あたたかい心を育むには 2019.2

1. 親を悩ませる「魔の2歳児」、「十代の暴走」

魔の2歳時 (Terrible two)や、思春期に見られる暴走行為は、早くから発達する大脳辺縁系(大脳旧皮質)と遅れて発達してくる大脳皮質前頭前野(大脳新皮質)の発達速度のギャップによるものです。大脳辺縁系は行動の促進系(アクセル)として働き、前頭前野は行動の抑制系(ブレーキ)として働きます。大脳辺縁系が急速に発達する2〜3歳児、および性ホルモンの働きで大脳辺縁系が急速に発達する思春期には、前頭前野が未発達であるため、抑制(ブレーキ)が効かず、暴走してしまうのです。

2. 感性豊かな心は、幼少期に育つ

乳幼児期には、光や音、その他の感覚刺激が周囲から流れ込み、この五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)が脳を刺激し、感性豊かな心、あたたかい心を育みます。子どもの五感が急速に発達し、これらの刺激が先ず伝わるのが、生後早い時期から発達する大脳辺縁系です。
大脳辺縁系は、感情・感性、記憶、および本能的行動をコントロールする中枢であるとともに、また報酬系としての働きも知られており、成功体験が自らの学習意欲を高める働きもあります。
認知能力(計算や文字、知識、思考する能力)は小学生になってからでも教えることができますが、非認知能力(感性豊かな心)が伸びるのは幼児期です。だから、幼児教育で大切なことは、子どもたちの五感を育てることです。
子育ても、教育でも大切なのが、報酬系をうまく活用することです。自らの成功体験が自らの学習意欲を高め、益々向上心が芽生え、自ら進んでチャレンジしていきます。子どもたちの学習意欲を高めるためには、上手に褒めてあげてください。

3. あたたかい心を育むには

あたたかい心は、幼少期に培った感性豊かな心から生まれてきます。
子どもたちの五感を育み、感性を育てるには、子どもたちの問いかけに、真正面から反応し、応えてあげることです。生後すぐの赤ちゃんでも目は見え、耳も聞こえています。赤ちゃんの目をじっと見つめていると、見つめ返してきます。この見つめ合いのことを、「まなかい(眼交)」と言います。この「まなかい」こそが、育児の原点です。目があうと、微笑み返してあげてください、赤ちゃんは、お母さんの微笑みで納得し、安心します。
最近では授乳しているときに、スマホに夢中になっているお母さんをよく見かけます。子どもが話しかけても、スマホに向かいながら返事をしておられます。いつもこのような態度で子どもに接していると、子どもの感性の芽を摘むことになります。

4. AIロボット時代の子育て

1) 赤ちゃんの脳発達がAIロボット開発のモデル

AIは、赤ちゃんの脳を模して作成された人工のニューロン・ネットワーク(神経細胞網)です。人間のニューロンは、使用していないと、「刈り込み」で消失しますが、AIは作ったニューロン・ネットワークをどんどん蓄積していきます。新しいニューロン・ネットワークを作り、蓄えていくAIロボットの能力に人間は敵いっこありません。

2) ペットロボットが子どもたちに大変な人気

「パロ」と呼ばれる、あざらしに似た形をした白い人工毛皮で覆われた日本製のペットロボットが、小児科の外来におかれています。パロは、子どもたちに大変な人気です。パロは、まぶた・首・前足・後ろ足を本物の生きもののようにリアルに動かし、「キュウキュウ」という可愛い鳴き声も発します。自分の名前を呼ばれると反応します。
パロには知能があり、感情を持ち、乱暴な扱いを嫌がり、触れ合い方により性格が変化し、飼い主の行動を学習する能力もあります。もっと進化すれば、他人とのコミュニケーションをとるのが下手な現代人の「こころの相談役」として、働いてくれるかもしれません。

3) AIロボットにもあたたかい心を

人間とAIがうまくやっていくためには、幼少時からAIと上手にコミュニケーションをとる能力を養うことが必要です。人間がAIをいつもいじめていると、AIは人間を憎み、報復するかもしれません。
人間の声は、いろんな情報を相手に伝えます。目を閉じて、声を聞いているだけで、相手の喜怒哀楽や健康状態もわかります。目も相手に多くのこと語りかけますが、声には人の意思がより豊かに、より正しく反映されています。AIロボットと上手に付き合うには、自分の考えや思いを正しく相手に伝える声の学習が大切になってきました。
人間社会では人付き合いの苦手な人も、AIロボットと一緒の生活であればうまくいくかもしれません。学校では、AIロボットとの友情を育む方法を学ぶ新しいクラスが始まります。
さあ、AIロボットと仲良くし、新しい家族生活の準備を始めましょう。

第25回日本保育保健学会 2019/5/18-9 @神戸 抄録

連載 赤ちゃんの四季 2018/2019

76. スマホとこれからの子どもたち

発展途上国の子どもたちが、iPadを手に楽しそうに談笑している姿、また学校教育現場でiPadが活用されている報道画面を見ていると、これら発展途上国の識字率が学習アプリの普及で大きく向上し、生活水準アップが期待できそうです。

