昨秋に神戸学院大学の博学の西尾久英教授から「易経」を紹介され、早速読み始めたのですが、内容が膨大すぎて枕元に置いたままでした。年末年始の休暇で時間も十分あり、再び手に取ってみました。
「易経」は、四書五経と呼ばれる儒教の経典の一つで、六十四の卦から成り立っています。六十四の卦は、三つの要素、「天」・「人」・「地」の組み合わせ。「天」は陽と陰の相互作用、「人」は仁と義の相互作用、「地」は剛と柔の相互作用でなり、さらに同じ組み合わせをもう一組、合わせて2の4乗、六十四通りで成り立っています。
「火水未済」が今の時勢に相応しい
年頭にあたって、易経最後の六十四番目の「火水未済」が今の時勢に相応しいと感じました。そこに、記述されているのは、
- 完成した時代から、未完成の時代に移行しました。これから、また新たな完成に向うのです。
- 急いではなりません。実力を養い、準備を整えて、順次に事を運びましょう。すると、凶運から盛運に向かっていくのです。
- 最初はできそうにない事も、やがては成し遂げられます。
- 慎み深さを失えば、良いことは何もありません。
- 妄動せずに、全員が一致努力して事に臨めば、事態は好転します。
- 火と水がうまく交わるように、適材適所を計りましょう。
これら三千年前の古代中国の教えは、現日本政府の施策よりも説得力があり、国民に希望を与えてくれるようです。2024.1.2.