川崎病似の合併症で5歳児死亡 NY

COVID-19が大流行中のアメリカ・ニューヨークでは、子どもに「川崎病」と似た症状が見られるケースが増えていると, ニューヨーク州保健局は5月4日に発表し、注意を促した。その多くは新型コロナに感染しているか、抗体を持っているという。

このような合併症が確認されているのは15歳以下の児童で、4日時点の発表は15人だったのが8日には73人に増えている。また7日、新型コロナに感染していた5歳男児が合併症により亡くなった。この現段階での73症例について、クオモ州知事は8日の定例記者会見で、このように述べ危惧した。

「一般的に新型コロナの感染者の多くは子どもでないことがわかっており、事例としてはまだレアなケース」としながらも、「州内で新型コロナに感染した児童の中に、川崎病に似たような症状と毒素性ショック症候群のような症状で重症になるケースが73も報告されている」と述べ、これから詳しく調査していくという。Yahoo Newsから


2020.05.10 Sunday

新型コロナと医療崩壊

10歳未満の子どもの新型コロナウイルス感染者は、中国武漢では全感染者の1%、うち重症例はほとんどいませんでした。日本でも、10歳未満は253人、全体の1.7%に過ぎません。これまでのところ重症例は1例のみとなっており、死亡した子供はいません。

これは、2009年の新型インフルエンザの流行では、入院を必要とした10歳未満の子どもが、一万人以上、全体の65%を占めており、新型コロナウイルス感染とは大きな違いです。

新型コロナウイルス感染のパンデミックに対して、日本は他の国々に比べて感染者数があまり増えていないタイミングで休校措置がとられました。その結果、感染する機会としては、子どもから子どもでなく、大半が家族内感染と考えられます。

これまでの日本のPCR検査は、新型コロナウイルス感染が強く疑われる濃厚接触者だけに実施されていたので、子どもの検査数は非常に少なく、実態は全くわかりません。

いまは、新型コロナウイルスで大人の救急医療で医療崩壊が大きな社会的問題となっていますが、10年前の新型インフルエンザ流行時には、小児救急医療がその危機に瀕していました。

共通して言えるのは、ベッド数や医療機材不足の問題ではなく、救急医療現場で働く医師、看護師が平時から最小限の人数で行われていたことです。少し患者数が増えるだけで、あっと言う間に現場はパニックになるのです。

ピーク時の兵庫の感染者数は42名、うち重症例は10名前後です。これで医療崩壊が起こるようなら、イタリアやアメリカのようなアウトブレークではと思うと、そら恐ろしくなります。

新型コロナウイルスのパンデミックでは、中国でも、イタリアでも、アメリカでも、医療者や入院患者の感染が目立ちます。このウイルスはよく忍者に例えられますが、経験を積んだ医療者でも見逃してしまうようです。

志ざしの高い医療者でも、どこに潜んでいるかわからぬ敵に、防護具もつけずに、戦いを挑ませるのは無謀すぎます。入院前にPCR検査をルーチンに行えば、無症状の感染者を見つけることができるのです。防護具不足を心配しながら働く職場では、ますます人が離れていきます。

パンデミック第1波は、規律を守る日本人の従順さで乗り切ることがでましたが、第2波への医療資源確保を怠り、経済活動を重視していると、再び医療崩壊が起こるでしょう。医療現場、介護現場で働く人材確保がいちばんの課題です。

赤ちゃんの四季   2020-5-9

緊急事態宣言の延長決定と課題

日本政府の新型コロナウイルス感染症対策


  • 令和2年3月26 日、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成 24 年)に基づき、政府対策本部が設置された。
  • 令和2年3月28 日(令和2年4月16 日変更) 新型コロナウイルス感染症対策本部が「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」決定。
  • 令和2 年4月7日 新型コロナウイルス感染症対策本部長は緊急事態宣言を行う。令和2年4月7日から令和2年5月6日 までの29 日間。
  • 令和2 年5月4日 緊急事態宣言の5月末までの延長決定.