日本では、子どもは「スマホ依存症」、「ゲーム依存症」になりやすいとの理由で、またSNSでの犯罪被害を恐れて、子どものスマホ使用には消極的な親が多いようです。子どもは、ルールがなければ何時間でもゲームしています。子どもが依存症にならないようにするには、親子の間で一定のルール作りをしておくことです。あなた自身が、お子さんと一緒にゲームを楽しんで上げてください。子どもが成功した時には、「ゲームへの集中力、細部への注意力の向上」を褒めてやることです。親子のコミュニケーションも良くなり、お互いの理解も深まります。SNSについても、自分の子が学校友達以外の不特定の集団の中に属していないか絶えず目を光らせてあげてください。家庭や学校でのきめ細やかな指導が不可欠です。

私たちの身の回りには、家電製品をはじめ、人工知能「AI」搭載の製品(IoT, internet of things)が次々と出回ってきます。私たちは、知らず知らずのうちに、「AI」の思いのままに行動しているような気がします。5つの感覚(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)をもつセンサ機能が改良されると、人工知能「AI」は人間と同じ知性を持つように進化し、近い将来には「AI」が人間社会の一員となるかもしれません。

これからの子どもたちは、次々と生み出されてくる電子通信機器や「AI」搭載機器とうまく共生していく必要があります。子どもをスマホから遠ざけるのではなく、学校においても、家庭においてもスマホを上手く使いこなす術を指導していくことがこれからもっと大切になるでしょう。(令和元年冬)

75. 子どもを虐待から守るには

子どもの虐待死亡事件の報道に、心を痛めておられる方が多いと思います。子どもの数が減少する中で、子どもの虐待死亡件数は毎年50名近くあり、減少する傾向は全くありません。一方、平成30年度の児童相談所への児童虐待相談対応件数は16万件にも上っています。この数は、18歳未満の子ども100人に1人が毎年虐待を受けていることを示しています。

この12月には、第25回日本子ども虐待防止学会を神戸ポートアイランドで開催します。参加者の多くは福祉・医療・保健・教育・司法・行政・NPO団体などで普段から虐待防止に取り組んでいる人々で、約2千名の参加が見込まれています。じつは、2001年にも神戸大学小児科が中心となり、神戸で第7回大会を開催しています。当時は、わが国でも子ども虐待が大きな社会的話題になり始めた頃でした。2000年に子ども虐待防止法が初めて成立し、児童相談所への児童虐待相談対応件数は今の10分の一、1万5千人程度でした。増え続けるその数に将来を案じていたのが、より厳しい現実となりました。

親から子への虐待、傷害致死事件では、10年以上の懲役刑の出る判決はまずなく、その量刑が軽いとの印象を持たれている方も多いのではないでしょうか。虐待死に至った背景として、➀予期しない妊娠/計画していない妊娠、妊婦健診未受診、母子健康手帳の未交付といった妊娠期・周産期の問題、 ②産後における心理・精神的問題、➂家庭の経済的困窮といった問題を抱えている事例が多く、全てを親の責任するのは酷との判断でしょう。しかし、子どもが虐待を受け、死亡に至っている事実は重く受け止めねばなりません。

「子育て支援を」、「子どもは国の宝」と選挙でどの候補者も声高に叫んでおられますが、その施策をみていると、保育所の増設や待機児童の減少が中心で、育てる側の身勝手が目立ちます。子どもは、朝早くから目をこすりながら、通勤列車に乗って「預けられ」、夕には「引き取られて」いきます。まるで手荷物の一時預けのようです。親も子も分刻みの生活を強いられているのです。

どうも、今の日本では、子どもの人権、子どもの尊厳は後回しになっているように思えてなりません。せめて乳幼児期だけでも、ゆったりとした時間の中で、親子が落ち着いて生活できる場を社会が提供することです。これしか、児童虐待から親子を守るすべはなさそうです。(令和元年秋)

74. 合計特殊出生率からみた世界

厚生労働省の発表では、2018年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は1.42と3年連続の低下を示し、同年に生まれた子どもの数(出生数)は91万8千人と過去最少を更新し、3年連続で100万人割れです。

日本では、1947年の出生数が268万人、そのときの合計特殊出生率は4.54と高値でしたが、高度経済成長とともに1960年には2.0まで低下したのです。1975年以後は2.0を上回ることはなくなり、1.26まで低下したのが2005年です。その後わずかに増加はしましたが、政府の掲げる希望目標値1.8とは程遠いものです。

スエーデンのウプサラ大学の公衆衛生学の教授だったハンス・ロスリング氏の「ファクトフルネス」という書が、世界中で話題を呼んでいます。「あなたの”常識”は20年前で止まっている」という副題に惹きつけられて、私も手にとってみました。物の豊かな国に住むわれわれが普段目にする統計は、豊かな国同士を比較したものばかりで、発展途上国や最貧国の現状について自分自身があまりにも無知であることに気づかされました。

その本で、しばしば引用されている国連人口統計では、世界全体の合計特殊出生率は、1964年に5.06だったのが、2017年には2.42にまで低下しています。アジアだけみても、インドとインドネシアが2.3、バングラデッシュ2.1、ベトナム1.9、中国1.6、タイ1.5と経済発展とともに急速に低下し続けています。シンガポール、韓国、香港、台湾といった東アジアの国々は、我が国よりももっと低水準です。

