私の周囲の人たちが映画「国宝」を絶賛するので、寒風の吹き荒ぶ中を出向きました。
映画「国宝」は、任侠の家に生まれ、父を抗争で亡くしたが、歌舞伎の家元に、女形としての才能を見抜かれ、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた3時間の大作です。
歌舞伎の雅やかさ、芸の厳しさ、跡目争いなどの話題が織りなしており、退屈しない時間でした。最初の場面が1964年、暴力団抗争が最も激しかった時代です。任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまうところから始まります。ちょうど私が大学を卒業し、結婚した年です。
芸事の厳しさ・難しさ
芸の稽古のシーンが度々出てきます。体の動き、声のトーン・抑揚などは叩き込まれると上達できるでしょうが、心の内面を表現することは中々難しいことだと思います。
感性の伝授は至難です。でも、何かの拍子に、突然光が差し込んでくるようなものでしょう。
身体が動き辛く、声も出難くなった高齢の歌舞伎役者が活躍しているのは、見える姿・形の美しさや声の大きさ・美しさ以外の何かがあるからでしょう。2025.12.13.