兵庫県では、新規感染者数が着実に減少している。大阪や東京からの移入がなければ、終息しそうだ。

  • この間に、次期のパンデミックに備えての医療体制の整備が求められる。
  • 一番の課題は、医療者の感染防止である。
  • 一般入院患者にコロナ感染者の混入を防ぐことだ。
  • 予定入院者については、PCR検査をルーチン検査に加えることだ。無症状感染者の発見にはこれしかない(すべてでないにしても)。

神戸市立中央市民病院の研究報告では、

4月半ばの時点で抗体保有者が3%であったという。すでに5万人以上の神戸市民が罹患していたことになる。

PCR検査陽性者が260人であるので、ほとんどが不顕性感染であったということになる。重症化率は思いの外、低いということで、少しはホッとする。


2020.05.05 Tuesday

世界と日本の感染者数と死亡数(WHO Report)

*人口:UN data 2020 April

  • コメント:西太平洋地域、ヨーロッパ、アメリカ大陸と3つの地域に分けてデータが示されている。
  • ヨーロッパはドイツを除きいずれの国でも死亡率は感染者数の10%を超えている。
  • アメリカ大陸では5~7%で、西太平洋地域では1~2%と地域により大きく異なる。
  • 西太平洋地域の国々と比べると、日本は感染者数が少ない割に、死亡率が高い。

日本の感染者数と死亡数  5月1日現在


2020.5.1

NY、CA、東京の3地区における1日当たりの感染者発生数の推移

NY、CA、東京の3地区における1日当たりの感染者発生数の推移を7日間移動平均にしてみると、3地区でのウイルス伝播速度の違いは明らかです。(図1。表1)


西海岸と東海岸のこの差をどう解釈する?

  • 同じアメリカでもアジアに近いCAでは、伝播速度が遅く、東京に近い。
  • 考えられる理由として、ロックダウンのタイミングもあるだろうが、むしろウイルス変異によると考える方がわかりやすい。CAは中国由来、NYはイタリア由来。
  • ロックダウンも、CAは3月19日、NYは3月22日、わずか3日だが、この差は大きい。
  • 1日感染者数が10人に達するまでの日数も3都市間でかなり差がある。ウイルスの違いによる?対策の遅れが感染速度に影響した?どちらも考えられる。

各地域の特徴


NY州 人口 1,900万人

  • ニューヨーク州内でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の初の感染者が確認されたのが3月1日。緊急対策として16日から休校措置が、7日にはアンドリュー・クオモ知事は非常事態を宣言。新型コロナ感染者は前日より45人増え、89人となった。非常事態宣言により衛生用品や人員を確保しやすくする目的で。
  • 22日に州は自宅待機令(Stay-at-home order、ロックダウン)に踏み切った。ロックダウン開始日には、1日の感染者数4,812人、すでに累積感染者1万5168人、死者114人という状態であった。その1ヶ月後には、感染者24万7543人、死者1万4,347人になった。

CA州  人口 3,951万人

  • 米カリフォルニア州のニューソム知事は4日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、非常事態を宣言した。同州では53人の感染が確認され、1人が死亡した。米メディアによると米国内での死者は計11人となっていた。
  • 3月19日に最大の人口を持つカリフォルニア州で自宅待機(Shelter in Place)が命じられた。今も続いている。19日の時点で、感染者331人/日。

東京都   人口 1,400万人

  • 全国の小中高、3月2日から臨時休校要請。春休みまで。
  • 3月25日、東京都の小池知事は今週末(3月28日~29日)の外出自粛を要請。平日に関しても、可能な限り在宅勤務を推奨した。1日の感染者数100人を超える。
  • 日本政府は、改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言を7日に発令し、東京圏など七都府県を対象区域とした。 感染者数3,817人
  • 新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることを受けて、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が4月16日、7都府県から全国に拡大されました。感染者数8,442人

  • 2020.04.29 Wednesday

COVID-19大流行でも4月は児童虐待啓発月間

Child Abuse Awareness Month During the Coronavirus Disease 2019 Pandemic  By Cameron M. Rosenthal, et al., Published Online: April 24, 2020. JAMA PEDIATRICS PATIENT PAGE


社会的孤立、現在世界中で実施されている公衆衛生対策は、児童虐待の証明されたリスク要因です。 その他のリスクとして、ストレス、食料や住居への不確実なアクセス、そして家計の心配があります。