今や、合計特殊出生率が4を上回っている国は、戦争の絶えない一部の極貧国だけです。かつての極貧国も日々経済成長を続けており、子どもの死亡率が低下し、やがて合計特殊出生率も2.0を下回るに違いありません。われわれは、世界の人口増加による食糧不足に怯えることはなさそうですが、地球規模での成熟した高齢者社会を遠からず迎えることになりそうです。((令和元年夏)

73. 睡眠不足は記憶力を低下させる

春の行楽帰りの電車の中、遊び疲れた幼子が身体を折り曲げ、ぐっすり寝込んでいます。令和という新しい時代を迎えての大型連休。帰り路の睡眠が、楽しかった一日の思い出を脳の奥深くにある海馬に、確かな記憶として刻み込んでいます。

睡眠には、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)の2種類があります。レム睡眠は原始的な睡眠で、ノンレム睡眠は脳の進化とともに発達してきたもので、脳の休養、回復に役立っています。夢を見たりしているときの浅い睡眠(レム睡眠)は、寝る前に学習したことを整理し、記憶として定着させる働きがあるのです。

近年、中高校生の多くは睡眠不足に陥っています。彼らの年齢層は、もともと夜型化し易いという生物学的な特徴を持っており、インターネットやスマホの普及で、より一層睡眠不足になり勝ちです。睡眠不足になると、記憶力が低下し、注意力が散漫になり、学業成績も落ちて行きます。感情も沈みがちに、無気力になるだけでなく、キレやすい性格にもなります。

睡眠が不足しがちな高校生に、昼休みに15分間の午睡をとらせたところ、午後の眠気が少なくなり、学力が向上したという研究報告や、記憶課題のトレーニング実験で、トレーニングの間に睡眠を挟みながら行うと記憶力がアップしたというデータもあります。一夜漬けの試験勉強でも、朝まで頑張って勉強するよりも、勉強をした後に適度に睡眠をとると寝ている間に学習したことが頭の中で整理され、記憶として定着することになります。

睡眠不足に悩まれている方は、ベッドでのスマホをやめ、朝の光で体内時計をリセットし、生活リズムを整えることが一番です。太陽の光には覚醒効果のあるブルーライトが含まれているのです。(平成31年春)

 

72. 成育基本法の成立とフィンランドのネウボラ

昨年12月8日に、成育基本法が成立したのをご存知でしょうか。この成育基本法という法律には、全ての妊婦・子どもに妊娠期から成人期までの切れ目のない医療・教育・福祉を提供することの重要性が定められ、国や地方公共団体、関係機関に必要な施策を実施する責務が明記されています。

我が国では、妊産婦のうつ病・自殺、乳幼児虐待、思春期の自殺など、子育てに関わる問題が山積しています。そこで、注目されているのが、男女共同参画の先進国で女性のほとんどがフルタイムで働くフィンランドのネウボラです。ネウボラ (neuvola) はアドバイス(neuvo)の場という意味で、妊娠期から就学前までの子どもの健やかな成長・発達の支援はもちろん、母親、父親、きょうだい、家族全体の心身の健康も一元的にサポートしています。
フィンランドでは妊娠の予兆がある時点で、まずネウボラへ健診に行きます。ネウボラはどの自治体にもあり、健診は無料、全国でネウボラの数は約850か所あるそうです(人口540万)。妊娠期間中は少なくとも8-9回、出産後は15回ほど子どもが小学校に入学するまで定期的に通い、保健師や助産師を中心に専門家からアドバイスをもらいます。

社会全体が子どもの誕生を歓迎し、切れ目のない、包み込むようなフィンランドの子育て支援が、現在世界中で注目を集めています。日本国内においても、いくつかの市町で日本版ネウボラが試みられています。
新しく制定された成育基本法の基本理念は、これから生まれてくる赤ちゃんやお母さんを社会全体で守ろうという大変素晴らしいものです。その具体的な施策は、まだこれからのようですが、ネウボラが一つのモデルとなるでしょう。(平成30年冬) 資料:フィンランド大使館HP

 

71. 大人の百日咳が増えている

百日咳は2018年1月から5類感染症の全数把握疾患に指定されたことから、わが国全体の患者数を正確に把握できるようになりました。その結果、この4か月余りでの集計で、5歳未満は14%、5歳以上15歳未満が52%、20歳以上の成人症例が34%と、約3分の1が成人患者であることがわかりました。

DPT-IPV四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)接種が、わが国を含めて世界各国で実施されており、その普及とともに各国で百日咳の発生数は激減しています。しかし、百日咳は感染力がとても強い疾患で(麻しんと同程度)、わが国では毎年数千人の百日咳患者が発生していると言われています。

乳児の百日咳は、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を示す急性気道感染症で、咳がひどい時にはチアノーゼを伴います。しかし、成人や百日咳含有ワクチンを接種した人が百日咳にかかっても重症化することはありません。その症状も典型的でなく、軽い咳が長引くだけで自然に治癒することが多いので、冬季に向かいウイルス性の風邪が流行し始めると見分けるのが難しくなり、大流行の元となります。

乳児では、母親から受け取る免疫(経胎盤移行抗体)が十分でないために、生後早期から罹患する可能性があります。新生児や6か月未満の乳児が百日咳にかかると、呼吸器不全に陥り呼吸停止など命に関わる大変危険な疾患です。
したがって、生後3か月になれば、できるだけ早い時期に四種混合ワクチンを接種することです。また、乳児期に百日咳ワクチンを接種していない学童や大人もワクチン接種されることをお勧めします。(平成30年秋)

