地で暴動が頻発しています。その点、日本の若者たちは、素直な、老人思いのいい人たちです。

若者に迷惑をかけない老人に

若者にひき換え、破廉恥なのは日本の老人のようです。コロナ禍でもオリンピックを開催したい、「老害」「老害」と言われたくないなどと、喚き立てているのです。老人には、もうこれが日本での最後のオリンピックになるでしょうから。

私も81歳、紛れもなく老人の部類です。妻からは、いつも「老害」「老害」と言われないようにと諭されています。出しゃ張りたくなる気持ちを抑えるのに必死です。

昔のように世の中がゆっくりと流れていたときには、年長者の経験が若者の役に立ったでしょうが、今のように移り変わりの激しい時代には、経験が役立つことはほとんどありません。孫たち世代からスマホの使い方を教えてもらい、絶えずみんなが横一線のスタートです。

老人は、みんな拘りを持って生活してきました。若者には少し面倒と感じる仕事でも、新しいツールを老人に与えるなら、きっと若者の助けになることができそうです。もっとも、瞬発力も、持続力も若者に劣りはするでしょうが・・・

今回の新型コロナのパンデミックは、人類への大きな試練ですが、迅速なワクチン開発で何とか大半の高齢者は乗り越えられそうです。とは言え、近い将来、地震や津波、風水害や熱暑・干ばつなど、次々と新たな試練が待っていそうです。

今や、平均寿命は男性81.4歳、女性87. 5歳となっています。65歳以上の高齢者人口が全人口の28%を占めており、0歳から29歳までの若年者人口よりもその数が多いのです。これからは、老人が若者に甘えておれない時代となりそうです。