医療崩壊が目前に

日本の医療が近い将来崩壊するのではという医療関係者からの声が、医療の最前線から遠ざかって久しい私にも届いてきます。多くの病院が、2024年度決算で赤字を計上し、現行の医療保険制度の下でその存続自体が危ぶまれているところもあります。これまでのように、誰もが、いつでも、どこでも自由に医療を選択できる状況が一変する可能性があります。

増加し続ける国民医療費

令和4年度の国民医療費は46兆 6,967億円、前年度の45兆359億円に 比べ1兆6,608億円、3.7%の増加。 人口一人当たりの国民医療費は 37万3,700円、前年度の35万8,800円 に比べ1万4,900円、4.2%の増加となっています。高齢者人口が今後も増加し続けることを考えると、国民医療費は今後も増加の一途です。

社会保障全体の給付費でみても、2025年度(予算ベース)では、140.7兆円(対GDP比22.4%)なっており、今後も高齢化に伴って、社会保障給付費の増加が見込まれます。ようやく、先の国会で日本の福祉・医療制度について論議が交わされていましたが、明確なビジョンは示されていません。

国民皆保険制度が危うい

これまでと同じレベルでの手厚い医療・福祉を国民に提供することは現実的に不可能になったと思われます。日本列島の地下にレアメタルをはじめとした鉱物資源が発見されれば良いのですが。これまでの30年間の医療政策は、経済的成長に支えられ、事なきを得ていたのですが、もはやそのレベルではなさそうです。

国民一人一人が現代医療の恩恵を享受するためには、抜本的な大改革が避けがたいものとなっています。

気がつけば、我々日本人が50年にわたって守り続けてきた国民皆保険制度が崩壊していたということにならないよう願います。2025.7.13.