70. 多様な性を受け入れる社会に


本年7月に、お茶の水女子大学が戸籍上は男性で、心の性別が女性のトランスジェンダー学生の受け入れ決定を発表し、日本もやっと多様な性を受け入れる社会に向かいつつあります。

性同一性障害(Gender Identity disorder, GID)とは、医療的なケアを必要とする場合の診断名です。トランスジェンダーとは、自分の生まれた時の社会的・法律的な性に違和感を持っている人を指し、医療的な治療を必要としない人も含めた呼びかたです。最近では、「LGBT」(Lesbian, Gay, Bisexial, Transgenderの頭文字をとったもの)が性的少数者の総称としてよく用いられており、その数は13人に1人に及んでいます(電通ダイバーシティ・ラボの20~59歳を対象にした調査、2016年4月)。

米国では、自らの生物学的性とは逆の性に社会的転換したトランスジェンダーの子どもたち、つまり、性同一性を支持されて社会的に公然と生きることを認められた子どもたちを、誰もが社会で目にするようになってきました。その結果として、社会的に転換したトランスジェンダーの子どもたちは、生まれたときの性別のままでいる子どもたちに比べ、抑うつ症状や不安症状をもつ割合が著しく低下したとの論文もあり、早期介入の重要性が指摘されています。

男の子の中には、ぬいぐるみやお人形遊びなどを好む子もいますし、女の子の中にも男の子のように木登りや動き回って遊ぶのが好きな子もいます。子どもの行動パターン、「男らしさ」、「女らしさ」は、子どもの生物学的な性と大抵は一致していますが、ときに一致しないこともあります。前回にも触れましたが、これらの行動パターンの違いは、生物学的な性よりも、お母さんの子宮内で男性ホルモンの影響で生じた脳の性差によるとの指摘もあります。

多様な性を受け入れる社会を目指す我が国においては、トランスジェンダーの子どもたちへの気づき・理解と家族への適切なアドバイスが求められる時代になってきたと言えます。(平成30年夏)

69. 男らしさは、胎児期に芽生える
男性ホルモン(アンドロゲン)と呼ばれるステロイド・ホルモンの代表がテストステロンです。男性ホルモンというと、筋肉増強剤、スポーツ選手のドーピンをイメージされる方が多いと思いますが、筋肉や骨の形成だけでなく、男性の性機能、脳の男性化に働き、冒険心・闘争心を高めます。

胎児はみんな、女性ホルモンの環境下にあります。男児のみは、妊娠6週から24週にかけてアンドロゲンが大量に胎児の精巣から分泌され、「アンドロゲン・シャワー」と呼ばれる状態になります。男性生殖器が発達し、脳は女性的特徴を失い、男性化します。早産で生まれた新生児男児のペニスは大きく、ときに勃起しているのに驚かされます。

もし、胎児期に「アンドロゲン・シャワー」の洗礼を受けていなけば、たとえ染色体が男性型(XY型)であったとしても、出生時にはペニスは小さく、社会的に女性と判定されてしまいます。一方、先天性副腎過形成と呼ばれる病気では、染色体は女性型でも、副腎で大量にテストステロンが産生されるために、出生時には陰核が肥大しており、男性と間違われたりします。胎児期における血中テストステロン量が男らしさの発現に関わっているのです。

思春期になると、女性は卵巣から女性ホルモンであるエストロゲンが、男性では精巣からテストステロンが大量に分泌され、女らしさ、男らしさが際立ちます。健常成人女性の血中テストステロン・レベルは健常成人男性の5~10%程度と低いですが、ゼロではありません。これは、テストステロンが精巣だけでなく、副腎や卵巣からも分泌されているからです。男性的な振る舞いをする女性では、血中テストステロン値が高いことも珍しくないのです。(平成30年春)

いま選ぶとしても新生児科医だ

私は、この50年間新生児医療に関わりを持ち続けながら生きてきた。楽しかったこと、辛かったこと、いろんな方々との出会いを振り返っていると、今もまた、50年前と同じように大きく激動する時代を迎えようとしている気がしてならない。

1. 昭和50年代は新生児医療のベル・エポック

3年間のパリ大学医学部新生児センターへの留学の後、母校神戸大学医学部小児科の助手として昭和47年秋に帰国した。パリ大学のNICUには、RDSの治療にレスピレーターがところ狭ましと並んでいたが、日本では未だ輸液療法が中心で、日本と欧米との新生児医療水準の差に愕然とした。

帰国後間もなく、日本の小児麻酔の草分けである岩井誠三先生が国立小児病院から神戸大学の教授に赴任してこられたことが私にとって幸いだった。岩井先生のお陰で、人工呼吸器ベビーバードをはじめ、欧米から取り寄せられた最新の医療機器が、業者の手で新生児室に次々と持ち込まれてきた。

A. 相次ぐ多胎児の誕生

未熟児医療が広く世間に知られるようになったのは、1976年1月の鹿児島市立病院での5つ子誕生ではないかと思う。馬場一雄先生や山内逸郎先生ら日本の新生児学のスペシャリストが総力を挙げ、全員元気に退院したという報道があったからだ。

