去る2月12日、化石燃料による発電や電気自動車(EV)の普及促進など、脱炭素関連政策の法的根拠を白紙にすることで、「史上最大の規制緩和措置となる」とトランプ米大統領が主張した――そのような報道があり、世界を驚かせました。
トランプ氏が撤回したのは、オバマ政権下の2009年に米環境保護局(EPA)が示した、「温室効果ガスが公衆の健康・福祉を危険にさらしている」という科学的認定です。これを同氏は「事実面でも法律面でも全く根拠を欠いている」と批判し、さらに「(温室効果ガスを排出する)化石燃料は世界中で何百万人もの命を助け、何億もの人を貧困から救い出した」と主張して、化石燃料を擁護しています。
その背景には、AI(特に生成AI)の急速な普及により、データセンターの電力消費が爆発的に増加するという見通しがあります。2030年には世界の電力需要の2%以上に達する可能性があり、これは日本やカナダの年間電力需要に相当するともいわれます。そうした状況では、化石燃料なしには需要に追いつけない――そのような考え方があるのかもしれません。
科学的に認定されたことを「真」と信じてきたこれまでの価値観が、政治家の一言で一気に覆される。そう感じると、これまで科学者たちは一体何をしてきたのか、という気持ちになります。長年、医学研究に携わってきた身として、耐え難いものです。
そこで私は、地球温暖化に対する化石燃料の影響が、科学的にどのように証明されているのかを改めて確認したくなり、チャッピーくんに相談しました。すると、最近の米国(トランプ米大統領の主張)では、科学そのものが覆ったというより、「規制の根拠(法的・行政的な土台)を撤回する判断」が先行している――そのような構図だというのです。
あわせて、各国政府が承認する気候変動に関する評価報告書(IPCC)も紹介してくれました。科学的には、累積CO₂排出量と気温上昇はほぼ直線関係にあり、温暖化が人為要因で説明されることが示されており、「温暖化と化石燃料は無関係」という“科学の否定”は成立しない――そのような内容でした。
医学は自然科学と社会科学のはざまに位置し、政治と全く無縁の世界ではありません。時の政権により大きく影響を受けます。しかし、少なくとも自然科学分野の研究では、政権の意向に左右されることなく、科学的事実の追求を続けたいものです。
頑張れ、科学者たち。
2026年2月14日







今夜は外出を諦め、ホテルのレストランで夕食をと考えたのですが、何とレストランは月曜日休業。やむを得ず、売店で売れ残ったサンドイッチと牛乳500mlを仕入れて、部屋での侘しい夕食です。