結婚式の招待者の中には、日本に留学していた方やビジネスで訪日体験があり、流暢な日本語を話される方が多数おられます。
同伴してくれている娘のMayukoは、おしゃべりな中年女性の皮膚科医Kさんと親しくなり、井戸端会議、いろんな情報を聞き出していました。
私の傍で話しかけてくる中年男性Mさんは、大変な酒豪でウィスキーを何杯も飲み続け、日本で過ごした昔話にご機嫌です。彼は沖縄で2年ほど過ごしたそうで、泡盛を現地人と飲み交わし、楽しい時間を過ごしたようです。見た目からして日本人と見間違うような顔貌、日本人にもよくあるタイプ、親しみの持てる小太りのオッサンです。
グルン族Gurungの中年男性に出会って
Mさんの友人の一人Sさんが、同じテーブルに腰掛けていました。彼は、50歳前後と思われ、非常に精悍な顔つきと柔道家のような頑強な肉体をもつ、無口な獣医師の男です。ネパール語でもあまり話しません。
私が、彼に惹かれたのは、都市のカトマンズではなく、山岳民族グルン族の出であり、容貌は日本人に大変似ているからです。グルン族、ヒマラヤ山系のひとつ、アンナプルナ連峰の南斜面に住む山岳民族です。
彼の高校生時代には、車が通れる道はなく、10km以上の山道を歩かなければ麓の町まで辿り着けず、今でも車だけでは無理だそうです。カトマンズに出るよりも、チベットの方が近いそうです。獣医師の彼は、将来故郷に戻り、ヤギの牧畜を夢見ていると目を輝かせて、言葉少なに語ります。
グルン族は勇猛な民族
昔は、羊の牧畜,トウモロコシ,シコクビエなどの農業,チベットとの交易に携わり,狩猟にもたけていました。今日では,牧畜・交易の比重は低下し,稲を栽培する農業が主要となっているようです。
グルン族は、たいへん勇猛な民族で、ネパール軍やインド軍の軍人や、イギリス軍の傭兵,ポーターなどになる者が多いのだと、彼らは誇らしげに語ってくれました。
何より興味深いのは、グルン族の容貌が日本人に大変よく似ていることから、日本人のルーツとして、もう少し調べてみたい気がします。 2024.12.21.
映像作品「グルン We are Gurung」
グルン族をネットで検索したところ、映画「グルン」の公式サイトがヒットした。グルン族の7年間を追った森野継偉監督の映像作品「グルン We are Gurung」で、ヒマラヤの奥深くで生活するグルン族の伝統や慣習の間で揺れる少女の葛藤を描いた作品です。 https://youtu.be/Zeks1m9j4Uk
監督のコメントして、日本の人々は、自分のことだけでも精一杯日々を生きているけれど、ふと立ち止まると知らない国の知らない人たちも精一杯生きているのです。日々の中で一杯一杯になる時もあるけど、そんなときに物差しがいくつかあるとどこか心の拠り所ができるのではと。