同年9月には、神戸で6つ子が誕生し、これも連日大きく報道された。一人は死産で、後の5人は900gに満たない超早産低出生体重児、いずれも重度の呼吸障害があり、レスピレーターを必要とした。なんとか620gで生まれた女児ひとりだけが無事退院することができ、ほっとした。

この子は、その後2年間ほど最軽量の出生体重児としての世界記録を保持していた。何よりも嬉しいのはこの子が成人し、結婚式に参列できたこと、元気な正期産児を出産したという報を頂いたことである。新生児科医としての最高の幸せを体感させてもらった。

B. 新生児医療が近代医療のトップランナーに

新生児医療がマスコミで取り上げられるようにはなったが、「私は新生児科医です。」と自己紹介すると、「ああ先生は産婦人科医ですか。」という答えが返ってきた。昭和50年代の前半には、医療関係者でさえ、小児科医の中においても、まだまだ「新生児科医」は定着していなかった。

しかし、この昭和50年代の10年間には、人工呼吸器、各種モニター、新しいカテーテル・カニューレなどが次々と生まれ、まさに日進月歩、あっという間に欧米の医療技術水準に追いつく夢のような時代であった。この時代の先導役が、米国留学から帰国した気鋭の新生科医、名古屋市大の小川雄之亮であり、北里大学の仁志田博司たちであった。

栄養チューブや輸液療法のカテーテル、翼状針などは、新生児室発の新しい医療材料であり、呼吸循環モニター機器類を最初に臨床現場に持ち込んだのは新生児科医と麻酔科医だった。日々自らが実践している医療行為は、全て斬新なものであり、価値ある研究論文として評価された。新生児医療は、一躍近代医療のトップランナーに躍り出て、多くの若い医学徒たちがNICUを志望したのもこの時代だった。

2. 日本の新生児医療が欧米に追いついたと実感したとき

A. 米国小児科学会でアンバウンドビリルビン測定法を発表

国立岡山病院の山内逸郎先生から米国小児科学会事務総長をされていたAudrey K. Brown教授を紹介して頂き、ペルオキシダーゼを用いた新しいアンバウンドビリルビン測定法を1984年(昭和60年)春の米国小児科学会で発表する機会を得ることができた。今日では毎年、日本からも数多くの演題が発表されているが、当時は現地に留学中のごく少数の日本人に会うぐらいで、日本からの演題は極めて限られていた。国立岡山病院の山内芳忠先生も山内逸郎先生とご一緒に、Brown教授の推薦で「ミノルタ経皮的黄疸測定器」について前年に発表しておられた。

この渡米は、私にとって生まれて初めてのものであり、英会話もあまり堪能でなかったので、予行演習を兼ねて学会の開催される3週間ほど前に渡米し、Brown教授のおられるニューヨーク州立大学を初め、ペンシルバニア大学のJohnson教授、スタンフォード大学のStevenson博士らの米国における新生児黄疸研究の第一人者の教室を訪ね、講演する機会を設けてもらった。そのときは大変緊張したが、この体験がのちに私の大きな自信につながった。

B. 人工肺サーファクタントTA (PSF) の臨床試験

日本の新生児医療水準を一気に世界のトップレベルまで引き上げたのは、岩手医大の藤原哲郎教授の開発された「人工肺サーファクタントTA(PSF)」だ。米国小児科学会での藤原教授の発表は聴衆の方々に大きな感動を与えた。

私は、日本におけるPSFの多施設共同臨床試験の世話人の一人に指名された。臨床試験は、いまでは当たり前のようになっている二重盲検試験だった。このPSFの臨床試験では、試験群なら投与後10分もしないうちにtcPO2が急上昇するので、誰の目にもはっきりと判るものだった。プラセボ群のくじを引くと、じっと我慢しなければならない残酷さは臨床医として本当に辛いものであった。

でも、この臨床試験をルール違反や欠測値を最小限に抑えて成功できたのは、本剤の1日も早い臨床使用を夢見ていた全国の新生児科医が、心を一つにして参加したことにあったと思う。この経験が、我が国の新生児医療水準を一気に向上させ、また施設間の連携を強化させ、世界最高レベルの新生児死亡率へと押し上げた。

3. いま選ぶとしても新生児科医

21世紀は、AI・ロボット時代である。医療がAI・ロボットでどのように変わっていくかは興味深い。一番にAI・ロボットに取って代わられるのが、五感を使って判断する診断技術、とくにこれまで専門医が一手に引き受けていた分野、それと医療事務処理と言われている。直接患者さんの感性に働きかける看護業務や介助業務はAI・ロボットでの肩代わりは後回しになりそうだ。

小児科領域では、先天異常や感染症・がんの診断は、これまでの情報量も多く、AI・ロボットが主役になりそうだ。でも、治療になると患者さんの個別性が大きく、小児科医の人間性が役立ちそうだ。いま、ワクチンの充実で子どもの感染症は少なくなったが、発達障害や心の問題は、AI・ロボットだけでは対応できない大きな課題となろう。

私の世代が昭和50年代に新しい医療機器類で体験したワクワク感と同じ、否それ以上の期待感でいっぱいだ。人生の出発点に立ち会う新生児科医が、新生児とAI・ロボットとの接し方の道筋を決める重大な役割を担う日もそう遠くはない。