両親や介護者は、COVID-19のパンデミックにより、失業、育児負担、およびスケジュールの変更を余儀なくされ、これらのストレスに圧倒されています。

COVID-19パンデミックにより、子どもとその家族は社会的に孤立し、ストレスが高まり、パンデミック中に児童虐待のリスクが高まります。

著者は、「社会的孤立時の児童虐待の危険因子」と「社会的孤立時のストレスと児童虐待のリスクを軽減する方法」を表のごとく、まとめています。


社会的孤立時の児童虐待の危険因子

  • 子どもとその友人、教師、カウンセラー、大家族との間の物理的なつながりの喪失
  • 両親や介護者へのストレスの増加
  • コミュニティや学校のリソースからの財政的または介護的サポートの喪失
  • 薬物乱用障害のある親または介護者への子どもの曝露の増加
  • 親、介護者、または子どもがメンタルヘルスリソースにアクセスできなくなる

社会的孤立時のストレスと児童虐待のリスクを軽減する方法

  • 電話、インタラクティブ・ビデオコミュニケーション、ソーシャルメディアを通じて、友人や遠くの家族と交流する
  • 地方自治体や連邦政府の援助の変更について最新情報を入手する
  • 仕事、食事、運動、休息の通常のパターンを維持する
  • 疲労やストレスの増加につながる活動の後には休憩をとる
  • 必要に応じて、家族、友人、または専門家に助けを求める

2020.04.26 Sunday

COVID-19とEarth day 2020

南米アマゾンやオースラリアにおいて数ヶ月も燃え続ける森林火災、世界各地での未曾有の風水害、いずれも人類がもたらした環境破壊、地球温暖化社会によるものです。

今は、中国武漢に始まるCOVID-19のパンデミックが、わずか数週間で世界各地に拡大し、世界各地の経済活動が一気に低下しました。皮肉なことに大都会の大気汚染は収まり、インドのニューデリーからは見えることがなかったエベレストが見えたという話もあります。

各国の首脳が集まりいくら討議しても、一向に進まない二酸化炭素の排出制限も、新型コロナウイルスの出現で、人類の生命は脅かされますが、地球環境が守られていくのを見ると、複雑な思いになります。


アポロ8号の宇宙飛行士が「アースライズ(地球の出)」を撮影

4月22日、Earth dayを迎えるにあたって、その生い立ちを振り返ってみましょう。

今からたった50年前の1968年12月24日に、アポロ8号の宇宙飛行士が月から昇る地球の姿「アースライズ(地球の出)」を撮影しました。人類が地球を外から見たのはこのときが初めで、テレビで中継されてきた「青く丸い地球」の姿に我々は感動しました。

当時はまた、科学技術文明の進歩により、環境汚染が大きな社会問題になっていました。「アースライズ(地球の出)」で地球の姿を認識してからは、地球全体を「ひとつの生命圏」としてとらえ、その保全に新しい環境運動が始まるきっかけとなりました。


1970年・なんでもない日を「地球の日」に!

このアースライズから15カ月後、世界最初の「アースデイ(地球の日)」がアメリカで誕生します。G・ネルソンという上院議員の「環境の日が必要だ」という発言に呼応したのが、スタンフォード大学に通うひとりの学生、デニス・ヘイズ氏です。デニスは「『母の日』や『父の日』があるのに『地球の日』がないなんておかしい」と呼びかけ、4月22日水曜という平日の“なんでもない日”を「地球の日」としたのです。


コロナウイルスはなぜ出現?

