Contact Tracing Assessment of COVID-19 Transmission Dynamics in Taiwan and Risk at Different Exposure Periods Before and After Symptom Onset. JAMA Intern Med. Published online May 1, 2020.
台湾では2020年5月14日現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者440人、死者7人で感染制御に成功しています。その台湾衛生福利部疾病管制署(台湾CDC)からJAMA Internal Medicineに「台湾のCOVID-19感染ダイナミクス」の論文が出ました。
100人の感染確定者と2,761人の接触者について追跡(contact tracing)を行い、時期による感染力の違いが明らかになりました。内容は誠に驚くべきものでした。
最大のポイントは「COVID-19感染は発症前から発症5日が最多で、6日以後はほとんど感染しない!」です。
最重要点は次の3つです。
- 接触者追跡は発症4日前までさかのぼれ
- COVID-19は発症前から発症5日までに感染リスクがあり、6日以降はない!
- COVID-19の二次感染までの期間(serial interval)は4~5日、SARSは4日
すなわちCOVID-19患者が肺炎を起こして入院するころにはもう感染しにくくなっているというのです。これは医療者にとっては誠に福音(エバンゲリオン、good news)です。
発症6日以後にCOVID-19患者に接触した852人で発症はなんと0(95%CI 0~0.4%)でした。中国や香港でも、医療者は病院でなくて家庭で感染する方が多かったというのです。ドイツでも発症1週以後、生存ウイルスは分離されていません。
重症の肺炎患者は大量のウイルスを出しているのではなく、サイトカインストームにより悪化するということなのでしょう。
2020.05.20 Wednesday