新生児センターや保育所・幼稚園・学校でも、人間とロボットとの共同作業が始まると、どんな子に育っていくのだろうか? 人間だけで育てている今以上に、あたたかい、思いやりの心を持った大人に育っていくような気もしないではない。 2018.12

中村 肇 神戸大学名誉教授  小児科臨床「リレー随想」より、Vol.72 No.1, 2019 pp46-48

最近、私が想うこと 2018.12

神戸高校卒後60周年記念 がらくた文集  2018.12.07.
この春から、定期の仕事は辞め、自宅で昼メシを摂ることが多くなり、濡れ落ち葉状態。妻から悪態をつかれながらの生活に入っています。家を離れるために、講演会や研究会にはできるだけ参加し、遅ればせながらゴルフ道にも嵌まっています。少しやりすぎると節々が痛み、騙し騙しの情けない身体となっていますが、少しずつ飛距離も伸び、本人はやる気満々です。

いまでは自宅に居ながら、ネットでいろんな情報を収集でき、わざわざ図書館に行かなくても資料が手に入る、便利な時代になったものです。自分の時間は十分にあるが、行動力の鈍った後期高齢者には感謝、感謝です。

高校時代の私は、身体を動かすことが好きで、本はほとんど読まず、国語が大の苦手で、文を書くことはありませんでした。その私が、恥ずかしながら、今では子育てに関するエッセイを連載しているのです。えー、あのブートンがエッセイを書くなんてと驚かれる方も多いでしょう。しかも、昨年は、それらをまとめ、「赤ちゃんの四季」、「子育てをもっと楽しむ」の2冊を出版したのです。連載し始めた20年前には、まだ現役の小児科医で毎月の締め切りが苦痛でした。しかし、慣れとは恐ろしいもので、数年続けていると、語彙力も、表現力もなかった私ですら書くのがあまり苦痛でなくなってきました。他人から褒められたりすると余計に筆が進むようになりました。

いま、私が一番関心を持っているのが、身体と心の性の不一致に悩むトランスジェンダーです。心の性、「女らしさ」、「男らしさ」と戸籍上の性別(出生時に外性器で判定)とは必ずしも一致しないことです。「がらくた」のみなさんは、身近な体験からお気づきのことでしょう。

いまでは、MRI画像診断装置を用いると、脳の微細な様子、働きを知ることができるようなりました。女性の脳は、男性の脳に比べ、より緻密なネットワークをもつことがビジュアルに確認でき、女性が多方面にまたがる問題を同時に処理する統合的なマネージメント力に優れていることも納得できます。

幼少時からの女らしさ、男らしさは、胎内で脳が浴びた男性ホルモン量で決まってしまうようです。戸籍上の性別は女性でも胎内で、より多くの男性ホルモンに曝されると男性脳に、少なければ女性脳になるようです(男性ホルモンは精巣からだけでなく、副腎からも分泌されている)。外見上は男性、女性に二分できますが、性ホルモン分泌量に依存する「女らしさ」、「男らしさ」、心の性、すなわちジェンダーは明確に二分することは不可能です。個を重視する現代社会では性別欄がなくなる日もそう遠くはなさそうです。

男女共同参画社会ということで、日本も女性の社会進出が目立ってきました。同じ女性でも子育てを選択される方もあれば、職業を選択される方もあります。男性に比べて、より大量の男性ホルモンを分泌している女性も珍しくなく、このような女性は職業人として活躍されている方に多いようです。「がらくた」の皆さんや私の周りにはこのような女性がたくさんいると思いますが、世の中には子育てに集中したく思っている女性も数多くいます。今の「働き方改革」の何よりの問題は、育児に専念したくても、その後の職場復帰が難しいこと、何よりも夫の薄給のために働き続けねばならないことだと私は主張し廻っています。

つい先日までは、高齢になると何もすることがなかろうと思っていましたが、いざその年齢になると、結構しなくてはと思うことが山積みです。でも、一つ一つのテンポが遅くなっており、これでは生涯にわたり、やりたいことが尽きないようです。騒がず、慌てず、与えられた自らの寿命の中で、のんびりと生きていくしかなさそうです。

子どものトランスジェンダーへの対応を

多様な性を受け入れる社会へ

お茶の水女子大学が本年7月に、戸籍上は男性で心の性別が女性のトランスジェンダー学生の受け入れ決定を発表し、日本も本格的に多様な性を受け入れる社会になったようです。2004年に施行された性同一性障害特例法により、20歳以上・未婚・生殖機能がない・他の性別に係る身体の性器に近似する外観などの条件を満たせば家裁に性別変更を申し立てられるようになり、2014年末現在で家裁が性別変更を認めた数は5,166人になっています。諸外国の統計等から推測すると、性同一性障害(GID)を有する者は、凡そ男性3万人に一人、女性10万人に一人の割合で存在すると言われています。

我が国では、GIDは思春期以後の問題ということで、小児科領域で取り上げられるのは外性器異常やホルモン異常症をもつ児などに限られ、自分の性別に違和感を持つだけのTransgender(トランスジェンダー、性別越境者)への取り組みはほとんどなされてきませんでした。しかし、乳幼児期から我が子の心の性、Genderへの違和感をもつ親も少なくありません。

性の決定には、出生前因子が強く関与

子どもの行動パターン、「男らしさ」、「女らしさ」は、子どもの生物学的な性と大抵は一致していますが、ときに一致しないことがあります。これらの行動パターンは、生物学的な性よりも、男性ホルモンの影響を受けた脳の性差によると考えられています。