今流行しているコロナウイルス(SARS-CoV-2ウイルス)の出現は、人類による環境破壊と関係しているという説があります。SARS-CoV-2ウイルスは元々コウモリに寄生していたウイルスが変異して、ヒトに寄生できるようになったものです。先に大流行したコロナウイルス(SARSウイルス)もまたコウモリに寄生していたものです。コロナウイルス(MERSウイルス)はラクダからヒトへ寄生するようになったことがわかっています。環境破壊により、多くの野生動物がこれまでの棲息圏から追い出され、ヒト社会の近くに移り住んできています。このような生物の棲息圏の変化が、ウイルスの宿主動物とヒトとの距離を縮めてしまったのかもしれません。


コロナウイルスは手強い

コロナウイルスの存在は、これまでからヒトにも寄生しており、軽い風邪症状を示すだけで、決して恐ろしいウイルスではありませんでした。ところが、2002年には同じコロナウイルスでもSARSが、2012年にはMERSのパンデミックが起こりました。幸運にも、日本では水際作戦が奏功し、その流行はありませんでした。

しかし、今回のウイルスはなかなかの曲者です。感染していても、無症状であったりするので、気づかぬうちに他人に移してしまうので、あっという間に蔓延したのです。


政治家は決断が遅い

今回のCOVID-19大流行には、政治家の油断があったのではないでしょうか。SARS-CoV-2ウイルスは、初期の対応が1週間遅れただけで、一人の感染者から、10人に伝播してしまうのです。米国は、まさにその典型例です。

3月1日には一桁であった感染者が、3月7日には100人を超え、3月14日には1,000人を、22日には10,000人を超えてしまいました。

トランプ大統領は、自らの対応の遅れを認めず、今尚3万人近い感染者が毎日出ている中で、早期の経済活動再開を目論んでいる姿を見ると、医療者の立場から見ると言語道断です。時期尚早な経済活動再開こそが、経済の不活化を招くことになります。

今の政治家は、目先の経済には神経質ですが、地球規模の人類の問題には鈍感なようです。


2020.04.24 Friday

医療従事者を守るには、入院前のPCR検査をルーチンに

新型コロナウイルス感染拡大防止のために、最前線の現場に立って、治療や検査に当たっている医療従事者とその家族が差別や偏見にさらされているという報道が目立ちます。そこで、今日の医療現場の状況を正しく理解していただく上で、いくつかの点を指摘したいと思います。

各地の医療機関がクラスターとなっている例が数多く報道されます。これは、日本に限ったことではなく、中国、イタリア、米国等でも医療従事者の感染が目立ちます。その理由として、今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2ウイルス)に感染してから発症まで日数がかかること、また感染していても無症状の人が結構多いことが、SARSや新型インフルエンザウイルスの流行時に比べ、防疫対策を難しくしています。

新型コロナウイルスCOVID-19は1月に武漢でパンデミックが始まり、1か月も経たないうちに、世界中に拡がってしまいました。そのあまりの早さに各国ともに対策が後手に回ったこと言えます。

我が国では、PCR検査をすれば、患者が増えすぎ医療崩壊の原因となる(?)、4日間熱が続かないと検査をしないという、これまでの感染症対策の常識を破る方針がとられました(基本は早期発見、早期隔離です。)その結果、いまだに1日の検査数は1万件に達しておらず、隣国の韓国や中国と比べ、圧倒的に少ない数です。

神戸市の3次救急の要であり、また感染症の指定医療機関でもある神戸市立中央市民病院で院内感染が発生したことに大いなるショックを受けました。50名近い新型コロナウイルス感染症患者を一手に受け入れておりました。感染が蔓延したのは一般病棟です。問診、臨床所見で入院前に念入りにチェックをしていても、無症状感染患者は見落とされてしまいます。

これだけ新型コロナウイルスが蔓延した状態では、入院患者は全員PCR検査を済ませてから入院させることです。PCR検査をしたからといって全ての感染者をチェックできるわけではありませんが、検査をしない場合とは比べものになりません。

医療者を守るには、PCR検査をルーチンにすることです。

見え難い敵を少しでも見えるようにしないと、医療者の士気を低下させてしまいます。国の積極的な支援策を切望します。


2020.04.23 Thursday

COVID-19治療薬開発の現況 JAMA

Review : Pharmacologic Treatments for Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)  JAMA Network, April 13, 2020 by James M. Sanders, Division of Infectious Diseases and Geographic Medicine, Department of Medicine, University of Texas Southwestern Medical Center


現在のところ、SARS-CoV-2ウイルスの効果的な治療法はまだ証明されていません。しかし、多数の潜在的な薬物が候補に挙がっています。

最も有望な治療法はレムデシビルです。レンデシビルはSARS-CoV-2に対してRNAポリメラーゼを阻害し、ウイルスの複製を停止させることにより、強力なin vitro活性を持っていますが、米国食品医薬品局FDAの承認を得られておらず、現在ランダム化試験が進行中です。

