今再び、医療崩壊が

かつて、「小児医療の崩壊」が世間の話題になったことがあります。私が現役最後の頃、ちょうど2008年ごろです。とりわけ、地方の小児救急医療が話題の中心でした。

当時は、今以上に小規模な地域病院が救急に担い手であり、スタッフ数が揃わず、不採算のために、次々と閉鎖されて行ったからです。

 大学病院の赤字化が問題に

今話題の医療崩壊は、少し事情が違うようです。我が国の医療の要である大学病院の赤字化が、その存続を危うくしているというのです。その対策として、大学側は保険点数の改定を求めていますが、多少のアップでは問題解決しない気がします。

大学では、先進医療の担い手ということで、採算を無視した高額医療機器や高額な検査・投薬が当然の如く行われていますが、これらは病院収入には反映されず、むしろ赤字化の原因となっているようです。さらに、医師の働き方改革による人件費高騰もあります。このような構造的な問題を抱える中で、いかに問題解決を図るか?

少子社会の中で小児医療の無償化を

それには、日本が誇ってきた国民皆保険制度を守り続けるのか?混合診療を容認して、先進医療に対応するか?の選択です。これは医療者が決めることではなく、受益者である国民の意見が大切です。

これまで皆保険制度の中で医療を実践してきた我々世代には、医療の二極化は耐え難いものがあります。どんな医療制度を選択するにしても、少子社会の中で小児医療の無償化はいち早く実現したいものです。  2025.12.04