仏さまの小噺「成仏の月」

2020/3/23

お釈迦(しゃか)さまが人々にお説法されておられた時のこと、次のようなたとえ話をされたそうです。

ある所に一人の愚かな男がいました。そばにいた智者が、空に輝く美しい月を指した時、その愚かな男は、月を見ないで智者の指ばかりをしげしげと見つめていたのです。

そこで智者は、「君、指を見るのではなく指の差し示す方を見るのだ。ほら、あんなに美しい月が見えるじゃないか」と言われ、愚かな男はやっと気がついて、その月を見ることができたのでした。

お釈迦さまは、私たち一人一人が皆ご自分と同じように仏となり、幸せになって欲しいとお考えなのですが、なかなかその御心を読みとることは難しいことです。まずは少しでも深く教えの内容にふれ、皆が共に「成仏の月」を見たいものです。という小噺でした。

小池知事が新型コロナ対策で外出の自粛を都民に求めているにも関わらず、若者たちは夜の繁華街で騒いでいる姿は、まさに愚者の行いです。感染症対策は罹らないようにする以上に、人に罹さないことが大切です。専門家委員会のおっしゃる「オーバーシュート」という悲劇的な結末に至らないように、その御心を読みとりましょう。