オセルタミビルは有効性が示されておらず、コルチコステロイドは現在推奨されていません。現在の臨床的証拠は、COVID-19患者におけるアンジオテンシン変換酵素阻害剤またはアンジオテンシン受容体遮断薬の中止を支持していないことです。

現在、日本ではインフルエンザの治療薬として開発されたファビピラビル(アビガン)が注目されていますが、米国では臨床使用できません。以前はT-705として知られていたファビピラビルは、レンデシビルと同様に、RNAポリメラーゼを阻害し、ウイルスの複製を停止します。

前向き無作為化多施設共同研究で、中程度および重度のCOVID-19感染症の治療について、ファビピラビル(n = 120)がアルビドール(n = 120)との比較試験が中国武漢で行われました。中程度の感染症の患者においては、7日目での臨床的回復例が多いとの観察があります(71.4%ファビピラビルおよび55.9%アルビドール、P = .019)。COVID-19の治療に対するファビピラビルの有効性については、RCTによるさらなる調査が期待されています。

ウミフェノビル(アルビドール)は、Sタンパク質/ ACE2相互作用を標的とし、ウイルスエンベロープの膜融合を阻害するユニークな作用機序を備えた、より有望な転用抗ウイルス剤です。 SARSに対する活性を示唆するin vitroデータに基づいて、インフルエンザの予防およびCOVID-19の治療に対する関心が高まっているものです。

COVID-19に対するウミフェノビルの限られた臨床経験が中国から報告されています。

このように、日本、米国、中国それぞれにおいて臨床試験が進行中です。国の壁、特許の問題などが障害とならず、1日も早く使用されるようなることを願います。


2020.04.19 Sunday

COVID-19今後の見通し 高校クラスメートへ

クラスのみなさん、ご無沙汰しています。お互い80歳になり、ハイリスクグループということで、家に閉じ籠っておられることと思います。家にいると十分に時間があるので、私は、暇つぶしに「COVID-19を追って」というブログを2月末に立ち上げました。

東京、大阪、兵庫、USAの日々の感染者発生件数を自分なりにグラフ化してみていると、結構面白いことがわかります。ここ4~5日は、大阪、兵庫は横ばい状態が続いていますので、緊急事態宣言の効果も現れ、あと1週間もすれば減少トレンドに入ります。

問題は東京です。見かけは横ばいですが、実際の数はわかりません。昨日のデータをみても、兵庫県では209人検査し、うち31人が陽性です(陽性率15%)。対して、東京は陽性者201人もあるのに、検査件数はたったの482件(陽性率42%)です。関東で検査件数が少ないのは、流行初期からです。オリンピックを控え、感染者数を見かけ上減らそうとしていたに違いありません。オリンピック延期を契機に東京の患者数は一気に増加しています。

今の私の心配事は医療者の感染です。「政策的に医療崩壊を防ぐためにできるだけ検査をしない。」という誤った政策が今日の医療界の惨状を招いています。神戸市中央市民病院の院内感染も、一般病棟へのコロナ無症状感染患者の混入が原因です。

本来なら入院前にコロナ検査をしなければいけせん。今はどこも検査していません。ウイルスが院内のどこに潜んでいてもおかしくありません。

何よりも、病院に、マスク、防護服がないのはもってのほかです。雨合羽で働けという感覚では先が思いやられます。手当の問題でもありません。「安心」です。
みなさん。少々の痛みは我慢して、高齢者は病院に足を踏み入れないことです。私も、2月末から病院には行っていません。「うつらない」、「うつさない」を実践しています。内科の薬は電話でもらっています。

私の今後の見通しとしては、今回の緊急事態宣言で小康は得るでしょうが、11月頃に今以上のパンデミックが起こること必至です。できることは、しっかりやることです。まず、検査です。

3密を避けるのは向こう1年は必要です。辛抱強く、したたかに生きてください。頼りは、治療薬とワクチンです。


2020.04.18 Saturday