高齢者にやさしい日本の若者たち

首都圏では新型コロナの感染者数が微増しており、蔓延防止措置がオリンピック後まで延長されるようです。今のワクチン接種率では、我が兵庫県も、遠からず感染者数の増加に転じることでしょう。

賢明な日本国民は、政府の日和見的な政策に期待をかけずに、日々発表される感染者の数を見て、さっさと行動に移しているようです。お陰で、日本は、世界的に見て感染者数も、死亡者数ももっとも低いグループに入っています。

福祉大国スウェーデンの失政

スウェーデンは、新型コロナ拡大後、他の欧州諸国のように厳格な都市封鎖を行いませんでした。レストランや小売店は営業を続け、学校も閉鎖しなかった結果、人口約1千万人の同国で、死者は約1万4千人に上り、人口当たりにすると日本の12倍になります。感染者数も18倍と桁違いに多い数字です。

私自身にとって、スエーデンは高福祉国家の理想のモデルであり、また医学研究の面でも、世界をリードする国家であると考えていました。ところが、この度のコロナ対策では、集団免疫を目指すとの政策が打ち出されました。

新型コロナ拡大後も、他の欧州諸国のように厳格な都市封鎖を行わず、レストランや小売店は営業を続け、若者たちがレストランでビールのジョッキーを傾けながら歓談している画像には驚きました。

高い死亡率の原因は、当然重症化しやすい高齢者であり、あれだけの死亡者数に達したということは、医療現場で『命の選別』があったにちがいありません。

一番我慢をし続けている日本の若者たち

かつての福祉国家スエーデンは、経済成長とともに、民営化が進み、格差社会に変貌してしまったことが、今回のような結果に結びついたのでしょう。

日本のまん延防止に最も貢献しているのは若者世代です。家庭内にウイルスを持ち込まないように、我慢し続けてきたのが、日本の若者たちです。

私のような高齢者が今こうしていられるのは、老人を大切にする日本の文化、それを体現している若者たちへの感謝の気持ちでいっぱいです。

2021-7-6