アメリカ社会の分断、経済格差の問題は、2012年にアラン・クルーガーらによって警告が発せられていました。(2017年疫学講義資料「子どもの貧困」より)
The Great Gatsby Curve (グレートギャツビーカーブ) とは、
- 「グレートギャツビーカーブ」は、米国の経済学者でノーベル賞受賞しているアラン・クルーガーによって有名になりました。クルーガーは、国の所得の不平等と子供とその親の所得との関係についての研究を拡大しました。
- 散布図は、所得格差の大きい国に住む人が社会で前進することがどれほど難しいかを示しています。プロットの左下の領域のデータポイントは、不平等が低く、移動性の高い国であり、右上のデータポイントは、不平等が高く、移動性の低い国です。
- 米国の所得格差は過去30年間にわたって増加し続けています。
- 所得格差の大きい国では、上向きの流動性が低く、低所得の家族に生まれた子供が経済のはしごを登る機会があります。つまり、流動性を改善するために何もしなければ、社会階層が持続する可能性があります。
- 発展途上国では、所得格差が大きく、上向きの経済的流動性が低い傾向があり、将来の世代が社会のはしごを上る機会に影響を与える可能性があります。
- 不平等と弾力性が低い北欧諸国は曲線の最下部に位置します。日本は中位に位置しています。
映画 The Great Gatsby 華麗なるギャツビー
レオナルド・ディカプリオ主演、バズ・ラーマン監督で2013年に映画化。共演はトビー・マグワイア、キャリー・マリガンら。
アメリカ文学史にその名を残すフィッツジェラルドの小説の映画化。狂乱の時代を迎えた20年代のアメリカを舞台に、大富豪ギャツビーら上流階級の人間たちの愛と偽りに満ちた世界、華やかな成功とその裏に潜む苦痛や苦悩を描き出す。
ジニ係数
ジニ係数は社会における所得分配の不平等さを示す指標で、0に近いほど格差が少ない状態となります。格差はすなわち社会の不満となり、ジニ係数40%以上は社会騒乱の警戒ライン、60%以上は危険ラインとされます。ジニ係数が低い国家では、税と社会保障による所得の再分配が進んでいる傾向がみられます。
表. OECD主要国のジニ係数の推移について 2012年
- ノルウェー 0.250
- デンマーク 0.253
- フィンランド 0.261
- スウェーデン 0.273
- オランダ 0.278
- ドイツ 0.293
- ルクセンブルク 0.298
- カナダ 0.316
- ニュージーランド 0.323
- イタリア 0.329
- 日本 0.330
- ギリシア 0.340
- 英国 0.341
- イスラエル 0.377
- アメリカ 0.389
- メキシコ 0.482
厚生労働省政策統括官付政策評価官室が作成した資料であります。(2017年3月9日閲覧)
日本のジニ係数0.33は、OECD主要国の中では、メキシコ、米国、イスラエル、ギリシャについで高く、所得格差の年次変化はありません。
2020-11-12