「不要不急」と言われると・・・

このたびの新型コロナの流行で、政府が国民に向けたメッセージは「不要不急」の外出自粛です。新型コロナ対策として「3密」と「不要不急」という言葉は、マスコミの報道でも日常的に使われています。

齢八十を過ぎると、「不要不急」という言葉に過敏に反応します。外出だけでなく、日常生活すべてが、不要不急と言えば、不要不急ではないかと捻くれた気持ちになります。

私と同級の精神科医は、月に1度の外来診察のため片道2時間以上かけて出向くのを楽しみにしていたのですが、「ご高齢だから、新型コロナの流行が収まるまで、無理して来て頂くことはありませんよ。」と言われ、自分の生き甲斐は不要不急だったのかと嘆いておられました。

日本は、欧米に比べて、高齢者に対してたいへん優しい国だと思います。政府は、新型コロナウイルス感染による死亡率が高齢者で高いことを強調し、政策的にも高齢者への感染予防対策を優先しています。死亡率が高いのは何もこのウイルスに限ったものではなく、インフルエンザでも同じなのですが。

私の周りにいるふだん活動的だった高齢者の多くが、もし感染したときの自らの死への恐れというよりも、周りの人達に迷惑をかけては申し訳ないという気持ちから、今も巣篭もり状態です。持病での通院回数も半減しています。

新型コロナの流行は当分続きそうです。「不要不急」はすべてダメではなく、3密にならないように気をつけて、運動不足の解消とお互いの心のケアのための友人との過ごし方を模索しているところです。

2020.10.31.