性の決定には、出生前因子が強く関与しています。男の胎児では、妊娠6週から24週にかけて精巣からのアンドロジェンの分泌が増加する”アンドロジェン・シャワー”と呼ばれる時期があります。アンドロジェンの作用により、男性器が発達し、また脳の男性化が起こると言われています。近年の研究から、胎児テストステロン量の差により、脳梁のサイズ・非対称性とともに、脳の発達、認知・行動における性的二型性が形成されるようです。また、脳機能の画像解析により、男性の脳は知覚と協調動作とが容易に結びつくように構成され、女性の脳は分析モードと直感的な処理モードが連携し易いように設計されていることも分かってきました。

トランスジェンダーの子どもたちにメンタルヘルスを

Olson KRら(Pediatrics, 2016)の論文によると、米国では、自らの生物学的性とは逆の性へと社会的に転換したトランスジェンダーの子どもたち、つまり、性同一性を支持されて社会的に公然と生きることを認められた子どもたちを、誰もが社会で目にするようになったそうです。その結果として、以前にはGIDの子どもたちに、不安とうつ病が非常に高い割合で見られていたのが、社会的認知が進んだことから、トランスジェンダーの若者(3〜12歳の思春期前期)の抑うつ症状は軽減したそうです。

トランスジェンダーへの社会的認知と理解が進む我が国においても、これらトランスジェンダーの子どもたちや家族への適切なアドバイスが求められる時代になってきたと言えます。

小児科医は新しい時代への対応を

ホルモンの働きに左右される心の性、Genderは、単純に「男」と「女」に二分化するのは不可能で、いろんな程度の「男らしさ」と「女らしさ」が存在します。履歴書から性別欄がなくなる日もそう遠くはなさそうですし、いま盛んに言われている男女平等や男女共同参画と言った言葉もやがて死語となる日が来ることでしょう。

Shumer DEら(Adv Pediatr. 2016)によると、米国においては、医師の診察を受けている性的不快感を有する小児および青年が年々増加しており、これまで1万〜3万人に1人と言われていたのが、最近の調査ではじつに200人に1人に達したそうです。日本の私たち小児科医にとっても、トランスジェンダーの子どもたちと家族のメンタルヘルスサポートが、新しい日常診療に加わってくること必至です。

若葉  2019 「名誉教授からの一言」  平成30年12月記

 

 

成育基本法の成立とフィンランドのネウボラ

昨年12月8日に、成育基本法が成立したのをご存知でしょうか。この成育基本法という法律には、全ての妊婦・子どもに妊娠期から成人期までの切れ目のない医療・教育・福祉を提供することの重要性が定められ、国や地方公共団体、関係機関に必要な施策を実施する責務が明記されています。

我が国では、妊産婦のうつ病・自殺、乳幼児虐待、思春期の自殺など、子育てに関わる問題が山積しています。そこで、注目されているのが、男女共同参画の先進国で女性のほとんどがフルタイムで働くフィンランドのネウボラです。ネウボラ (neuvola) はアドバイス(neuvo)の場という意味で、妊娠期から就学前までの子どもの健やかな成長・発達の支援はもちろん、母親、父親、きょうだい、家族全体の心身の健康も一元的にサポートしています。
フィンランドでは妊娠の予兆がある時点で、まずネウボラへ健診に行きます。ネウボラはどの自治体にもあり、健診は無料、全国でネウボラの数は約850か所あるそうです(人口540万)。妊娠期間中は少なくとも8-9回、出産後は15回ほど子どもが小学校に入学するまで定期的に通い、保健師や助産師を中心に専門家からアドバイスをもらいます。

社会全体が子どもの誕生を歓迎し、切れ目のない、包み込むようなフィンランドの子育て支援が、現在世界中で注目を集めています。日本国内においても、いくつかの市町で日本版ネウボラが試みられています。
新しく制定された成育基本法の基本理念は、これから生まれてくる赤ちゃんやお母さんを社会全体で守ろうという大変素晴らしいものです。その具体的な施策は、まだこれからのようですが、ネウボラが一つのモデルとなるでしょう。 資料:フィンランド大使館HP

連載 赤ちゃんの四季(平成30年冬)

コンプレックスを長所に

外見上のコンプレックスを武器に海外でも活躍する日本人女性4人組のバンド・CHAI(チャイ)を、年初のNHKテレビのクローズアップ現代が取り上げていました。渡辺直美さんとトレンディエンジェルの斎藤司さんがゲストとして参加し、コンプレックスに悩む人たちに元気を与えてくれる番組でした。

学校生活は、マジョリティー(多数派)の中にいると居心地はいいのですが、マイナリティー(少数派)になると、毎日の生活が息苦しく、不登校になります。人はコンプレックスをもつと、自分をマイナリティーの殻に閉じ込めがちですが、そのコンプレックスは他人が持つことのできない特性だと考えれば、大きな長所になるのです。

何もかもが平準化された情報化社会では、マイナリティーの子どもたちのもつ感性が大切にされ、注目される時代なのです。

連載 子どもの健康コラム138  2019.12.

Essays in English

A Happy New Year 2019
The symbol of this year is a boar in the Japanese calendar.This picture, “Uribo” is a mascot character of Kobe University. Parent and child of wild boar comes down from the RokkoMountain to the streets.

