国別の幸福度ランキングで日本は51位
国連が2017年3月に発表した、世界155ヵ国を対象にした幸福度ランキングによれば、GDP世界3位の日本の順位は2016年の53位から、二つ順位を上げましたが、51位。1位はノルウェーで、上位5ヵ国のうち4ヵ国を北欧勢が占めています。主要な国をみますとカナダ7位、米国14位、ドイツ16位、フランス31位となっており、日本はまだまだ上を目指さなければならない位置にいます。
ウェルビーイング(well-being)とは、
ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と翻訳されることも多い言葉です。
1946年の世界保健機関(WHO)憲章の草案の中で、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることを言います(日本WHO協会:訳)。
科学と産業革命で人類が蓄積してきた豊かさとウェルビーイング
過去500年の間に、科学と産業革命のおかげで、人類は超人間的な力と実質的に無限のエネルギーを手に入れ、人類が蓄積してきたこの豊かさは、私たち現代人に新たな満足を与えたのだろうか?と、ユバル・ノア・ハラリは著書「サピエンス全史」の最後で問いかけています。
文明社会は、強い絆で結ばれていた大家族を崩壊させ、核家族化しました。緊密で協力的な互助で成り立っていたコミュニティ社会は、都市への人口移動とともに、スケールの大きな、日常生活とかけ離れた組織的な政府によって統治されています。
大家族が崩壊し、コミュニティを奪い去られた現代の人々が、果たして幸せになったと言えるのでしょうか。
ポストコロナで地域コミュニティの見直しを
新型コロナの流行で、リモート・ワークでの勤務が3割近くに達しているそうです。朝夕の通勤ラッシュの中を出かける必要もなくなりました。これまで、会議のために、わざわざ新幹線に乗って、飛行に乗って出張していたのが、Zoomなどのネット会議で十分に間に合うこともわかってきました。
ポストコロナの時代には、国内外の企業に籍をもつ多職種の人々が、同じ地域に居を構えて、ネットを通じて仕事ができます。若い夫婦向けには、学校・保育園・公園の整備が不可欠です。
3人に1人が高齢者という超高齢社会が目の前です。若者たちには必ず高齢者がいます。医師・看護師、介護士など医療福祉関係者が必要です。
これからは、インターネットやAI(人工知能)を活用し、人にも、ロボットにも、ともにウェルビーイング(well-being)をもたらす新しい地域コミュニティづくりが求められます。
2020.11.18