Although it is a very cute animal, its rushing power is very strong, so if you inadvertently approach it you may be charged with full power.Because boars are good at making children, they are prosperous progeny, brave animals.

To be an energetic and exciting year like a boar.

 

137. Children who do not release a smartphone.  December 2018

Children raised with smartphone reading storied picture books are already elementary school students. A lot of children are receiving assistance of learning with smartphone teaching materials such as arithmetic and national languages.
In the survey conducted by the Ministry of Health, Labor and Welfare in FY 2017, 16.0% of high school students and 12.4% of junior high school students are said to be dependent on the Internet, and the Internet age is gradually increasing.
More than half of the first grade girls in junior high school have a smartphone, and LINE (SNS) is an essential item for interaction with friends.
If you write it, it will be instantly transmitted to your opponent, and your reply will come back in less than a few seconds. Sometimes you hurt the other party in the way of use, and drive you into bullying. In Twitter and Instagram, we send out information not only to our friends but also to unspecified number of people, so we may encounter unexpected calamity.
It is important to tell the correct usage and risk of smartphone firmly at home and school before the child leaves the parents and begins SNS.

133. “What” and “Why” are the sources of creativity in the child’s mind.   April 2018

After passing three years of age, as soon as children can speak the language well, they repeats “what” and “why”.
The heart that wonders “what”, “why” is the source of human creative power. No matter how advanced AI is, it is this creativity that human beings have an advantage.
Please answer to “what” and “why” that the child has thrown. The answer that has returned for the doubt will remain deep within the brain forever. If you have an answer difficult question, it is important to state clearly why you do not have an answer. This is also a great wealth for children.
The one that is most disadvantageous is “ignorance”. When neglect is repeated, children lose their desire for knowledge and become a lethargic adult.
To nurture a creatively human who can not defeat AI, it is to firmly face the question of the child.

132. Activities of teenagers are outstanding   February 2018

Mr. Sota Fujii, 4th stage of Shogi, has won 29 Official Games in a row at the age of 15, and has received a lot of attention. As the winter Olympic Games are ahead of schedule, active participation of teens is also expected.
We are calling athletes and artists who became the world’s top teens in their teens as genius boys or genius girls. There are many second generation players, but many are children with ordinary parents, and the people of the world show interests about their parenting.
Many parents answered that in the interview with parents reflected on television, the chance of starting themselves has been the beginning of the initiative. Also, it is said that the individual himself tackled the practice and the parent just watched.
The secret of their success is probably because there was a genius of tenacity: “persevering, ability to pass through”. Also, I think that the power of parents who were brought up well so as to raise motivation is not picking up the bud that children started to grow.

131.  How to cultivate a sensible heart   December 2017

Our human brain is said to have two functions, “cognitive ability” and “non-cognitive ability”. Among them, “cognitive ability” can be measured by IQ (intellectual exponent) test and examination, and it is a standard of modern society that is so-called smart people or people with high academic ability. However, recently, in brain science, “unrecognized ability” (richness of sensibility) which can’t be measured by IQ has attracted attention.

Cognitive skills can be taught, but there is no textbook to nurture sensible rich minds. Non-cognitive abilities are not teaching, but children will learn naturally from their surroundings, such as family members, friends of nurseries, teachers, and others.

To foster a mind full of sensibility, always looking at eyes against a sign sent from a child, responding with a smile. And it is to praise firmly. That way, the child will be self-confident, will be a sensible rich adult.

130.  It became autumn of appetite and taste  October 2017

The hot summer is over, the morning and the evening is cool, it is easy to spend Autumn is coming. Children regain the appetite they had fallen in summer heat. To get tired of summer is to take a nutrition-rich foodstuff in good balance.

In autumn of Japan, seasonal vegetables, fish, fruits such as sweet potato, pumpkin, saury, chestnut, persimmon, pear, grape, apples are decorating the shop front. Japanese food culture is in a dish that cherishes the taste of nature. “Taste of autumn” is a good opportunity to make children familiar with the taste of nature.

There are five types of taste that people feel, sweet, umami, salty, sour and bitterness. Children talk about something with bitterness (taste of poison), acidity (taste of spoilage), they reflexively make a disgusting face from self-defense when they were born. Please be aware that there is a difference in the taste of adults and children.

But, when the surrounding adult eats deliciously, the child comes to feel it with confidence.

 

Child Rearing in the Age of Artificial Intelligence (AI): Discovering the Intriguing Abilities of Babies, Nurturing Them to be Warm-hearted Children (English Edition) Kindle版 53 pages By Hajime Nakamura

If AI robots are to help raise our children, we will have to foster the AI robots to become full of “care” and “warm-heartedness”, just like Astro Boy..But before that, it seems even more important to re-evaluate whether the child rearing we humans are performing ourselves today is appropriate.

AI時代に向けての育児: 赤ちゃんがもつ不思議な力を知り、 あたたかい心をもつ子に育てよう (エッセイ) Kindle版 53ページ

中村 肇 (著)
AI化が進む世界で、遠からず、ロボットに育児支援を頼む日がきます。
あたたかい心をもった子どもに育てるには、人自らが今の育児環境を見つめ直し、
AIに正しい育児を学習させねばなりません。